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本当に勝負できていたか? 上茶谷好投も援護なく

04/30 東京ヤクルト2-0横浜DeNA(神宮)

最善の策を取って負けたのなら仕方ないが、しっかりと勝負できていたのだろうか。疑問が残る試合だった。先発の上茶谷は、2回までノーヒットに抑えていたが、3回に内山壮を歩かせてピンチを迎え、青木のタイムリーで先制を許した。打線がサイスニードに抑え込まれる中、上茶谷が粘りの投球をしていたが、6回に内山壮の二塁打で追加点を奪われた。6、7回のチャンスを逃した打線は、ヤクルトの継投にかわされて2試合連続の完封負け。

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ポジ

前回は広島打線を抑え切ることができず、6回途中6失点(自責3)でノックアウトされた上茶谷だったが、今年既に2勝を挙げているヤクルト戦で、好投を見せた。

ストレートを軸に、多彩な変化球で的を絞らせず、ピンチでも粘り強く投げることができた。初回いきなり太田に当ててしまったが、村上に2ボールからインハイのストレートでファウルフライに打ち取った。その後はピンチで村上を二度、申告敬遠として塩見をきっちりと打ち取ることができた。

特に、先制点を許した後の2アウト満塁を凌いだことは評価できる。今年の先発投手の傾向として最少失点で食い止められず、ビッグイニングを許してしまうことが多い。1点を失った後に切り替えて踏ん張るということが重要だろう。その後のピンチでも粘り強く抑え、味方の反撃を待った。援護なく2敗目を喫したが、内容としては悪くなかった。

ただ、強いて言うなら点の取られ方としてはあまり良くなかった。3回先頭の8番内山壮への四球。試合前まで41打席で僅か4安打、打率.108の打者。油断は禁物にしても、しっかりと打ち取らなければならないところだった。2人取って1番の太田という展開にしなければならないのに、自ら出塁させ、サイスニードにバントも決められてしまった。

結果的に内山壮には今季初のマルチヒットを許した。何か嫌な感じがあったのだろうか。前回のマダックスでは3打数ノーヒットに抑えていたのだが。その内山壮の2本目のヒットとなった二塁打も痛かった。内山壮を打ち取って、続く代打の川端との勝負というつもりだったが、こう言っては失礼だがまさかのマルチで、しかも長打。ファームでは長打力も見せているとは言え、この場面で打たれるとは。

1ボールからのストレートが、シュート回転して真ん中に入った。おそらくアウトサイドを狙った4シームだと思うが、シュート回転したと思う。今年からシュートも投げているが、アウトサイドを狙ったボールが中に入るようでは、そのシュートも悪影響になってしまう。シュートはしっかりとインサイドに食い込ませ、4シームを投げる場合はシュート回転して甘く入らないように注意しなければ。何球かそういうボールがあったが、内山壮に見事に捉えられてしまった。

この点は反省点として残るが、6回2失点はQSでもあり先発としては責任を果たしている。93球ではあったが、7回のチャンスで打席が回らなければHQSも狙える出来だった。ヤクルトには好投できているので、来週マツダでのリベンジを果たして欲しい。

今週は体調不良でベンチを外れていた三嶋が、先週日曜の逆転サヨナラ負け以来の登板。10球で三者凡退に抑えた。見た感じでは体調不良の影響はそれほどなさそうで、まずは一安心か。この日から砂田、山崎も復帰しており、ブルペンは正常に戻りつつある。あとは、好調の伊勢も含めて勝ちゲームでの継投が安定し、クローザーの山崎がしっかりとした投球ができれば。

打線は、完封負けでは良かったとは言えない。楠本、大和がマルチヒットで、ヒットは出ていると言っても得点が入らなければ無意味。ノーヒットでも3点取れていれば勝てるわけなので。

守備では、柴田がサード後方のファウルフライを背走しながらのキャッチ。これは素晴らしいプレーだった。

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ヤジ

ベンチでも現在の状況、先の見通し、データなどを考慮しながら決断をしていると思う。何らかの根拠は持って決断しているとは思うが、多くの人から見て、勝負に行っていないのではと思えるような采配だったのではないか。

7回表、先頭の大和が出塁し、依然ノーヒットが続く柴田に代えて神里を起用。良い当たりだったがセンターの正面を突いた。代打攻勢をかけ、山本に代えて戸柱を送り、どん詰まりだったがセカンドの前に落ち、送球が乱れて内野安打。1アウト1、2塁のチャンスで、好投していた上茶谷に代えて関根を送った。

コロナの影響で桑原、楠本が不在の間は関根がスタメンで出ていた。しかし、今週は26日の1打席だけ。最近はこういった勝負どころの代打は藤田を起用し、結果も出ていた。27日にヘッドスライディングで交代した大田も、問題なしということで代打で出場できる状態だったはずだ。

