04/16 横浜DeNA0-7読売(ハマスタ)
DeNAは今季初登板の坂本が先発したが、5回までに10安打を浴び3失点。6回から三上に継投も、1アウトから菅野の打球を脛に受けて降板。緊急登板の伊勢が3点を奪われて試合が決まった。菅野から6安打放つも散発に終わり、完封を許して今季ワーストの7連敗。
ポジ
桑原の守備。亀井の左中間への当たりに追いつき、セカンドへ素早い正確な送球。忍者スライディングでセーフになったが、タイミング的には刺していた。松原のセンターへのライナーに追いつき、スライディングキャッチも見せた。ただ、素晴らしいプレーもあったが、残念なプレーもあった。
キャンプはファームスタート。実戦でもほとんど投げておらず、リハビリ組ではなかったものの調整が遅れていた坂本。ファームで少しずつ球数を増やし、前回は99球を投げた。平良の右ひじの張りが再発し、濵口を中5日にずらしたことで、この日の先発が巡って来た。
昨年は読売戦では通用せず、苦い思い出が残っていた。特に岡本には4打数4安打と打ち込まれていた。初回、先頭の松原にレフト前に運ばれ、2アウト2塁となって4番の岡本を迎えた。ここで逃げずにインサイドに投げたことは評価したい。3球目の高めのスライダーを打ち損じてショートフライ。
2回も先頭の亀井に二塁打を許したが、廣岡のバント失敗があり、大城に繋がれたものの、増田大にはインサイド高めに投げ切り、完全に詰まらせた。立ち上がりのピンチを抑え、何とか菅野との投げ合いに持ち込みたかったが、3回に失点を許した。
良いボールもあったが、甘いボールを見逃してはもらえなかった。ボールの精度としてはまだまだ改善の余地はある。しかし、昨年のフェニックスリーグで打ち込まれた時よりもしっかりと強いボールをインサイドに投げ込めているので、成長の跡は感じられる。
ヤジ
雑とまでは言い難いが、勿体ないプレーが出て相手の流れになってしまう。
3回表、松原と坂本の連打でノーアウト1、2塁。ここで梶谷は2ボールから高めのストレートを打ち上げ、左中間フェンス近くで桑原がキャッチ。セカンドランナー松原がスタートし、桑原はすぐさまサードへ送球した。この間に坂本がきっちりとセカンドへ進塁し、1アウト2、3塁とした。
サードに近い左中間へのフライであっても一番深いところまで飛んでおり、セカンドランナー松原の脚を考慮してもサードで刺すのはかなり難しい状況。次の打者が4番岡本ということを考えても、併殺打の可能性を残すためにも、ファーストランナーに進塁を許してはいけない場面。送球するにしても、ダイレクトではなく中継に返さなければならない。
考えすぎず自然体で、というのが今年の桑原に良さをもたらしているが、こういうプレーは考えなければならない。送球にも自信がある彼だからこそサードへの進塁も止めたかったという気持ちは分かるが、この進塁は許容できるものではない。
結果、岡本は二塁打だったので、もしかすると坂本がファーストに残っていても2点タイムリーなのは変わらないかも知れないが、バッテリーの配球、守り方も変わって来るので、もっと緻密な野球をやっていかないと勝てるものも勝てなくなる。
この場面、先発の坂本も詰めが甘かった。苦手としていた岡本を1打席目で打ち取り、この打席も足元のスライダーを空振りさせ、良い形で追い込んでいた。2球低めの変化球をファウルされ、少し困って投げたストレートがほとんど真ん中に入り、ミートに切り替えていた岡本が右中間へ運んだ。うまく打った相手を褒めるところでもあるが、最後のボールがあまりにも甘過ぎて勿体ない。
今の実力としてはここまでなのかも知れないが、菅野と投げ合うような投手、勝てる投手になるのであれば、こういうポイントになるボールだけは間違えてはいけない。浅いイニングで次の打者の亀井にも打たれてはいるが、最悪一塁が空いているくらいに考え、甘く入らないようにという意識がさらに必要だと思う。
