07/08 広島東洋6-3横浜DeNA@マツダ
DeNAは先発の濵口が10四死球と荒れ、6回途中までに120球を要した。再三のピンチでも最少失点で切り抜けていたが、松山に勝ち越しタイムリーを打たれて降板した。高城のタイムリーで逆転したDeNAは、8回にパットンが満塁弾を浴びて再逆転負け。
ポジ
2週間に一度、濵口が先発の時だけ登録され、すぐにファームに戻るという異例な起用法となっている高城。特例2020によってベンチ入り人数が多いからこその捕手4人制。この1試合に懸けるしかない高城が躍動した。
前回の出場では、打線に投手が2人いるんじゃないかというくらい、打てそうもないバッティングだったが、この日は第1打席でジョンソンから今季初安打。さらに7回、同点に追いついた後で一時は勝ち越しとなるタイムリー。正直、ここは確実に代打と思っていたが、ジョンソンと合っていると判断していたのだろうか。
この試合に関しては濵口とのバッテリーがうまく行っていたのかは分からない。高城だからこそあんなコントロールでも試合を壊さずに6回まで行けたのか、他の捕手だったらああはならなかったのか。濵口は勝てなかったが、あまり期待されていないバットの方で殊勲の活躍となるところだったが、8回裏に暗転した。
宮崎が7回にヒットでチャンスを拡大し、逆転に結び付けた。簡単に追い込まれたが、外側の変化球を見極めて、フルカウントからインコースのボールを詰まりながらレフトの前に運んだ。さすが首位打者というような技ありのバッティングだった。それまであまりに打っていたので、ちょっと調子は下がって来たかなと思ったところで見事に1本出したところはさすがだ。
ヤジ
濵口らしいが野手はリズムに乗れず
何でもないところで四球を簡単に出し、塁上を賑わせるが、失点は最小限に食い止めるというのが濵口の持ち味。2017年日本シリーズでは8回までノーヒットノーランというような投球もあったが、基本的にランナーはたくさん出すし、球数は多くなる。5回100球というのはよくあること。投手では濵口ファンということでユニフォームを持っているわけだが、それでもイライラする投球。
初回から彼らしさ全開。1点をもらって5球で2アウトを取った。それなのに西川にストレートの四球。しかも、西川は濵口を苦手としていた。不用意に行くのは良くないが、無駄に警戒してなのか、ホントにコントロールができなくなったのか分からないが、わざわざランナーを置いて最強打者の鈴木を迎える。ここでも勝負できず歩かせたが、続く松山を打ち取って何とか無失点。19球と5回100球ペース。
降板した6回まで、三者凡退どころか毎回複数走者を出すピッチング。5回までで申告敬遠と死球ひとつずつを含めて10四死球。普通ならもっと失点していてもおかしくないのだが、1失点に抑えてしまうのが濵口の持ち味でもある。ただ、さすがにこの投球だと野手はリズムが崩れて乗って行けない。
ジョンソンもストレートに球威があって、低めへ丁寧な投球だったので、そう簡単に打てる相手ではなかったが、攻撃にもリズムが生まれて来ない。彼の持ち味が消えた時に、単に打ちやすい球が揃うようだとそれでは勝てないので、極端に短所ばかりを補う必要はないが、さすがにこの投球だと勝てる投手になるのは難しい。
それこそ平良のようにコーナーへビシビシと投げろとは言わないが、多少コントロールが荒れている日でも、このボールならストライクが取れる、あるいはファールを打たせられるというのは持って欲しい。ホームベースよりもかなり前に叩きつけるチェンジアップやフォークも意味のない球になってしまうので減らしていきたい。悪いながらも6回途中まで投げたというところは評価できるので、あともう少し内容が改善すれば。
2つの死球が失点に直結
3回は1アウト1、2塁のピンチで會澤への初球のカーブが抜けて死球。好調な堂林の前でピンチを広げてしまい、タイムリーで同点を許した。濵口に関しては、あれだけ荒れていてはいつ死球を出してもおかしくはなかったので、やむを得ない面はある。
8回のパットンは、先頭の西川に対してストレートで押して、高めのボール気味を振らせて三振。嶺井もこれで今日のストレートなら行けるという手ごたえを感じたのだろうか。続く鈴木には2球スライダーで入り1-1。ここでインコースへのストレートを投げ、ギリギリに決まって2ストライクを追い込めた。鈴木も踏み込んでいたが、インコースは頭にあまりなかったのか、腰を引くような見逃しだった。
1点差でホームランがリーグトップの4番。一発を警戒する場面で、アウトコースに投げるのがセオリー。配球に正解はないし、結果論にしかならないことを強調した上で意見を書くが、この1球でインコースを見せて、しかもストライクになっているので、そこからさらに2球もインコースに行く必要があったのか疑問だ。テレビで見ていて3球目が効いてくるから外側のスライダーでひっかけさせられるかもと思った。
相手は4割打者だから素人が思うほど簡単に打ち取れるわけではないのだろうし、コースとしても鈴木が苦手なのはインハイであることには違いない。それでも、この試合はまだ数球だったが、高めにしか来ていないパットンに対して、インコースを3球連続で要求したのはリスクが高すぎると思う。実際はコントロールが甘くなったのではなく、ボールが抜けて死球となったのだが、厳しく行かなければならないという力みがあったのではないか。
死球となってしまったことで、右打者のインコースに行きづらくなってしまった。嶺井が出さなかったのか、パットンが避けたのか分からないが、會澤、堂林にも外一辺倒になってしまった。堂林は1球前は振り遅れているようなスイングだったところ、見事にアジャストして完璧な当たりだった。ただ、インコースがもっと頭にあったら、あそこまで見事に打てたかどうか。
8回、パットンが登板するところで、代打を出したわけではなく高城を下げた。パットンと組むことがほとんどなかったので、9回の康晃も念頭に、嶺井に代えたのだろう。東京ドームで4連続三振も、翌日打たれたのも嶺井とのバッテリーだった。相性が悪いということはないだろうが、嶺井のリードはセオリー通りではないところがあるので、良い時はハマると素晴らしいが、踏み外すと炎上するという劇薬性がある。康晃との相性の関係で抑え捕手みたいな起用が多いが、少し怖さがある。
キジ
開幕数試合、あれだけ素晴らしいピッチングをしていたパットンが先週の東京ドームから急に悪化している。外国人枠の関係で登録を外れる可能性があるとは言え、リリーフの中で彼の存在感は大きい。一時的な不調なら良いが、早く状態を上げてもらいたい。打たれることもあるのだから、その後が大切だ。
高城がハマった日かと思ったが、広島は塹江が初勝利、菊池保が初セーブということで、そういう巡り合わせになってしまった。濵口が再三切り抜けていた満塁で、最後はグランドスラムによって一気に4点入るという、そこまでの残塁の山が一気に片付いたような試合だった。こういうこともあると切り替えるしかない。
前回打てなかった森下に対して、どこまで得点を積み重ねられるか。彼にとっても公式戦では本拠地初登板になるので、無観客とは言え少し意識するものもあるだろう。井納がどこまで粘って試合を作れるかにかかってくる。ひとつは勝って甲子園に移動したい。
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