今回は、2020年のベイスターズのチーム構成を考えてみたいと思う。DeNAベイスターズ発足後、高田GMの下、まずはすぐに戦力となる選手を指名してチーム力を高めた。2年前くらいからようやく将来のチーム構成を見据えた指名ができるようになったと三原代表もコメントしている。年齢、ポジション、左右別に選手を置いた分布からの考察と、各ポジション別の構成、戦力の期待などを書いてみる。
年齢、ポジション、左右別の選手分布
若いと言われてきたベイスターズも、徐々に年齢層が上がってきている。最年長はロペス。投手は藤岡が最年長。井納、石川も34歳で全盛は過ぎたタイミングに入ってきている。三嶋、戸柱、倉本といった世代も30代を迎える。
しかしながら、投手においては先発を期待する層が依然として23~28歳に固まっており、国吉、山崎も含めてほとんどの中心選手が20代と若さがある。左腕のベテランはトミージョン手術を受けて育成契約の田中しかいないが、中堅層は左右のバランスもいい。櫻井以外は育成の外国人になっている24歳以下の左腕を今後、ドラフトなどで補っていく必要があるだろう。
キャッチャーはFAを行使せず4年契約の伊藤光を中心に、下の世代を育てながらということになるだろう。高城が復帰したことで中堅の隙間が埋まった。
内野手は少し年齢層が上がっているが、今年のドラフトで森、田部を指名し、新たな世代の軸と期待される。来年以降、大学・社会人の内野手で隙間を埋めて行くことになりそう。逆に外野手は若く、佐野、オースティンと外野を守ることが予想される選手を入れてもほとんとが20代。梶谷の奮闘を期待したい。
投手
投手は人数も多いので、先発、救援に分けて見てみる。高卒、育成の投手は基本的には先発としているが、将来的には救援に回る可能性もある。その影響も少しあるが、全体的に先発投手の方が若い傾向にある。
順位予想でベイスターズを高い順位にしている人は、この先発投手の若さも高評価の要素だろう。東はトミージョン手術の為、来季まで投げられないが、それでも左右バランス良く候補がいる。大卒ルーキーの坂本、伊勢も期待されるが、まだ大学生と同じ年齢の高卒組である京山、阪口、中川虎、櫻井あたりも台頭し始めており、この層の活躍が全体を押し上げる可能性を秘めている。
一方、救援は先発に比べれば年齢層はやや上になるが、それでも主力は30代前後。今後を考えると齋藤、笠井が主力になって欲しい。一昨年の70試合登板がかなり影響してしまっている砂田もまだ来季は東と同じ25歳。復活を期待したい。大卒ルーキーに無理はさせられないが、一番若い伊勢にも期待がかかる。
今後のドラフトでどういった投手を獲得できるかにもよるが、この分布を見る限り、数年のうちに京山、阪口、中川虎から救援に回すことも考える必要があるだろう。左腕王国の呼び声もあるが、23歳以下の世代をどのように構成していくか、今年以降のドラフト指名が重要だ。
捕手
当面は伊藤光を軸に行くのは間違いない。彼がケガ、不振の場合に、これまで経験を積んだ戸柱、嶺井が控えているのも心強い。高城の復帰により中堅層も埋まっているので、若手捕手とのパイプ役も期待できるだろう。
バッティングの良い山本、強肩の益子、総合力を期待できる東妻とタイプもそれぞれで、彼らの中で伸びてくる選手がいれば、伊藤光の後釜を期待できるだろう。今後のドラフトで力のある捕手を指名したり、移籍してくる可能性はあるが、捕手は経験による部分が大きい。ファームでしっかり投手の性格や癖も含めて把握し、お互いに成長して1軍の舞台へ上がって欲しい。
内野手
佐野、オースティンは内野手登録になっているが、現在の構想ではレフト、ライトを守ることになっており、外野手と考えておいた方がいいだろう。注目すべきは外国人枠をどのように使うか。開幕は延期されており、これから何があるか分からないが、現時点では野手3人という構想。ファーストにロペス、セカンドにソトとなるだろう。
ロペスが37歳になる今季、フルシーズンの出場ができるかどうかにより、選手の使い方もかなり変わって来る。ロペスがケガ、不振の場合はセカンドに柴田を入れ、ソトをファーストに回すことが予想される。大和もフル出場には疑問符が付く選手だけに、柴田をうまく使っていきたい。
宮崎に昨年のようなケガ、不振があれば、伊藤裕もチャンスを窺う。有事の時にはバイプレーヤーの中井も控えているし、チームの精神的支柱である石川もプレー以外の部分でも大事な役割を担う。
伊藤裕、百瀬の成長度合いでは、レギュラークラス、バックアップ、バイプレーヤーとバランスの良い構成になる。そう考えると、佐野やオースティンが内野で出ている状況はチームにとってあまりいいことではないかも知れない。
外野手
先に書いたように、全体的に若い。レギュラー経験のある選手は梶谷、桑原、そして昨年の神里くらい。経験値のある梶谷の奮起を期待したが、彼も年間のフル出場がなかなか叶わない選手。
佐野、オースティンで2ポジションが埋まった場合、センターしか空かないことになる。守備を考えれば、桑原のバッティングが復活するのがベスト。ただ、ラミレス監督もコメントしてる通り、ここは良い選手を使っていくことになるだろう。センターラインを充実させるために、神里がもうワンランク上の選手になることを期待していたのだが。
内野の構成によっては、佐野もしくはオースティンがファーストに入ることもあるかも知れないが、基本的にはセンターを守れるレベルの守備力が必要になって来る。蝦名、細川は、当面はバッティングで抜けたものを出してこない限り難しそうだ。まずは代打での1軍ベンチ入りを目指すことになる。
まとめ
開幕が過去にないくらい延期となっており、いつ開幕できるのかも不透明。一度、3月20日をターゲットに仕上げた選手は、定まらない開幕に向けて難しい準備の期間を過ごしている。誰しもが経験のないシーズン。
そんな不確定要素が満載なシーズンに対して、順位予想をしてもなかなか想定通りにはならない。純粋に戦力から見た予想と考えると、ベイスターズはかなりブレがある。筒香の抜けた穴、東がトミージョン手術で不在となることをどう考えるかだと思う。
今回見たように、2012年まで5年連続最下位だった戦力のなさに対して、まず即効性の補強を行い、そこから徐々にチーム構成を整えてきたものが結実しつつあると思う。今年のスローガンであるNEW GENERATION IS HEREを体現するシーズンとなれば、昨年以上も望める構成にあると思う。若い選手がこの1年でまたどれだけ力をつけていくか、楽しみにしたい。
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