リリーフ陣は順調な調整ぶり　細川がマルチヒット

先発の大貫は、木下拓にレフトポール際へ特大のソロを浴びるなど、3回2失点。2番手のピープルズはいきなり初球で死球を与えたが、2イニングで3奪三振無失点。三上、砂田は順調な調整ぶり。紅白戦で好投の池谷も無失点と結果を出した。打線は内野ゴロの間にきっちりと得点したが、5安打にとどまった。

大貫はカットボールに手応え

今永が開幕に間に合うか微妙になったため、開幕投手も期待される大貫。だが、重要なのは開幕ローテーションに入り、1年間を通して活躍すること。横一線の争いとは言われるが、大貫は普通にやれば入って来るだろう。そうした意味でも、2月中盤の練習試合でMAXに仕上げている必要もない。プロ4年目で、段階を踏んで調整して行く過程は心得ているはず。

2回は2アウトを取った後、木下拓を追い込んでからインサイドへスライダーを投げ、ファウル。続くチェンジアップで空振りかゴロを狙ったが、アウトサイド高めに抜けてしまい、見事に弾き返された。ファウルかなと思ったが、切れなかった。ここは木下拓が流石だった。

3回は根尾を詰まらせ切れずに、打球がセンターの前へ落ち、続く京田へ膝元のスライダーがやや甘く入り、ライト線へ運ばれた。ランエンドヒットで1、3塁。阿部には狙い通りツーシームで内野ゴロを打たせたが、併殺狙いのシフトで打球が詰まり過ぎ、ファーストでしかアウトを取れずに2点目。

三振はひとつだったが、内野ゴロは5つ取れているし、現時点での内容としては問題ない。これからボールの精度を上げて行けば良いと思う。

ピープルズは、先頭の石川昂への初球が抜けて死球。山下にもツーシームが高めに浮いたところを一二塁間へ運ばれた。立ち上がりはバタついたが、木下拓をインサイドのツーシーム系で詰まらせると三好、A.マルティネスを連続三振。2イニング目は根尾を3球三振に取り、前の回から3者連続三振。土田、溝脇を内野ゴロに打ち取り、この回は6球で片付けた。実戦最初のマウンドとしては上出来だろう。先発を争いつつ、ロングリリーフも視野に入る。

三上はスライダーの切れが良く、高めには行っていたが3者連続三振。左の山下にはシンカーも決まっていた。ベテランがこの時期にこれだけ投げられれば順調だろう。砂田は僅か5球で3者凡退。低めの変化球で内野ゴロに打ち取っており、順調な調整ができている。8回は池谷が登板し、真ん中に入ったストレートを岡林にレフト前へ運ばれたが、鵜飼を三振に取って無失点。紅白戦に続いてアピールができた。

練習試合は、特別ルールでホームチームがリードしていても9回裏まで行うことが多いが、この日は実施されなかった。石川と加藤もゲームメンバーとして北谷に来ていたが、登板がなかった。試合終了直後に強めの雨が降り出したし、仕方ないところ。

練習試合でもバントと最低限の打撃

4回、先頭の神里がファーストに入ったA.マルティネスのエラーで出塁。細川の6球目にランエンドヒットを敢行。センター前ヒットで繋いでノーアウト1、2塁。打順の上では5番というところだったが、伊藤光にはバントのサイン。三塁側に少し強めのゴロだったが、投手がやや一塁側に降りたため、バントは成功。

ここで倉本が2ボールからのストレートを引っ張ってセカンドゴロ。通常のシフトだったため1点が入った。後続はなく1点に終わったが、ヒット1本で1点を確実に取ったことは評価できる。ただ、ボールカウントが有利だったので、もう少し絞って待っても良かったようにも思う。

中日の先発は高卒2年目の高橋宏だったが、150キロを超える力のあるストレートをコントロール良く投げ込んでいた。さすが高卒でドラフト1位指名されているだけあって好素材。昨年も高卒2年目の佐々木朗希や奥川、宮城、紅林らが活躍を見せたが、続くような活躍も予感させる。

高橋宏に3回まで2安打に抑えられ、その後も中日の投手陣を打ち崩すことができなかった。打線では4番に入った細川が唯一のマルチヒット。4回は神里がランエンドヒットでスタートしたことで、コンパクトにセンターへ打ち返すバッティングができた。6回に高めのストレートを痛烈にレフト前へ弾き返した。

それ以外の打席は三振に終わったが、「自分の打撃スタイル的にも三振は多少つきものだと思っている」と良い意味で捉えることができている。ボール球に手を出して、というのは減らして行きたいが、振らなければ細川の持ち味も出ない。オースティンだってヒット数とほぼ同じ数の三振を喫している。1軍クラスの投手と対戦する中で、甘く来たボールをどれだけファウルせずに捉えるか。三振を怖がって当てに行くのではなく、ボールを見極めてきっちりと振り切って欲しい。

森は初回に落ちるボールを巧く拾ってセンター前ヒット。6回には高めのストレートを左中間へ弾き返したが、センターのブライトがダイビングでスーパーキャッチ。マルチヒットを阻まれたが、内容は良かったと思う。

既に4試合のオーダーは選手に通達済

1軍の練習試合は、19、20日と22、23日の4試合。第4クール最終日の17日にこの4試合のオーダーが宿舎に貼り出されたという。もちろん、コンディションによって変更はあるだろうが、各選手は自分の出番に向けて準備ができる。

20日は沖縄セルラースタジアム那覇で、読売との練習試合。天気予報は良くないが、何とか午後は雨が持つだろうか、といった感じ。降ったり止んだりとなりそうだ。スタメンは以下の通り。

6 森
7 楠本
8 神里
9 大田
D 細川
4 柴田
2 山本
3 知野
5 倉本

[投手]
坂本(3 or 4回)
上茶谷(3 or 4回)
山崎
田中健
中川
加藤
(3番手以降は順番未定)

坂本、上茶谷は展開により3イニングもしくは4イニングを投げる形になりそうだ。リリーフとして山崎と田中健もメンバーに入っている。加藤は連日の帯同となるが、終盤にマウンドへ上がる機会があるだろうか。野手では田部がゲームメンバーに参加する。

ファームで調整していた大和が1軍キャンプへ合流する。練習試合には帯同せず、宮崎らと宜野湾で練習を行う。牧も21日のファーム練習試合に出場する予定となっており、キャンプ終盤に1軍への合流を見据えている。

早くもオープン戦の開幕まで一週間を切った。天候が思わしくない中、実戦が続いて行く。第5クールのテーマは「競争」。オープン戦帯同をアピールしたい若手は、少ない機会をものにする集中力が問われる。