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守備をどこまで固められるか 牧の二塁起用がポイント

前回優勝の1998年はマシンガン打線が代名詞となっているが、当時の主力だった谷繁氏や石井コーチも、権藤さんは守備の方を誇っていたという。ゴールデングラブ賞では、投手以外の内野5ポジションを全て独占した。石井コーチも就任後、守備の重要性を口にしている。どこまで守備に重きを置けるか。

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マシンガン打線よりもディフェンス力

1998年は、38年も優勝していないチームが日本一まで行ってしまうくらい、奇跡的にバランスの良いチームが出来上がっていた。単打だけで大量点を奪うマシンガン打線のインパクトが強いが、盗塁王を獲得した石井を中心とした走力、そして投手以外の全員がゴールデングラブを獲得した内野の守備力と、走攻守と全てを備えたチームだった。

打線という意味ではリーグトップの.277、642得点はマークしているが、抜群に良かったというわけではない。翌1999年の.294で711得点という驚異的な数字のせいでインパクトが強くなっている。もちろんここぞでの勝負強さ、権藤さんが「もののけ」といったような爆発力もあった。

だがやはり優勝に直結したのは、ハマスタ移転後としては最高の数字である防御率3.49だろう。1978年にハマスタに移転後、3.50を切ったのはこの一度しかない。次点が前年1997年の3.70だから、このチームにとってはいかに凄い数字かが分かる。あの飛ばないボールを使った2011、2012年も3.87、3.76だった。

2012年にDeNAとなってからは防御率3.76が最高なのだが、2012、2014、2016、2020年と4度も3.76でシーズンを終えている。3.76が大きな壁になっている。今年のヤクルトは前年4.61という防御率を3.48まで改善させてきた。ハマスタということを考慮しても3.50近くまで持って行かなければ、優勝争いは厳しいだろう。

1998年の防御率3.49は、もちろん野村、斎藤隆、三浦を中心としたローテーションに、五十嵐、島田のリリーフ、クローザー大魔神と投手力の高さが要因だったが、それと同等くらいに内野を中心とした守備力が貢献した。

1998年も守備率は中日の.989に次ぎ.986で2位だった。2021年も.986で、読売の.991、中日の.989に次ぐ3位だった。守備率は守備機会に対してエラーをしなかった確率なので、アウトにできるはずの打球を内野安打にしてしまっても守備率は下がらずに、投手にとっては自責点となるランナーになってしまう。現在だと守備率ではなくUZRなどの指標で評価されることも多い。

1998年の内野守備を考えると、エラーの少なさというよりも守備範囲が広く、肩が強かったことが印象的。一番上手いのではないかと思う進藤がサードに入っていて、ローズも打力のある外国人としては異次元の守備力そして肩の強さで併殺を取ったし、石井は言わずもがな。そして駒田は高身長なのにグラブのハンドリングも上手かった。ファーストが捕れずにエラーや内野安打となってしまうところをカバーできていた。

投手も余計なランナーが出ないから球数をセーブできるし、ピンチを迎えることも少なくなる。こうした好循環で、狭いハマスタながら3.49の防御率をマークする投手力と守備力を合わせた「ディフェンス力」があった。2021年は防御率4.15とリーグ最下位に終わった投手を中心としたディフェンス力をいかに向上させるか。よく「打線はいいから」と言われるラインナップとどのように両立させて行くか。2年目の番長ベイスターズの注目ポイントになるだろう。

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牧は守備力アップを重点目標

牧は2年目の自主トレで、大和に弟子入りした。大和は故郷の鹿児島でトレーニングをするつもりだったが、牧の方から同行を依頼されたようだ。牧の狙いは大和の守備からの学びだろう。

ルーキーとして史上4人目となる3割20本をマークし、打率.314は首位打者の鈴木誠也に3厘差まで詰め寄った。バッティングに関してはある程度手応えを得ていることから、課題は守備となって来る。ルーキーイヤーの守備としては無難ではあったが、良かったとは言い難い。

牧については、打力を生かすこととチームの守備力を上げることから、ファーストでの起用を推す声もある。牧自身も、自分が昨年と同じ水準の打撃成績を残し、セカンドの守備力を高めることができれば、チーム力が向上すると分かっているのだろう。セカンドで1年間出られるように守備力を高めたいというコメントもしている。