関根が打った打たないというのは結果論に過ぎない。もし打っていれば、関根を代打に送った三浦采配が称賛されていただろう。打たなければ叩かれるから起用しないということもないだろうし、監督なりの根拠、感じるものがあったのだと思う。

単純には一つ、右投手に対して左打者というのはあるだろう。だが、梅野は左右どちらの打者も同じような成績で、右投手にとって苦になるボールはそれほどない。そして、2点ビハインドの1アウト1、2塁という場面で、併殺を避けて、最悪でも2、3塁にランナーを進めて桑原に回せればという狙いもあっただろう。藤田は、17日のヤクルト戦で併殺打に倒れたことも記憶に新しい。宮本と比較した場合に関根を選択したということだろう。

そして、もう一つ考えられるのが、7回の時点で9番まで回っているので、9回に再び下位の打順に回って来た時に、本当の勝負どころに温存したという可能性。もしこれを考えていたとしたら、勝負勘がないかなというのが個人的な見解。上茶谷に勝利を付けたいという思いだけで起用するべきではないが、ヤクルトのクローザーであるマクガフが今季無失点で安定していることを考えれば、あるのか分からない9回のチャンスに温存するよりも7回で勝負をかける以外にない。

他に代打もおらず、関根がスタメンで使いたいくらいの好調さであったなら、勝負をかけたと受け取れるが、正直前述の通り併殺で終わりたくないだけの起用だったようにしか思えない。大田も結局は使わずに終わっており、それで相手が嫌がることができたのか、本当に勝負できていたのか疑問だ。田口に大田を当てるために温存したのか分からないが、それだったら楠本のところでも出して行けばいい。

唯一の左腕である田口を出すとしたら楠本、佐野あたりになってくるのだから、大田の使いどころがないのはすぐにわかる。そして何よりも大田は右投手の方が打っており、単純な左右で判断しているならそれが間違いではないか。7回にベンチが映った時、大田が普通に座っていたのでこれは使うつもりがないのかなとも思った。実際は足の状態が万全でないことを考慮して起用していないとか、ベンチにいないと知り得ない事情があったのかも知れないが。

サイスニードには昨年も力負けしていたが、何の工夫もなく同じ負け方をしたという印象しか残らなかった。サイスニードは右打者の被打率の方がかなり高いが、打てたのは大和と山本だけ。ソトはフォローの風ならあるいはスタンドインかという打球が2本あったが、ストレートの球威を意識させられ、変化球を捉えられないというパターンが目立った。

6回は、楠本が二塁打の後、佐野が初球のスライダーをフルスイングしてセンターフライ。別に初球を打つことは悪くないと思うし、場面によってはフルスイングで一発を狙っても良いとは思う。しかし、1点ビハインドでの得点圏で、俊足の楠本が出ているのだから、欲しいのはヒット。ヒットを打つ能力が高い佐野が、ここでフルスイングをする必要があるのか。正直、何を考えて野球をやっているのか理解できない。

石井琢朗コーチが就任しても、すぐに何かが変わるわけではないというのは分かっていたこと。こういった反省材料を改善の方向へ導き、それを選手がやれるかどうか。やるのは選手なのだから、選手がやれなければ結局は変わらない。ヒットは出るけど得点が入らないという意味を、もう少し選手が真剣に考える必要があるのではないだろうか。

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キジ

残り118試合あるわけで、長いシーズン2試合連続で無得点に終わることもあるだろう。必要以上に悲観的になったり、監督や選手を叩いたりするほどのことではない。ただ、優勝やAクラスを狙って行く上で、借金5というのは正念場であることには違いないだろう。たくさん試合が残されているとは言っても、過去の例からしてあまり多くの借金を抱えた状態から上がって行くのは、そんなに多くあることではない。

ずっと苦しい状態が続いていた阪神が5連勝。ベイスターズとの差は縮まっているが、はっきり言ってどうでもいいと思う。まだ最下位がうんぬんという時期でもない。次に阪神と対戦するまでに、両チームがどういう状態になっているかは重要として、ここで阪神が迫って来たというのは周りが面白おかしく言っているだけで、選手たちも特に関心はないだろう。自分のチームがいかに状態を立て直し、借金を減らして行くか。そこだけに集中すれば良い。

先発投手がずっと役割を果たせない投球が続いていただけに、上茶谷が一つしっかり投げてくれたことは朗報。だが、打線の状態が悪く、その試合を落としてしまったのは痛い。次の試合から月も替わって5月に入る。最初の試合は小雨が降る予報だが、試合はできそう。

大貫もまだ勝てていないが、QSはマークしている。もう一歩というところで抑え切れていないが、試合は作れている。高梨は連敗中だが1点台の防御率を残しており、悪くない。打線の援護がそれほど期待できる状況でなくなっているので、先に点を与えると苦しくなる。何とか先制点を与えずに粘って欲しいと思う。

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