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今永は1年契約、MLBに興味 高城が引退決断

横浜DeNAベイスターズの今永が8日、契約更改交渉に臨み、4000万円増の推定1億4000万円でサインした。来季、国内FA権を取得する見込みだが、1年契約となった。また、戦力外通告を受けていた高城が引退を決断し、コメントとともに発表された。

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早ければ来季オフにポスティング移籍か

2020年オフに梶谷、井納が相次いでFA移籍したこともあり、2021年オフには翌年にFA権を取得見込みだった桑原、三嶋と複数年契約を結んだ。FA前に長期契約をし、選手を流出させない取り組みを見せた。今年も、来季FA権を新たに取得する見込みである選手に対して、複数年契約を結ぶか注目された。その目玉でもある今永は、予想通り1年契約となった。

2020、2021年は左肩の故障が影響し、シーズンを通しての活躍はできなかった。2022年は開幕で出遅れたものの、3年ぶりに規定投球回に届き、11勝を挙げた。それでも、今永本人が「最低限の最低限の最低限くらいの数字」と言っているように満足していないし、もっとやれる投手だろう。そういう意味で今、複数年契約を結んで年俸の上限を設定する必要もないし、桑原のように年俸変動制の複数年を結ぶ意味もない。

今回の交渉でもMLBに対する興味を聞かれ、はいと回答したことを明かしているが、当然ながらMLBも視野に入っているだろう。本人としてなるべく早く挑戦し、球団としても移籍金を手にすることができるのは、海外FA権を取得する1年前、つまり国内FA権を取得するタイミング。ここが落としどころだろう。

山崎も今年、国内FA権を取得し、ポスティングでMLBへ移籍するものと思っていたが、残留を決意して6年契約を結んだ。自分の夢や将来をどう考えるかは人それぞれなので、何が良い悪いというわけでもない。

特に、ここまでの国際大会でも奪三振ショーを繰り広げ、活躍を見せている今永が、MLB移籍を考えるのは当然のこと。来年3月に行われるWBCについても、まだ選ばれたわけではないという前置きをしつつも意欲を見せている。

MLBに行っている菊池雄星は、今年は後半リリーフに回ったりとベストな状態ではない。そうなれば日本人の左腕で今永はトップクラス。先日の強化試合のオーストラリア戦でも4回で10三振を奪う快投を見せており、大谷やダルビッシュが参加表明した中であっても、今永の召集は有力だ。

WBCでMLBで実績のある打者を抑え、そのままシーズンでも活躍し、来季オフにポスティング。それが順調に行った場合の今永の進む道かも知れない。

個人的には以前からベイスターズは今永のチームだと書いている。2016年に入団し、貴重な左腕の先発として力を発揮し、チーム史上初のCS進出に貢献し、2年目には先発陣を牽引して3位ながら日本シリーズまで進んだ。今永が活躍している年は、チーム成績もそのまま比例している。来季の優勝には彼のシーズンを通した大活躍は欠かせない。

だが、ベイスターズの今永が来季限りであることも覚悟しておかなければならない。同じようにラストシーズンと思った山崎の例もあるが、2023年の手応えによってはMLB移籍を決断することになるだろう。

平良が戻り、東が復活できれば先発の層は厚くなるが、2024年以降を見越して柱を育成していかなければならない。小園や今年のドラフトで指名した森下が育つには少し時間が足りないが、京山や阪口といったあと一歩の投手もレベルアップさせたいし、現役ドラフトの候補に名前が挙がる坂本も放出している場合ではない気がする。

今永の2023年はどんな年になるか。まずは複雑な気持ちでWBCを見ることになるだろうか。願わくば世界一、そしてベイスターズは日本一になって、1年後には喜んで送り出せれば。

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多くの人に愛され縁の下で支えた存在

10月16日に、ベイスターズが高城と2023年の契約を結ばないことを発表。現役続行を希望し、合同トライアウトには参加せず、移籍先を模索していたが、8日に現役引退を決断したことが発表された。