2年目のジンクスを気にしながらのシーズンとはなるが、牧がセカンドとして1年間出場し続けられるかどうかという点は、2022年のベイスターズにとってキーポイントになるだろう。ルーキーイヤーに匹敵する打撃成績を残せるかという以上に、守備を重視した中でも「セカンドを任せられる守備力」に到達するかどうかということが重要。

1998年のセカンドは、史上最強外国人のローズ。彼と比較するのは酷だが、守備範囲はそこまで広くないものの、強肩で併殺をいくつも完成させたその守備と、勝負強い打撃のバランスが良かった。もちろん守備も打撃もトップレベルであれば文句なしだが、なかなかそうは行かない。

強打のセカンドとして、浅村や山田のような存在へ成長できれば、ファーストにはさらに強打の選手を入れられる。センターラインとして、セカンド牧の存在は今後のチームを占うポイントになるだろう。

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大田の獲得で外野守備に光明

2021年のベイスターズの外野は、レフト・佐野、センター・桑原、ライト・オースティンで、オースティンが規定打席に僅か4打席足りなかったものの全員が3割をマーク。代打で結果を出した楠本が、オースティンの離脱後にスタメン出場したが、付け入る隙がなかった。

だが、3人はいずれも内野手から外野へコンバートされている。ゴールデングラブ受賞歴もある桑原は別にしても、佐野とオースティンの外野守備力は高くない。オースティンは肩も強く全力プレーだが、佐野の守備範囲と肩は問題がある。佐野もそれを自覚しており、秋季トレーニングでは守備練習もこなしていたが、急激に改善するものではない。

そうしたところへ、日本ハムをノーテンダーFAとなった大田を獲得。大田も内野手からコンバートされた選手ではあるが、2020年にゴールデングラブを獲得するなど、強肩を含めた守備力は高い選手。打力ももちろんだが、その守備にも期待が集まる。

終盤に佐野らに代わって守備に入った場合、打力も期待できるので打線としての力が大きく落ちない。延長12回制に戻るので、終盤に代打で登場し、そのまま守備に就いて出場を続けるというケースもあるだろう。他の選手の調子や守備を重視する試合ではスタメン出場も期待できる。大田の加入で、外野はオプションが広がった。

大田が2019年のような打棒を取り戻し、佐野、桑原、オースティンも順調であれば、ファーストのポジションに争いを飛び火させ、ハイレベルな争いにすべきだと思う。ここ2年、佐野は前キャプテン筒香の後釜ということで、レフト専任でやって来た。キャプテンであり首位打者というチームの軸に対し、ポジションを固定していた。

だが、優勝争いに加わる上で、隙の無い守備力を作り上げるには、佐野のレフト守備は穴になる。佐野にファーストへ入るオプションを準備させるか、注目される。昨年は細川がファーストの守備練習をしていることもあった。守備に関して器用とは言えない佐野に、マルチポジションを準備させるか、レフトの守備力を強化させるか。

1998年の駒田がそうだったように、そして近年ロペスの素晴らしい守備を見て来たように、ファーストの守備も決して軽視できるものではない。ファーストのカバーでエラーも内野安打も減らすことができる。佐野は学生時代にキャッチャーからファーストに転向しており、経験はあるが付け焼き刃でできるポジションではない。

これからキャンプ、オープン戦で見て行くことになるが、昨年の延長線上で考えると以下のようなオーダーになりそう。

8 桑原
6 森
7 佐野
9 オースティン
4 牧
5 宮崎
3 ソト
2 伊藤光
P

守備力についても重視した場合、下記のようなオーダーもオプションの一つになって来る。

8 桑原
6 柴田
3 佐野
7 オースティン
4 牧
5 宮崎
9 大田
2 山本
P

ここで重要なのは、冒頭に書いた「バランスの良い」オーダーということが重要だ。守備力を極端に優先するなら二遊間は大和、柴田、藤田らで組むことになるが、打力も含めたバランスを取るためには、そうもいかない。牧がセカンドで出続けることが、打力とのバランスの良さを生むはずだ。

三浦監督、コーチ陣がどのような守備練習をさせ、どのような布陣で練習試合に入って行くか。キャンプで一番注目したいポイントになる。

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