03/30 中日6-7横浜DeNA(バンテリン)
2回に宮崎、関根の連打から戸柱の犠牲フライと投手の石田のタイムリーで2点を先制。3回にも関根が2点タイムリーを放ち、主導権を握る。先発の石田は4回、鵜飼にプロ初ホームランを許して2点を失うが、キレのあるストレートを主体に攻めて7回を2失点の好投。6回に佐野の2点タイムリーなどで5点リードを奪い、試合を決めたかに思われたが、8回に入江が満塁のピンチを招き、3連続タイムリーで4失点。1点差のヒヤヒヤの展開となったが、2つの併殺で三嶋、山崎がピンチを断ち、辛くも逃げ切った。
ポジ
先週は不安な投球も想定上回る好投
先週はファームで登板し、3回2/3で6安打5失点という結果だった石田。開幕ローテーション入りは決まっていたが、少し不安があった。しかし、逆にそれを反省材料としてうまく調整できたかも知れない。
この日は立ち上がりからストレートにキレが感じられた。スピードガンでは140キロ前後だが、打者が押されている感じがあった。カーブやチェンジアップで緩急をつけながら、右打者にはクロスファイアでインサイドも攻めた。
2回に先制点をもらい、3回には4点リードに広がった。4回に鵜飼へのインサイドのストレートを捉えられ、レフトスタンドへの2ラン。これがナゴヤドーム2,000号となり、鵜飼のプロ初ホームランとともに名前を残してしまったが、その後は落ち着いて自分の投球ができた。7回はビシエドにヒットを打たれたが、阿部を注文通りの併殺打に打ち取り、97球を投げて4安打2失点のHQSをマークした。
2019年8月17日以来、956日ぶりの先発勝利。その日は筒香が200号を達成し、石川からお返しのケーキを受け取っていた日。途中リリーフに転向し、昨年の後半から先発に戻っていたが、1試合先発しただけでシーズンが終わっていた。今年は、悲壮な覚悟でキャンプから取り組み、開幕ローテーション入りを果たした。危うく勝利が消えるところだったが、最初の登板で勝てたことは石田にとっても非常に大きい。
ファームの登板があったので、どこまで投げてくれるかという不安があったが、良い意味で裏切ってくれた。次回以降の登板でもゲームを作る働きを期待している。
四球に足を絡めてヒット1本で3点追加
6安打で7点というベイスターズにしては珍しい得点効率の良さだった。2回は連打からバントと犠牲フライで先制点を挙げ、投手の石田にもタイムリーが出た。
3回は、3四死球で満塁として、この日スタメンに抜擢された関根が、2打席連続ヒットとなる2点タイムリー。ヒット1本で2点を奪った。
そして、一番良かったのが6回の攻撃。代わった橋本のコントロールがバラついているところ、またも連続四球とバントで1アウト2、3塁。桑原が犠牲フライを打ち上げ、やや浅かったが、柴田がホームイン。この時、セカンドランナーの戸柱もサードへタッチアップで進んでいた。
チームとして取り組んでいる一つ先の塁を狙うことができていた。これにより、死球で出塁した楠本がセカンドへ盗塁。少しディレイドスチールのような形を見せたが、戸柱はスタートせず。2アウト2、3塁となったところで、佐野がレフト前へ2点タイムリー。戸柱の走塁と楠本の盗塁が生きて、2点タイムリーになった。
結果的に、この7点目を取ったことが勝負を分けた。取るべき点をきっちりと取るということがどれだけ勝率を高めるか、再認識できるような素晴らしい攻撃だった。
この日は右腕の高橋宏ということもあり、関根がスタメン出場した。地元でもあるバンテリンドームでは相性が良い印象だったので、そこも考慮されたかも知れない。起用が見事に当たり、関根も期待に応えることができた。楠本の好調さが目立っているが、さらに外野手の競争を激化させて行きたい。
ヤジ
先発投手も、打線も、言うことなしの素晴らしい活躍だった。そのまますんなりと終わらないところが、現状ベイスターズの課題だ。