球団のリリースに掲載された高城のコメントは、異例の長さだった。ここにも彼の人柄が表れているのだろう。

「今シーズン限りで現役引退する事をご報告させていだきます。2012年にプロ入りしてからベイスターズで9年半、オリックスで1年半プレイさせていただきました。選手として何一つやり遂げることはできず、志半ばではありますが、素晴らしい指導者の方々に恵まれ、多くの仲間、そして最高のファンの皆さまからのご声援のお陰で、こんな自分が11年間プレイする事が出来たと思っています。

2019年にオリックスを戦力外になった時に、ベイスターズから声をかけていただきました。プロ入りしたチームに戻り、たくさんのベイスターズファンの前で最後のシーズンをプレイできたことは、これからの人生でも決して忘れる事はないくらい幸せな時間でした。そして、大好きなベイスターズでユニフォームを脱ぐことができ、誇りに思います。

こんな自分ですが、プロ野球選手として現役生活を続けてきた中で一つだけこだわりがあります。それは“チームワーク”です。自分が良いプレイをして結果を出すことは、プロとしてもちろん大事なことです。しかし、自分は一人でチームを救えるような選手ではありませんでした。だから、常に『チームのためにどうしたらいいのか』と考えてプレイしてきました。自分自身もスタッフ、トレーナーの方々、丈夫な体に育ててくれた両親、そしてどんな時も寄り添ってくれた家族、皆さんの“チームワーク”に助けられてきました。

今まで支えて下さったすべての方々、そしていつも応援して頂いたファンの皆さまに感謝しております。

これからの第二の人生もこれまでと同じように“チームワーク”を大事に、たくさん恩返しができるよう全力で頑張っていきます!!11年間本当にありがとうございました!」

髙城俊人選手 現役引退のお知らせ

身売り騒動の渦中、TBS時代の横浜ベイスターズとして最後のドラフトとなる、2011年に2位指名を受けて入団した。今年は松尾汐恩を谷繁氏以来となる1位指名したが、近年では嶺井の3位はあるが、2位までの指名はなかった。2位だと1997年の新沼氏まで遡ることになる。球団の体制が不透明だったこともあり、入団してもらえる高校生を中心に指名したドラフトではあったが、その中でも評価を受けての2位指名だった。

横浜DeNAベイスターズとして最初のシーズン、春先からチームは低迷した。夏場に、チームの雰囲気を変えるべく将来も見越して、高城をスタメンに抜擢。高卒ルーキー捕手のスタメンは谷繁氏以来23年ぶりと話題になった。きっちりと結果を残し、チームの勝利にも貢献した。2013年は開幕スタメンを勝ち取り、チームの正捕手として期待が高まった。しかし、51試合出場で打率.136とバッティングに課題があり、出番は大きく増えなかった。

2016年にラミレス監督が就任すると、戸柱の起用が多くなり、嶺井と共に2番手争いが続いた。2017年はルーキーの濵口が先発する際にスタメン起用され、好リードで2桁勝利に導いた。日本シリーズでは濵口が8回途中までソフトバンク打線をノーヒットノーランに抑える好投を引き出し、プロ通算で1本塁打ながら、日本シリーズで価値ある本塁打を放つなど、少ない出番ながら貢献し、強烈なインパクトを与えた。

2018年は、濵口が左肩痛で出遅れ、2年目のジンクスで成績も振るわず、高城の出番は少なくなった。戸柱、嶺井、高城の3名の捕手でお互い補い合いチームを支えていたが、編成は新たな捕手の獲得を進めた。7月9日に白崎とともにオリックスへのトレードが発表された。

2018年のFOR REALでは、ハマスタのロッカーを整理し、関係者に挨拶に行く映像があり、誰からも愛されたことが分かる。高城自身も横浜を去ることに涙を流していた。これは噂レベルだが、当時の光山バッテリーコーチは反対で、それがもとで同年限りで退団したという話もある。

オリックスでは2018年は1軍に上がることなくシーズンを終え、2019年も僅か5試合に出場しただけだった。2019年オフに戦力外通告を受けた。

ベイスターズは、高城と交換要員となった伊藤光、戸柱、嶺井が1軍の枠を埋め、2019年には2位に躍進していた。高城が復帰しても1軍で出場することは難しいと見られていたが、高城自身もベイスターズへの復帰を望み、ベイスターズもその人柄を含め、試合以外での貢献も評価し、獲得に至った。

