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先発パットンという奇策の代償

09/03 読売13-4横浜DeNA@東京D

セットアッパーのパットンを先発させるという、ラミレス監督の中でのベストな采配は、2回までに13失点というあまりにも無惨な結果に終わった。多くの人からは奇策と見えた起用は、さまざまなところで批判にさらされることになった。

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ポジ

2回で勝敗が決する10点以上ビハインドの展開ではあったが、7回に百瀬がプロ初ヒット。場面とか相手投手は関係ない。1軍の公式戦という舞台でヒットを放ったのは紛れもない事実なのだから。しかもタイムリーになったのでプロ初打点もマーク。プロに入ってもこうしたタイムリーを打つことなく引退して行く選手がたくさんいるのだから、チャンスを生かしたと言えるだろう。

プロ4打席目での達成だった。昨年あたりからそこそこ1軍には呼ばれていたので、もう少し打席に立っているかと思ったが、代打で使われるタイプでもないので、なかなかチャンスがなかった。今回も、先発投手の入れ替え、宮崎の足の不安などの複合的な要因で、急遽呼ばれたような感じだった。オープン戦や練習試合で1軍に残っていたが、定着はできず、ファームでも.157と結果を残せているわけではなかった。

高卒6年目なので、伊藤裕季也らと同世代。まだまだこれからの若手。ただ、百瀬が今後どういったキャラクターでプロの世界で生きていくのか、それを早くアピールできるようにする必要があるだろう。現状、走攻守で特筆するものがない印象なので、どこか長所を大きく伸ばし、ストロングポイントを築いて欲しい。

最終的には12安打を放った打線をポジって良いのかは疑問。競った展開ではないので、打者にプレッシャーがないし、相手投手も勝ちパターンではない。ホームランがない分4点止まりだったと言えるが、ホームランがないとこのくらいの得点効率だと言うこと。

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ヤジ

この日の日テレジータスの解説は、元広島監督の野村謙二郎氏だったが、ラミレス監督の「奇策」と言われる起用に対して、チーム事情を推察しながら冷静に受け止めていた。監督経験のない宮本慎也氏、和田一浩氏、佐々木主浩氏が痛烈に批判するのに対して、監督経験者として決断に至る背景を理解しようとしていた。

それでも、このタイミングでのパットン先発起用は、大多数の人にとっては「奇策」でしかない。パットンを先発に起用したことが奇策なのではなく、ピープルズという先発として連勝している投手をリリーフに回してまでこの策を取ったことが、受け入れられていない大きな要因だろう。今永、平良が離脱した背景はあるにせよ、首位との直接対決で、先発投手がどうしてもいないのであれば、ここまで拒否反応が出る起用ではなかったはずだ。

ラミレス監督にとっては、このタイミングでパットンをオープナーとして起用することが、勝つ上でのベストと考えて決断し、ピープルズがリリーフに回るのはまた別の話と考えているのだろう。しかしながら、無残なまでに打ち砕かれた。ここまで大失敗することってあるんだなというくらいに。プロは結果で判断するのであれば、この作戦は大失敗であろう。

「勝つこともあれば負けることもある。今日負けたことは(過去のことで)どうしようもない。明日しっかり準備して、明日から勝っていく」

「今日みたいなやり方は今後、やるべき時が来たら迷いなくやる」

前半はスタンプのコメントなので、もう聞き飽きた。勝ち負けがあるのは当たり前の話で、あなたは負ける確率を高める愚策をしたということ。そして、負けたという結果を変えるという話ではなく、なぜパットンが先発として本来の力を出せなかったのか分析をして再発防止をすべきということ。どうしようもないと言っていたら、ずっと変わらない。こういうマネージメントが出来ない人間がマネージャーをしていると、その組織はしんどい。

