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ウェンデルケンを獲得 ガゼルマンは残留決定

横浜DeNAベイスターズは28日、MLBのダイヤモンドバックスから自由契約となっていたウェンデルケン投手と2023年シーズンの選手契約を結ぶことで合意したと発表した。また、2022年途中に入団したガゼルマンの残留も併せて発表となった。

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リリーフ専門のパワーピッチャーを補強

外国人投手のリリーフは、左腕はエスコバーが大黒柱として存在感を見せているが、パットンの退団後は右腕が定着し切れていない。

2021年はトミージョン手術明けのシャッケルフォードを育成契約で獲得。コロナの影響で来日が遅れ、キャンプには参加できなかったが、来日後の4月末に支配下登録。32試合に登板したが、防御率5.17で4ホールドに終わった。

2022年はクリスキーが入団し、リリーフとして計算していたが、新外国人ということでまたも来日が3月にずれ込んだ。4月12日に1軍に合流し、来日初勝利も挙げるなど結果を残していたが、7月に右前腕炎症で離脱。終盤に再昇格が近づいたところでコロナの陽性判定を受け、結局登板がないままシーズンを終えた。

ロメロは昨年の後半に先発ローテーションに定着し、今年は1年間のフル回転が期待されたが、結果を出せず。終盤はリリーフに回っていたが、そこでも十分な力を発揮できていなかった。クリスキー、ロメロは去就が微妙な状況になっていた。

そうした中、山崎がかねてからMLB挑戦の意向であり、三嶋が難病である胸椎黄色靭帯骨化症で治療中。70試合に登板した伊勢や2年目で飛躍した入江も、2年続けて計算できるかどうかはまだ未知数という事情もあり、2022年は強力なリリーフ陣を形成していたものの不安は大きい。その為、球団としてもリリーフの補強に動いていた。

今回獲得となったウェンデルケンは、MLB通算144試合登板で全てリリーフ。平均153キロで最速158キロのフォーシームを投げる速球投手で、典型的なパワーピッチャーという感じ。変化球はスライダー、チェンジアップ、カーブがあるようだが、基本的には速球で押すタイプ。

クリスキーも良い投手で、スピードとしては遜色ないが、MLBでの実績という意味だと16試合だった彼に比べると、いわゆる格としてはかなり上になるだろうか。

山崎が悩みに悩んで残留を決意した。球団としても、どちらになっても対応できるように準備していただろうし、前述の通り他の投手もまだ計算ができないという事情もあり、今年は獲得に乗り出したリリーフ投手のランクを2つくらい上げたのかなという印象。

当初、アメリカの記者が契約内容として305万ドルと報じたため、年俸4億円クラスかという話になったが、さすがにそれはないだろう。最終的には、その額は1年契約プラスオプション1年で、延長した場合の出来高まで含めた最大の総額だったと見られる。報道では推定年俸1億2000万円ということなので、為替レートは1年でかなり違っているが、ロメロと同等という状況。

後述するが、先発としてガゼルマンの残留が決まったので、ロメロは今季限りということが濃厚。パフォーマンスでチームにもファンにも愛され、非常に残念だが来年は別のユニフォームを着ることになりそうだ。クリスキーは推定8000万円だったが、故障による離脱が響いた。まだ残留の可能性はゼロではなく、ピープルズのように遅れて残留となる可能性もある。

山崎が残留した上で、ウェンデルケンが期待通り活躍してくれれば、リリーフ陣は厚みを増す。伊勢が今年は70試合に登板したが、来季もそのペースで投げさせるわけにはいかない。ウェンデルケンがある程度、厳しい場面で安心して出せる力を発揮すれば負荷分散が図れる。また、復帰に向けてリハビリを続ける三嶋も、焦って無理に使う必要もなくなる。

ウェンデルケンは2016年にトミージョン手術を受け、2017年は実戦登板はないが、それ以外は大きな故障もなく、MLBでもリリーフとして活躍している。日本でコンディションをしっかりと整えられれば、1年間リリーフとして回ってくれそうな感じがある。力で日本の打者を押し込み、変化球がある程度思ったところに行けば、クリスキー以上の投球を期待できそうだ。春季キャンプでの投球を楽しみにしたい。