2020年は伊藤光の故障もあり、23試合に出場。打率は.190と低調ながら、キャリアハイとなる3本塁打をマークした。しかし、2021年は山本の台頭もあり、1軍では7試合出場にとどまった。そして2022年は、コロナの影響でメンバーが入れ替わる中、代替指名選手でベンチ入りはしたものの、プロ入り初めて1軍での出場がなかった。

当然、球団もFA権を取得した嶺井が移籍するリスクは考慮していた中で、戦力外通告となった。松尾、上甲の2名を指名し、次世代として益子、東妻も育てて行く上で、ファームでの出場機会を来年30歳となる高城に与えることは難しいと判断したのだろう。

筒香がベイスターズに在籍していた頃は、乙坂らと並んでかわいがられた。何かのインタビューで、自分が女性だとしたら、彼氏にしたいのは高城と言っていた記憶がある。第3の捕手として、試合には出場せずベンチ入りを続ける立場にもあったが、投手だけでなくチーム全体に良い影響を与えていた存在であることが推し量れる。オリックスから復帰した後も、ファームの若手にとってはコーチとはまた違った兄貴分という存在だったのではないかと思う。

谷繁氏と秋元氏の応援歌を合わせたような、「強肩強打の凄い奴 勝利呼び込むサイン」という歌詞には、高卒ルーキーとしてスタメン出場した高城へのファンの期待が表れている。自分で考えた配球を押し通すのではなく、投手の投げたいボールを投げさせ、気持ち良く投げさせることに重きが置かれているというリードは、濵口を始めとして投手の力を引き出した。

一方で、強打というには程遠いバッティング面の課題が、レギュラーを獲れない主因となった。九州国際大高では、長打力はないもののセンバツで8打数連続ヒットをマークするなど、ミートが巧く打てる捕手としての評価も高かった。だが、プロの1軍の投手の壁は高かった。捕手は守備が一番と言われるが、さすがに2割に満たない打率ではレギュラー獲りは厳しい。

それでも、ルーキーイヤーの輝き、2017年の活躍、2018年のトレードでの涙、2020年の復帰とファンの記憶に残る選手だったと思うし、高城を愛するファンはホントに多いと思う。ひとまず、11年間の現役生活にお疲れさま。第2の人生について情報はないが、何らかの形でベイスターズに携わってくれると嬉しい。

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いよいよ9日に現役ドラフト

NPBの初の試みとして、今年から現役ドラフトが実施される。既に2日に各球団が現役ドラフトにかける選手を提示済で、9日に獲得希望が多い選手を出したチームほど指名順位が先となり、非公開で指名が行われる。各球団少なくとも1選手を放出し、1選手を獲得することになるようだ。ルールも複雑だし非公開で、最終的に結果だけが発表されるようなので、その結果を受け止めるしかない。

ベイスターズでは、やはり人数的に飽和状態の外野手が考えられる。フェニックスリーグの起用法を見ても、細川は年齢を重ねたとは言え、これまでの強化指定選手のような扱いではなかった。京田の移籍により1軍で出番が限られそうな左打の内野手も考えられる。フェニックスリーグに最初だけ参加していた田中俊も可能性はある。

2名であれば、投手も現役ドラフトの候補となりそうだ。坂本あたりの名前も噂されているが、ベイスターズとして現役ドラフトにどのような姿勢で取り組むかによるだろう。活躍の場が得られない選手の救済が目的であれば、不要な選手を対象とするのではなく、移籍によってチャンスを得て輝ける選手を出すべきだろう。ただ、そこは初年度でもあり、各球団がそれぞれの考えで選手を出してくるので、全く読めない。

NPB、選手会ともに、まずは開催によって一歩踏み出したということが重要なのだろうが、うまく制度をブラッシュアップしないと、トレードとの差が見出しにくくなるし、不要な選手をただ動かしただけになってしまう。誰が移籍したという結果よりも、現役ドラフトにより何が生み出されたのかを数年後に検証し、より良い制度にして欲しいと思う。

誰かは移籍してしまうことになるので、覚悟はしている。これについては、情報が明らかになった時に書きたいと思う。

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