問題は後半で、うまく行かなかった原因を探り、対策を行ってもいないのに今後もやると明言してしまう。自分の失敗を認めたくない頑固者が強がりでコメントしているようにしか聞こえない。選手のせいにしたり、ネガティブなコメントをしないところがラミレス監督の良いところだが、こういうコメントから独裁的な采配をしているのが透けて見える。人間の性格は大人になるとなかなか変わるものではないので、2018年に自ら述べた反省は、時間が経ちチームの実績が上がる度に薄くなるのだと思う。何が悪かったのか分析し、再発防止しないから同じことを繰り返す。

こういう采配はラミレス監督の特徴であるから、これを叩いてもあまり意味がない。彼は彼なりの信念で動いているので、結果が出なければ退くだけのこと。ただ、今年のような特殊なシーズンにおいて、いつものCS進出コースである5割前後でAクラス滑り込みとなった場合に、球団のフロントがどう判断するかだ。本当に優勝をしたいのか。それとも、ハマスタが満員になり、たまにCS主催できるというくらいで良いのか。そもそも、このチームを率いて優勝に導ける監督候補がいるのかどうか、だが。

パットンの先発起用に全ての批判が行く中、あえて言わせてもらえば、この試合での佐野の動きは、惨敗に直結した。シーズントータルで見れば4番キャプテンとして素晴らしい活躍をしているのは言うまでもないが、あえて厳しいことを言う。こうした大事な試合で、チームとして勝負をかけてパットンが先発しているのに、初回に守備で大きく足を引っ張ってしまった。ミスは付き物だし、打撃>守備という選手なのは理解するが、ファインプレーをしろとは言わないが、守備範囲の打球は処理して欲しい。本人が一番悔しく、痛感していると思うが、こうした大きな試合での球際への強さを身につけて欲しい。2回もエラーにはならなかったが、まずい守備があった。ここまで守備面はそれほど目立ったミスはなかったが、大事なところで露呈してしまった。

そして、ソトのバッティングも再び酷くなっている。初回、梶谷の二塁打に続いて倉本がラッキーなヒットでチャンスを拡大し、一気に大量点を取れる可能性があったが、ソトが三振で萎んでしまった。コンディション不良が影響しているとは思うが、彼が打ってくれないことにはこのチームの得点力は上がって来ない。もともとホームラン頼みで、足を使うなどの細かい攻撃ができないチーム。ソトのホームランが出て来ないと得点が増えて行かない。

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キジ

これで首位の読売とは8.5ゲーム差となった。しかし、その読売にたいして3勝9敗では、優勝うんぬんと言うのはおこがましい。2位の阪神も2勝8敗であり、この2チームがセ・リーグの優勝争いをつまらなくしている。そんな2チームに先行を許している他チームも大概だが。

昨年の話を持ち出して来ても意味はないかも知れないが、7月18日にDeNAが86試合目を消化した時点で読売とは10ゲーム差があった。今年は23試合少ないので、65試合目を消化した現在と同じタイミングだと言える。そこから1ヶ月弱で0.5ゲーム差まで迫ったので、優勝を諦めるような状況ではない。

ただ、読売に直接対決でスイープされたこと、左右のエースが離脱して見通しが立たないことに加え、この試合での負け方の影響が、それを期待させてくれない。パットンが明日以降、リリーフに戻るとしてこのショッキングな登板を振り切ることができるのか。先発として手ごたえを掴みつつあったピープルズをリリーフに回したことによる影響。これはオースティン、ロペスの復帰とも絡んでくるのだが。

ラミレス采配が批判されるのは今に始まったことではないので、どうでもいいが、いつもと違う起用をしたことによる選手への影響が心配される。野球ゲームではなく、心のある人間がやっていることなので、先発としてマウンドに上がれば、いつもとは違う力も入るし、その逆でも同じことだ。机上で作戦を思い付き、直接言葉でコミュニケーションしたとしても、やはり選手は慣れないことに戸惑いがあるし、精神的にもストレスがあるだろう。そうした代償を払ってまでやるべき作戦だったとしたなら、その後のケアや立て直しもきっちりとプランしてしかるべき。

こんなこともある、次もやるよという安易な気持ちで進んで行けば、この采配の代償は加速度的に大きくなっていくだろう。

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