プロ野球は2月1日から一斉にキャンプインを迎える。新型コロナウィルス感染拡大で、主要都市に緊急事態宣言が発出され、キャンプ地である宮崎県、沖縄県でも独自の緊急事態宣言が出されている。そうした中、無観客という形でのキャンプが始まる。
日程とメンバー
前回の投稿に記載の通り。
チームも31日に沖縄入り
三浦監督は、自身のAmebloで機内の様子を「番長フレーム」で伝えた。ファーストクラスかビジネスクラスか分からないが、監督だしそうだろう。夜にはNHKのサンデースポーツにリモート出演し、フラットな姿勢で構想を語った。
そして、神奈川新聞のベイスターズTwitterでも到着の様子がツイートされていた。
番長に加えて南場オーナーも。例年通りキャンプ前日のミーティングではオーナーからの言葉があるのだろう。初のキャンプとなるルーキーたち、ベイスターズに移籍した田中俊太の姿もある。感染が拡大している中で、現状では特に陽性者が出てキャンプ不参加という情報もなく、無事に沖縄入りができて、まずは第一歩という感じか。既に発表されている通り外国人選手は合流できないが、オースティンの自主トレの様子が球団公式Twitterで公開されていたように、各自できることはやってきてくれると思うので、来日できる日を待つしかないだろう。
中継・配信
TBSチャンネル2で初日や土日の練習試合を中心に生中継される予定。同様にParaviでも配信がある。そして、例年通りニコニコ生放送は初日から宜野湾キャンプを連日配信。また、ファームのキャンプはイレブンスポーツが生配信する予定となっている。
さらに、今年は無観客での開催ということで、球団公式Twitterでも一部の日程において無料で配信されるとのこと。
期待のポイント
三浦新監督の船出となるキャンプ。昨年末から書いてきたように、今年がある意味本当のNEW GENERATIONということになる。外国人選手が合流できないという緊急事態をどのようにプラスに変えられるか、そこが焦点になるだろう。ポジション別に期待のポイントを整理する。
先発投手
今永が離脱する中、大貫が2桁を挙げる活躍を見せたが、まだまだ駒不足な感じは否めない。今永が開幕に間に合うかどうかはキャンプで状態を見て判断ということになるだろうが、無理はさせないだろう。東は想定よりも早く回復してきているかも知れないが、もともとは今年の後半からというイメージなので、開幕時点では計算しない方が良いだろう。
開幕投手は大貫を軸に、平良、濵口あたりが争う形になりそうだ。昨年はケガと不振が続いた上茶谷もここに割って入りたい。大貫が昨年から引き続きさらなる成長を遂げること、平良が1年間無事に投げることは不可欠となってくる。そして、2年目以降伸びて来ない濵口も、年間を通してローテーションを守るためのピッチングを強く意識して欲しい。
名前を挙げた4人は計算できるようでないと苦しいが、ここに新たな力が加わって来ないと143試合は戦いきれないだろう。まずはルーキーの入江がどれくらいの投球ができるか。毎年ルーキーに期待しなければならないのは苦しいところだが、近年の大卒投手は活躍している選手が多いだけに期待は高まる。
そして、当ブログでも名前を再三挙げている京山、阪口。この二人が1軍ローテーションのレベルを引き上げるかどうか、チームの浮上に大きなキーとなるポイントだろう。キャンプでこの二人が順調に仕上がり、実戦で大きなアピールをしてくれれば、一気に先発ローテの競争も激化してくる。昨年も6月の練習試合で1回好投しただけで開幕ローテに入れるような低レベルな争いになってしまったが、今年は誰を入れるか三浦監督が困るくらいになってもらいたい。
リリーフ
エスコバーがいつ来日できるか不透明なことが痛い。パットンに代わる右腕としてシャッケルフォードを計算していたが、こちらも来日できず、支配下となる日はしばらく先になってしまいそうだ。
クローザーとしてはまず三嶋が先頭に立っている形になるだろう。ただ、リリーフの陣容を考えれば当然、山崎の力が必要だ。ファームからのスタートを決めたが、彼がどのくらいの仕上がりを見せるか。リリーフの厚みに大きく関わって来る。