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先発ローテ入り期待のガゼルマン

今年の7月に獲得が発表され、8月の来日となったガゼルマン。調整期間が十分ではない中で8月末に1軍へ合流。リリーフとして8月27日のハマスタでのヤクルト戦で初登板も、オスナに3ランを打たれるなど4失点のほろ苦いデビュー。そのまま登板機会はなく登録抹消となった。

ビロウ、ブロードウェイなどシーズン中盤に獲得した外国人投手たちが結果を残せず、僅かな登板で日本を去ったことが思い起こされたが、ファームでは先発として再調整。9月13日のバンテリンドームでの中日戦で、来日初先発。7回無失点の好投で、来日初勝利を挙げた。期待以上の結果を残し、そのままローテーションに残った。

9月21日の読売戦も好投し、6回途中2失点だったが打線の援護がなく敗戦投手となった。CSに向けて見極めとなった28日の中日戦でも7回無失点の好投。こちらも打線が振るわずに勝利投手にはなれなかったが、先発3試合で19回1/3を投げて自責点は2、防御率0.93と結果を残した。

チーム事情から当初はリリーフとして期待されたが、アメリカでも先発、リリーフを両方経験していた。投球から見ても、パワーピッチャーというよりは、150キロ前後の速球をコントロール良く低めに集めるタイプ。先発の方が適しているように思えた。

ロメロのことがあるので、来季も9月のような投球が最初からできるかどうかは未知数ではあるが、ローテーション争いに加わって来れば面白い存在。2023年は、ハマスタに「キン肉マン Go! Fight」がたくさん流れるような活躍を期待したい。

【濃厚】
今永
大貫
濵口
石田
【ボーダー】
東
平良
京山
ガゼルマン
上茶谷
阪口
徳山

毎年、ローテーション投手が揃わないベイスターズなので、来年も揃わない前提で考えるべきだが、こうして見ると、ボーダーとして争う投手の層もだいぶ厚くなって来たように感じる。ルーキーに開幕ローテを期待しなくても大丈夫かなと思える。

この争いをハイレベルにし、濃厚としている投手にケガや不振があってもカバーできるようになるには、ガゼルマンの活躍は欠かせない。来年は春季キャンプから来日し、じっくりと開幕に合わせることができることを願いたい。

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外国人野手の獲得はあるか

最初はウェンデルケンが4億?という話があったので、今年の予算を全てそこへ注ぎ込んだかと思ったが、実際には為替レートの影響はあるかも知れないが、ロメロと等価。ガゼルマンはシーズン途中での来日だったこともあり、推定4000万円から1億2000万円にアップしている。クリスキーの分がここへ回ったと考えれば、複数年契約の3名を含めて、ほぼ昨年と同じ金額に達している。

ピープルズが1月に再契約となり、推定2500万円だったので、クリスキーを同様に契約延長することも考えられる。だが、以前の投稿でも書いた通り、オースティンとソトに不安要素が大きいので、外国人野手も1名は確保しておきたいところだが、球団はどのように考えているだろうか。

2023年も出場選手登録5名、ベンチ入り4名が維持されると思われる。オースティンが開幕に間に合うのか微妙な状況だが、彼がいればオースティン、ソト、エスコバー、ウェンデルケン、ガゼルマンの5名となる。ガゼルマンの先発試合では、エスコバーかウェンデルケンをベンチから外す形だろう。

ガゼルマンがローテーション入りを逃したとしても、エスコバーとウェンデルケンがリリーバーなので、出来る限りベンチに入れたいはずなので、野手は2名ということになる。そうなると、オースティンが間に合わない場合は1軍に入れるが、オースティンが復帰すると出場機会が限られるので、ここから獲得する野手は、予算的にも契約的にも難しくなる。

今の段階から争奪戦で獲得するのではなく、MLBのウィンターミーティングを終えてメジャー契約を勝ち取れない選手、あるいは日本で自由契約となり、他球団から声がかかっていない選手を年俸を抑えつつ獲得するというプランが考えられる。

今年のオースティン、ソトの状況、さらにオースティンは再手術していることから、2023年に優勝を狙って行くのであれば、普通に考えれば1名は野手を獲得する必要があるのだが、球団がどう動いて来るか。春季キャンプまでその動きを注視したい。

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