横浜DeNAベイスターズからポスティングでMLB移籍を目指していた今永が、カブスと契約することで合意したと報じられた。10日のメディカルチェック後に正式発表され、週末に入団会見を行う模様。一方、ベイスターズは新外国人として、左腕のアンソニー・ケイ投手を獲得したことを発表した。
契約は複雑、譲渡金は20億円超か
11日(日本時間12日朝)の期限を前に、今永の移籍先が決まった。最終局面に入り、ジャイアンツ、レッドソックス、カブス、エンゼルスという名前が挙がっており、ジャイアンツが有力との情報も流れたが、日本時間10日にカブスと合意したことがアメリカの多くのメディアで報じられ、日本でもニュースとなった。
現地10日のメディカルチェックで問題なければ契約し、その後入団会見ということになる。最終候補として残った球団の中では、エスコバーがマイナー契約で所属していて、チームカラーも青系統なので、個人的にもカブスになればいいなと思ったが、ベイスターズファンには朗報と言えるだろうか。
ジャイアンツでも筒香がいるのでいいかなと思ったが、やはりあの名前とユニフォームはちょっとね。カブスはナショナルリーグの中地区で、カージナルスが同じ地区なのでヌートバーとの対戦が多くなるかも知れない。カブスは中地区でブリュワーズに9ゲーム差の2位。ワイルドカードでは1ゲーム差でプレーオフ進出を逃した。今永の加入で地区優勝に届くか。
注目される契約内容は、複雑になっているようだ。報道だと基本契約が2年総額3000万ドルで、その後2年のオプションが今永、カブスそれぞれに付いているようだ。最初の2年を終えたところでどちらかが破棄して新たな契約を結ぶか、移籍するか選択できるような感じだろうか。
契約の全体は4年総額8,000万ドル、あるいは5年8,500万ドルといった予想がある。一時は1億ドルに届くのではないかとも言われたが、年齢的な部分でそこまで至らなかった可能性がある。ここでベイスターズファンとして気になるのは、ポスティングでベイスターズにどれだけの譲渡金が入るのか。
現在のポスティングシステムは、選手が得た年俸総額に応じて元所属球団に譲渡金が支払われる仕組み。年俸総額のうち2,500万ドル以下の部分には20%、2,500万ドルから5,000万ドル以下の部分には17.5%、5,000万ドルを超えた部分には15%という割合で算出される。
仮に年俸総額が8,000万ドルだとすると、最初の2,500万ドルまでが20%の500万ドル、次の2,500万ドルで17.5%の437.5万ドル、残りが3,000万ドルになるので15%の450万ドルとなる。合計は1,387.5万ドルで、1ドル145円で換算すると20億1,187.5万円となる。
山本由伸の約72億円は異次元だが、今永が4~5年の契約になればかなり大きな金額が入って来ることになる。バウアーと再契約できれば、この大半がそこへ使われることになるだろうが、そうでなければ戦力補強はもちろん、設備などにも使うことができる。最終的な契約内容は入団会見後にも出て来ると思うので注目したい。
これで正式決定ということで、2024年はメジャーリーガー今永となる。彼のいないベイスターズを観るのは寂しさがあるが、素晴らしい契約でベイスターズに置き土産も残してくれた。今永はまず、カブスでローテーション投手としてしっかりと回れるように準備してもらいたい。彼の活躍が楽しみだ。
そして、ベイスターズは悲願のリーグ優勝を果たし、今永が「あれ?オレが邪魔だったんかーい!」と言わせよう。
投げ方は東?でも制球課題の速球派
今永のカブス決定が報じられる前、スポーツ紙がアンソニー・ケイの獲得を報じた。「調査」ではなく「獲得することが分かった。近日に発表される」で、その日に球団から正式に発表されるいつものパターン。投手ではアンドレ・ジャクソンらの「調査」が報じられていたが、ここまで名前の出ていなかったケイの獲得に至った。
今永のMLB移籍と同日に、入れ替わりで入団が発表された左腕のケイだが、今永の代わりとして先発で起用されるかどうか。MLBではリリーフが多いが、マイナーでは先発もしている。1年契約でオプションは付いていない模様。80万ドル(1億1,600万)なので、ウィック、昨年のウェンデルケンと同程度ということになる。
スポニチの記事ではメジャー版・東と書かれていたが、投げ方は若干彷彿とさせるものはある。しかし、最速157キロと球速はあるが、コントロールが東とは違ってなさそうだ。
ケイは、2023年は奇しくも今永が移籍するカブスでスタートし、13試合にリリーフで登板した。防御率6.35でWHIPは1.76。被打率も高いが、四球も多めで塁上を賑わせてしまった。シーズン途中でメッツに移籍し、3試合に登板したが、マイナー行きとなった。オフにオリオールズのマイナーに移籍したが、このタイミングでベイスターズへの移籍が決定した。
身長は183cmで決して低くはない。100kg超えの体型で巨漢とまでは行かないが、そのせいで少し低く見える。それもあって投げ方が少し東に見えるのかも知れない。2016年にプロ入りと同時にトミージョン手術を受けており、3月で29歳と体力的にも年間を通して活躍が期待される。
既にウェンデルケンが残留し、ウィックもリリーフタイプということで、ケイはエスコバーの代わりではなく、今永の代わりに先発を想定しているのだろうか。エスコバーも来日時はロングリリーフ要員という感じだったが、その後勝ちパターンを担う投手になった。
キャンプで来日してから適性を見て、オープン戦などの結果を踏まえて決めて行くと思うが、うまく日本にマッチしてくれればと思う。
これで既に外国人投手は3名。バウアーとの再契約の可能性があるなら、これ以上は獲得しないのではないか。あとは野手を獲得したいところ。調査の報道があったレイエスは、獲得に至らなかった。ケイのように全く話題に挙がっていない選手を獲得して来るか。朗報を待ちたい。
コメント