02/17 練習試合 中日1-6横浜DeNA(Agre北谷)
横浜DeNAベイスターズの春季キャンプは17日、Agreスタジアム北谷で中日との練習試合が行われた。6回まで1安打だったが、7回に松尾、石上のヒットから東妻と勝又にタイムリー二塁打が出て逆転。東妻は9回にもソロを放って3打点。中川颯が3回無失点でローテーション争いで一歩前進。ジョンソン、ウィックの新外国人投手も好投を見せた。
外野手へコンバートの東妻が活躍
中日の先発、根尾が非常に良い投球だったので、3回までパーフェクトに抑え込まれた。その後も中日のリリーフ陣に手が出ず、6回まで僅か1安打。
その流れを破ったのは松尾。7回の先頭打者として、2球で追い込まれながら、高めに来たスライダーを捉えてレフトへのクリーンヒット。逆転への流れを作った。松尾は8回にも勝野からヒットを放ってマルチ。中川颯以降の投手をリードして無失点に抑え、9回には盗塁も刺した。攻守に成長を感じさせる試合だった。
7回は松尾に続いて石上もライトへ運んで1アウト1、2塁とチャンスを広げた。ここで東妻がフェリスの高めのストレートを右中間へ弾き返す。2者が還って逆転の2点タイムリー二塁打となった。東妻は9回に、中日の勝ちパターンの一角である松山からレフトへホームランを放った。
昨年は36試合登板でホームランを打たれていない松山から、練習試合とは言えホームランを放ったことは非常に評価できる。低めのストレートを少し泳ぐような打ち方だったが、打球はしっかりと飛距離が出ていた。
捕手登録だが、今キャンプはほとんど外野手として練習を行っていた。2023年オフはオーストラリアのキャンベラに派遣され、そのバッティングで結果を残し、今季の飛躍が期待されている。右の外野手という部分だと蝦名との争いになって来る。アクシデントがあれば捕手もできるというアドバンテージもあるので、右の代打として初の1軍を掴み取りたい。
勝又も、東妻の逆転打の後、ライト線へキレイに打ち返し、タイムリー二塁打。9回も高いバウンドが二遊間を襲い、内野安打でマルチヒットをマークした。こちらも梶原との争いに結果でアピールできたのではないか。
9回に林がレフト方向へ放った打球は、ランナーが二塁にいた為レフトが前に守っていたが、風もあったのか想像以上に伸びた。逆方向への打球も鋭く強くなっており、体重増の効果が出ているのかも知れない。
中川颯がローテーションへ前進
中川颯が3回を2安打無失点の好投。ストライクを先行させ、しっかりと低めに集めることができた。41球で投げ終えたことも評価できる。三振も3つ奪っているが、打たせて取る投球ができるので、先発として少ない球数で長いイニングを投げる期待ができる。
フォームの特徴はもちろんあるが、コントロールが安定しているし、緩急も使える。打者がしっかりと捉えることができなかった。三浦監督も順調な調整に評価を高めた様子。先発ローテーション入りに向けて、大きく前進した登板だった。
新外国人投手2人も、順調なスタートを切った。先発したジャクソンは、154キロをマークしたという報道。先発ローテーション入りが期待される投手が、1イニング投げただけでどうこう言う段階にないが、今後の登板に期待を持たせるような内容だった。
投げ方としては割とオーソドックスなフォームだが、角度のあるストレートは力強い。変化球も数球ではあったが、良いところに決まっていた。あとは微妙にボールが動いているとすれば、打者も捉え切れない場面が増えるだろう。今後、長いイニングを投げた時にどういう投球になるか、注目したい。
そして、ウィックも1イニングを17球で投げ終えた。こちらも角度のあるストレートは魅力的。ナックルカーブにもう少し武器になる精度が出て来れば、リリーフとして信頼できる1枚になりそう。JBが二人になったとしたら非常に頼もしい。今後の投球も楽しみだ。
小園は、3イニングで5安打4四死球と塁上を賑わせたが、何とか1失点で収まった。変化球は良いボールもあったが、紅白戦に続いてストレートで押せずに苦しんだ。やはり1軍のローテーションに入るには、精度の高いボールを投げ続けなければならないので、再現性が重要になる。良いボールがたまにある程度だと苦しい。今後の登板機会に向けて修正できれば良いが、現状だと他の投手との比較で厳しい立場になっている。次回があれば、内容でアピールしたいところ。
球団が異例の対応
この試合、9回に2アウト2塁という場面で、益子のゴロがイレギュラーし、セカンドの村松の顔面に当たってしまった。ボールが転がる間に二塁から林が還った。
トレーナーが駆け付け、堂上コーチやチームメイトも心配そうに集まる中、球場からもどよめきが起こった。この間に林を出迎えた選手が声をかけたのだが、一部SNSでは「度会がラッキー、ラッキーと言っていた」と誤った情報が拡散した。
管理人もそのシーンをライブ配信のアーカイブで確認したが、「ナイスヒー(ナイスヒット)、ナイスヒー、おっしゃ、おっしゃ」と言っていただけだった。いつも聞いている度会の声とも違うようだった。野球選手は、ナイスヒットとはっきり言わずにナイ(ス)ヒ(ー)と言うことがある。
ラッキーと言ったと思い込んでいるとそう聞こえてしまうのかも知れない。度会が試合中、常に大きい声を出していたから彼が言ったに違いないという思い込み。一部SNSの世界だけで起きたことではあるが、誤った情報を鵜呑みにする人も多く、影響は大きい。
素人のファンでも、あのボールが顔面に当たったらどれだけ痛いのか分かっているのだから、選手たちがその状況下でラッキーと言うはずがない。まずは冷静になって本当に言っているのかという事実を確認する必要がある。
もともと投稿した人は削除したようだし、ベイスターズ公式からもナイスヒットという意味だったことを釈明する発信がなされた。公式がこうした異例の対応を行わなければならないというのは、あまり良いことではない。自分も含めて、思い込みによるSNSでの発信、根拠を確認せずにそれを鵜呑みにする、さらに拡散するということには気を付けたい。
村松は大事には至らなかったようだが、早い回復を祈りたい。
さて、これまでの練習試合はなかなか良い面が少なかったが、ようやく投打で活躍が見られて勝利を挙げた。18日も宜野湾でロッテとの練習試合があるので、こちらも注目して行きたい。
8 桑原 9 関根 7 佐野 D オースティン 5 京田 2 益子 3 西浦 4 柴田 6 林 [継投] 平良(2) 深沢(3) 坂本(1) 佐々木(2) 中川虎(1) 予備:徳山、宮城
これまで試合に参加していなかった桑原、オースティンもスタメンで出場する。関根と柴田も紅白戦以来の出場となる。牧は、昨日書いた通り、やはり試合には出場しないがベンチに入るために北谷へ帯同していた。この試合もベンチには入るかも知れない。
おそらく北谷で活躍したメンバーも、途中から出場して来ると思う。ここまで結果が出ていない選手にとっては実戦の場でアピールできる、残り少ないチャンスになってくるだろう。
投手は、平良が実戦初登板。そして、小園とともにローテーション争いに入りたい深沢が2番手で3イニングを投げる。坂本、佐々木は前回失点しているだけに、1軍生き残りをかけて結果が欲しいところだろう。
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