10/05 横浜DeNA2-5阪神(ハマスタ)
この日、10選手に戦力外が通告され、挨拶に訪れていた。大卒2年目の坂本はどんな気持ちで彼らを見送り、マウンドに立ったのだろうか。ポイントに挙げていた先頭の近本にヒットを打たれ、中野のタイムリー二塁打で早くも先制を許すと、大山のタイムリーに続き、59打席ヒットのない佐藤輝にもタイムリーヒットを打たれた。足でさらに1点を追加されて4失点。青柳相手に重い立ち上がりになった。坂本が3回5失点で降板した後は、4人の投手で無失点リレーだったが、打線が5回に2点を返すのがやっとだった。
ポジ
佐藤輝ほどではないが、森が31打席ぶりのヒット。1本打っただけでポジっている場合ではないが、好投手の青柳の難しい低めのシンカーをバットの先で拾い、センター前に落ちるヒット。よく付いて行ったと思う。戸柱の二塁打で三塁に進み、関根のセカンドゴロ間にホームを踏んだ。結果が出ていないにも関わらず、将来への投資的な形でスタメンで使ってもらっている。経験するだけでなく、しっかりと結果も出すことが求められる。
1点を返した後の2アウト3塁で、桑原がレフト線へのタイムリー二塁打。1点で終わらずに2点目を取れたことが後半に効いて来るかと思ったが、その後は反撃できなかった。しかし、価値のある一打だった。マルチヒットで首位打者争いにも食い下がった。
負傷のオースティンに代わって途中から4番に入った楠本が、見事なバットコントロールを見せた。6回には低めのボールゾーンへ落ちて行くスライダーを拾い、サードの頭上を破る二塁打。楠本らしさが出た打球だった。そして、8回には一発同点の場面で、左腕の岩崎に対して粘りを見せ、8球目のスライダーを振り抜いたが、フェンスまであと一歩届かなかった。内容のある2打席だった。
櫻井、ピープルズ、三上、田中健のリレーで4回以降は3安打に抑えた。特にピープルズは力のあるストレートで押し、変化球も冴えた。佐藤輝を歩かせたが、素早い牽制球で刺した。ここは佐藤輝の走塁がまずかった。2イニングを6人で片付け、リリーフで結果を出し続けている。来季の契約も微妙なところなので、アピールになっているのではないか。
ヤジ
前日の取材では、近本の初回の出塁率に触れ、初回の近本を抑えることを課題として口にしていたが、2球目のストレートをあっさりとセンター前に運ばれた。カットボールでストライクを取った後、138キロと球威を感じられないストレートだった。
調子が良い時もあれば、悪い時もあるだろう。聞く話では悪い時の方が多いと言う。それでも先発ローテーション入りを狙うなら、悪い時にいかに得点を与えずに粘れるか。立ち上がりは難しいと言うが、自ら課題と言った打者相手に、このくらいのボールしか投げられないようでは困る。
しまったという気持ちは引きずっていただろう。中野への3球目は高めに入り、右中間へのタイムリー二塁打。5球でもう先制点も許してしまった。マルテにはストライクが先行して抑えたが、大山には2ボールからきっちりと打たれた。
そして、NPBの野手としては歴代ワーストの59打席連続ノーヒットという記録更新中の佐藤輝。カットボール、高めのストレートを空振りし、2球で追い込んだにも関わらず、勝負球がきっちり行かない。これだけ打てていない打者なのだから、そこまで際どいボールでなくても焦ってくれるはずなので、坂本も余裕がない。2-2からカットボールをアウトサイドに配したが、泳ぎながらも一二塁間を破るタイムリー。
いつかはこのトンネルを抜けてヒットが出るだろうが、ハマスタに来て1打席目で、タイムリーが出てしまうというのは情けないという感情しか沸かない。ただ、それよりも問題視したいのが、その前の小野寺を歩かせたこと。左対右とは言え、打率1割台の打者にストライクを取りに行けないようでは、優勝を狙うチームと勝負できない。安易に甘い球を投げたくはないが、自分のボールに自信が持てないから、コースを必要以上に狙ってしまう。
大山のタイムリーも痛かったが、せめて2点で止めておけばまだ分からない。2アウト1塁で小野寺、佐藤輝と当たっていない打者を迎えるところでさらに2点というのは、重すぎる。結果としては3点差のゲームにはなったが、初回で大勢が決まってしまった。
坂本はまだ2年目ではあるが、大卒なのでそれほどゆっくりともしていられない。この日、10選手が来季の契約を結ばないことを通告され、チームを去った。高卒3年目の勝又は育成契約となる見込みだが、齋藤、飯塚は手術を受けたばかりであっても判断を下された。よく言われるように、現役生活はあっという間で短いという選手がほとんど。昨年も今年も苦い思いをして、少し良くなったが、また投球が悪い時と同じようになってきた。
前回も良くなかった投手を10日以上空けて、3勝と相性が良いはずの阪神戦で登板させたが、ハマスタではこれで0勝4敗。本拠地で勝てない先発投手というのは考え物だ。ましてや3連戦の初戦に登板させ、相手を勢い付けてしまっている。期待する投手であることは間違いないが、もう少し状態を見極められないものかと思ってしまう。使っているのはあくまで監督なのだから。
キジ
初回4点で重い展開。大山のソロで5-0となり、オースティンが左ふくらはぎに張りを訴えて交代。5回に2点を返して、セーブシチュエーションになる3点差には詰めたが、何か起こる気配もあまりなかった。楠本のセンターへの飛球くらいだろうか、盛り上がりは。消化試合によくあるような、あっさり負けたという試合だった。
阪神戦も負け越しが決定。7連敗の後、連勝したが日曜の引き分けを挟んで3連敗。今季ワーストタイの借金17に戻ってしまった。それよりもファンとしてキツいのがハマスタ7連敗。それも盛り上がりに欠けるような展開。平日のナイター、仕事終わりに観戦するも、到着前に体勢が決まっているようではしんどい。
ハマスタ近くの球団事務所で契約を結ばないと通告された選手が、ハマスタの練習で挨拶に訪れた。ウォームアップの選手たちに交じり、スーツ姿の齋藤が一緒に走るシーンもあった。俺の分まで頑張れ、そのメッセージは心に響いたのか。坂本だけじゃない、ボーダーの選手は来年、再来年の自分の姿かも知れない。CSは絶望、消化試合に入っているかも知れないが、チーム成績が振るわなくとも個人で結果を出して行かなければ、将来がなくなる。消化試合ではやむを得ない部分はあるが、もう少し気持ちが見たいと感じた。
6日は大貫が先発。前回は6点のリードをもらいながら、5回に4失点し勝利投手の権利を得られず降板した。その悔しさをぶつける投球を見せて欲しい。阪神は西勇輝で、今年苦しんでいるが、DeNA戦は2試合目。0勝1敗だが8回自責1と好投は見せており、援護がなかった。オースティンの出場可否は微妙だが、出場する選手は最後まで気持ちの入ったプレーを見せてもらいたい。少ないながらも、最後までファンが足を運び、見守っているのだから。
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