石田に代わって8回から入江に交代。5点リードというところで、6連戦の2戦目でエスコバーや連投となる三嶋は投入せず、入江にこういう場面をしっかりと抑えてもらいたいという意図もあっただろう。打順も6番から下位に向かうところ。最初から勝ちパターンを出しておけば、というのは結果論だろう。
先頭の木下は、開幕から18打数ノーヒット。初球、153キロのストレートが真ん中付近に入り、レフト線への二塁打。不用意に入ったつもりはないのだろうが、ストレートをしっかりと捉えられ、彼の中では動揺があったか。石川昂は内野フライに打ち取ったが、京田、根尾に連続四球で満塁。
5点リードで、打たれてしまうのは仕方ないにしても、四球でランナーを溜めてしまうことが一番最悪なことで、話にならない。本人も分かっているだろうが、コントロールできないようなら1軍では投げられない。使った監督も責任がある。気持ちの問題もあるだろうから、今後に生かしてもらいたい。
1アウト満塁で砂田に交代したが、大島には2ボール。コントロールがバラついているのが分かる2球だった。3球目をライト前に弾き返され、まず1点。続く岡林には代打の平田が起用された。ここから鵜飼、ビシエド、阿部と右打者が続くし、2戦目は普通だったものの開幕戦で打ち込まれ、この日の3球も良いとは言えない砂田を交代する選択もあったはず。代打の福留を計算していたかも知れないが。
砂田が平田にも2点タイムリーを打たれて1点差となってから、三嶋に交代。鵜飼に初球のストレートを狙われ、3連続タイムリーで1点差となった。ビシエドには粘られたが、スライダーをひっかけさせ、併殺打。何とか1点のリードを守ったが、5点リードの8回にこれだけバタバタするようなリリーフでは厳しい。
砂田はオープン戦は順調そのものだったので、公式戦に入ってから投球が不安定なのは想定外。ピンチで投入できる頼りがいのある投手なだけに、状態を戻してもらいたいところだ。
9回の山崎は、日曜日のことがあるので力が入り過ぎていた。先頭の阿部を歩かせ、木下にはインサイド低めのストレートを弾き返されたが、ショートの守備範囲でライナー。さらに石川昂もインサイドに詰まったショートへの小フライ。阿部がスタートを切っていたのか戻れずに併殺で試合終了。
やはりまだ自分のボールに自信が持てないのかなという印象で、とにかく力みが強過ぎる。それでコントロールを乱し、ツーシームは振ってもらえないし、見え見えのストレートで行くことになる。ただ、最後の2人にはしっかりとインサイドを突けたので、それが勝因だろう。一つセーブを挙げたことで、少し落ち着いて来るか。クローザーにとっては、先発投手の勝利と同じものだろうから。
キャッチャーを4人ベンチに入れている割には、9回に嶺井に交代したりもないし、全く効果的に使えていない。リリーフ投手がカウントを苦しくする要因の一つには配球の問題もありそうで、戸柱が良い悪いではなく、チームとして目標にしている80%の確率で投手有利のカウントを作るという点をもう一度見直すべきではないか。
キジ
ヒヤヒヤながらも、勝ちは勝ち。連勝でカード勝ち越しを決めた。借金も1つに戻り、昨年とは違うところを見せている。
広島が阪神に連勝して開幕5連勝。やはり広島打線の状態が非常に良いのは間違いなさそうだ。この日も中日の猛追に遭ったが、今の広島打線の勢いだったらひっくり返されていた展開だろう。
3戦目は松葉と濵口の両左腕が先発する。松葉はバンテリンドームでは好投しているので、厄介な相手になりそう。濵口も先週のファームの登板も含めて、オープン戦は良かったとは言い難いが、石田と同様に良い意味で裏切って欲しい。
上茶谷がバンテリンドームでの2試合はベンチに入っていない。金曜のヤクルト戦は、登録を外れている東の代わりに上茶谷が先発するかも知れない。31日に発表される予告先発にも注目。
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