国吉、平田、伊勢は昨年以上の活躍が期待される。そして、石田は三浦監督がどう考えるかだが、リリーフにいてもらわないと苦しいかなと感じる。ここに砂田が入って来られるか。さらにルーキーの池谷がどのくらいの投球を見せるのかも注目ポイントだ。順調に調整ができれば、キャンプ中の練習試合でも登板機会があるはずなので、仕上がり具合に注視していきたい。
捕手
昨年は戸柱が主戦として出場した。盗塁阻止率に改善が見られ、守備の評価が高まった形。バッティングはもともと意外性と長打力があり、その部分の魅力は発揮されたが、打率は物足りなかった。まずは守備というポジションではあるが、1、2年目と変わらない打率というのも成長が欲しい。
対抗するのは伊藤光になるか。昨年はラミレス監督らと意見が合わない部分があったのかも知れない。ファームでもケガをして、なかなか1軍の試合には出られなかった。移籍後1軍で活躍してきた彼にとって、不本意ではあるもののファームで若手の投手とバッテリーを組んだ時間は、結果として貴重なものとなってくれることを願う。
当然ながら嶺井、高城という経験のある捕手も出場機会を狙ってくるが、1軍キャンプに抜擢された山本に注目したい。その肩は非常に評価が高く、三浦監督もファーム監督として理解している。バッティングではプロ初ヒットがホームラン、サヨナラタイムリーを放つなど、持っていると感じさせる。いかに安定して成績を残すか。1軍の投手のボールを受け、リードすることでさらなる成長を期待したい。
内野手
ソトがファーストに回り、二遊間の競争が激化すると見られているが、ソトが開幕にも間に合わない場合はファーストも含めての競争になる。昨年メインで出場した大和、倉本、柴田も結果を出して行かなければすぐにポジションを奪われる。そんな状況に持って行けるかどうかは、移籍の田中俊にかかっている。田中俊が走、攻、守でどんな刺激と変化をもたらすか非常に楽しみだ。
そして、その争いをさらに高いレベルにするには、伊藤裕、牧の存在が大きく左右する。牧が開幕1軍さらにはスタメンを奪おうかという勢いを見せれば、伊藤裕をさらに刺激するだろう。大卒野手が1年目から活躍するのは簡単ではないが、どのくらいのレベルにあるのかキャンプの練習試合で確認したい。
ファームスタートとなったが、ファーストということになれば山下にもチャンスはある。森、田部はもう少しファームでやることがありそうだが、知野もバッティングに力強さが出てきているので、昇格のチャンスを窺って欲しい。
外野手
まずは梶谷が抜けたセンターを誰が取るのか。神里が一番近いところにいるのは間違いないが、三浦監督はフラットな姿勢を見せている。宮本、関根を1軍でスタートさせて、チーム全体の競争を煽っている点に注目。ラミレス監督時代は、比較的チャンスが少なかった二人で、三浦監督が走力を評価していることもあり、ラストチャンスというくらい必死にやってくれるだろう。
ファームスタートになった乙坂も這い上がって行かなければならないし、楠本も1軍で結果を出す以外にもう残っていることがない。復活を期す桑原を含めて、オースティンがいない間に1軍の試合に出場する機会を掴み、アピールをして行かなければならない。いずれにせよ、オースティンはケガでいないことも多々あるだろうから、そこでカバーできる選手が出て来る必要があるわけで、この非常事態で出て来てくれればと思う。
球音を楽しみに
コロナ禍、緊急事態宣言が出る中で無観客とは言え、キャンプができることをファンとしても感謝したい。野球ファンにとって、2月1日はお正月。今年もまた1年間野球の生活が始まるという日。選手たちが練習や試合を行って響かせる球音を楽しみに、苦しい我慢の生活を何とか頑張って行ければと思う。
まだまだ先は見えない状況だが、予定通り開幕を迎え、すぐには難しくても多くのファンが球場で応援できることを信じて、キャンプを楽しんで行ければと思う。
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