キジ
前のカードの中日戦で解凍された読売打線に打ち込まれて19安打を許した。走塁ミスもあり、13残塁で得点は7点にとどめたが、スコア以上に一方的な試合だった。
オースティンの鋭い打球はライトのフェンスに当たり二塁打で得点に至らず。坂本が少し泳ぎ気味に打った打球はバックスクリーン左へギリギリ吸い込まれた。しっかり下半身も使って粘れているからこそ飛距離が出たバッティングなのだが、この2つの打球が得点になるかどうかは、チームの勢いの差が出てしまったように感じる。
チャンスでなければ宮崎は普通に打てているように見える。マルチヒットで打率は.324に上げているのだが、どうにも納得がいかない。牧は開幕前に対戦したい投手として名を挙げ、開幕戦では打てなかった菅野から6回にヒット。しかし、2番の牧が機能しているようには見えない。
ソトが少しポイントがずれている状態かなと思うが、菅野相手にそう簡単に打てるわけでもない。個々がそこまで状態が悪いわけではないのに、得点には全く繋がらない。外国人二人はまだ調整段階ではあるものの、気持ちの面あるいは並びが悪いのか。
菅野相手に0-6となった時点で厳しい状況ではあるが、7回に初めてヒットが1イニングに2本出た場面。諦めずに追いかけるのであれば、残りイニングからしても勝負をかけるところ。大和に代打を起用したが、倉本だった。
ベンチには関根もいたし、この日登録されたばかりの山下もいた。倉本は代打成績は良いとは言え、ほぼレギュラーで出ていた関根を差し置いて出すほどのものでもないし、山下はファームでも好調で、代打の切り札的な存在を期待しての昇格ではないのか。追いかけるにはラストチャンスという場面で温存する意味が分からない。倉本が出れば二人を使うつもりだったのだろうが、併殺打に終わったら出す場面がなく終わる。テレビの前で何故だと声が出てしまったが、本当に併殺打を打つとは。
大和への代打だから倉本ならそのままショートに入れられるからという理由で起用しているんじゃないかと思うくらい、考えが分からない起用順。コーチが代打の準備をしているのだと思うが、このセンスもどうかと思うし、併殺打になってしまう巡り合わせというのも取りつかれているかのようだ。
結果的に関根、山下は8回に代打で起用され、いずれも凡退した。彼らを出しても結局打てなかったかもしれない。ただ、併殺が取りづらく状況に合わせたしつこいバッティングができる関根、ファームでチームトップの14打点を挙げている山下が、大声のパフォーマンスで球場の雰囲気を変えたかも知れない。これも妄想に過ぎないが、考えた結果がこれなのか?と感じることが多い。
田中俊のショートは守備力としては無理と判断しているのだろうか。ソトが入った為、セカンドが牧になり、田中俊がスタメンで出るにはショートしかない。開幕戦で菅野を打った田中俊を使う選択肢はなかったか。大和に守備で良いプレーがいくつかあったので、守備面では正解だったかも知れないが、菅野を崩すためには関根や田中俊のしつこさも必要だったように思う。
試合後のインタビューで「何とかしなきゃいけない」を繰り返した三浦監督。気持ちは痛いほど分かるが、何とかしなきゃだけでは止められないのも現実。あまり動くとドツボにハマることもあるので迂闊には言えないが、「時間が必要」と言っていた二人を、万全であれば起用する打順と同じ形で組むには、少し無理があるのではないか。
苦しくても逃げることはできないし、逃げる人でもない。ファンも覚悟を決めて見守って行く必要があるだろう。悪い雰囲気を消し去るような光は差し込んで来ないものか。曇り空から雨へと変わる明日はまたやって来る。光を見たい。
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