02/22 練習試合 横浜DeNA8-2広島東洋(アトムホーム宜野湾)
初回に桑原、大田の連打から先制したが、先発の濵口が4回2失点で逆転を許して5回を迎えた。2イニング目に入った大道を攻め、倉本のヒットから5安打を集中。広島の守備の乱れにも乗じて4点を奪い、この日から1軍に合流した牧が代打で3ランを放った。7回にもレフト前ヒットを放った牧がその存在感を見せつけた。投手では2番手の石川が好投。終盤のリリーフ陣も完璧な投球を見せた。
スーパースターの存在感なのか?
キャンプ直前に新型コロナへの感染が明らかになり、1軍に牧の姿がないキャンプが続いていた。遅れて沖縄入りし、ファームで調整を続けていたが、感染の影響が出るのかどうか心配していたが、キャンプ終盤にきっちりと合わせてきた。
前日のファーム練習試合でも、貫禄を見せていたが、この日も三浦監督がその2文字を口にするような存在感。スタメンを外れ、5回に代打で登場。知野、楠本のタイムリーなどで4点を奪い、なおもノーアウト1、2塁という場面。知野が20日の読売戦が6打席連続安打の大活躍。そしてずっとヒットがなかった楠本が2点タイムリーと既に大逆転をしていた場面。
そうした少しどさくさに紛れるようなタイミングでの1軍初打席となったが、3球目のアウトサイドのスライダーを右方向へ持って行くと、球場が静かになった。これは入るのか?という感じで誰もが打球を目で追い、その白球はライトポール際、無人の外野席で弾んだ。
この場面で3ランを打ってしまう牧。他の選手の良い活躍も全部かっさらって行くようなスーパースターの存在感。これには、さすが牧としか言いようがない。2年目のジンクスは心配ではあるが、既にベテランなので大丈夫なのではないかと思わされる。
7回も、中崎が角度のあるストレートを投げており、神里と楠本が力でねじ伏せられた。牧も2球で追い込まれたが、ここから3つボール球を選ぶ。相手も簡単には投げ込めないし、牧も簡単には凡退しない。どっちがベテランなのか分からないような勝負で、最後に少し浮いたアウトサイドのストレートをレフト前へライナーで運んだ。
変化球を押っ付けてライトスタンドに運び、力のあるストレートをレフトへ弾き返す。まさに昨年見た打率.314で35二塁打を放った打者だった。今年は牧の周りでどんなことが生まれるのだろう。全てがこの男に引き寄せられて行く、そんな感覚さえ憶えた。
話題はどうしても牧が独占してしまうが、見逃せないのが知野の活躍。20日の4打数4安打に続き、この日も最初の2打席でヒットを放った。3回の第1打席では2球で追い込まれ、3球目の高めストレートをファウルした後、低めの膝元に入って来るカットボールを泳ぎながら三遊間へ運んだ。体勢を崩されながら打った打球はそれほど強くなかったがコースヒットになった。
そして、5回はヒットとエラーでノーアウト1、3塁という場面。2ボール1ストライクから、高めのボール球のストレートに詰まったが、センター宇草のダイビングも及ばず、打球が落ちてタイムリーヒットになった。
この日はファースト、サードの守備もこなし、アピールが続いた。同学年の牧にも刺激になっていると思うが、この日は大和がスタメンだったショートの争いにも加わって来るだろう。守備力では大和や柴田には及ばないかも知れないが、バッティングも含めれば成長著しい知野を使う可能性もある。前日にホームランを放ち、23日の1軍の練習試合に呼ばれる伊藤裕も含めて、競争を激化させており、知野の成長はチームとしては非常に大きい。
この日のヒットは運によるところは大きいが、しっかりとコンタクトできているからこそ、そういうことが生まれるし、犠牲フライのような最低限のバッティングもできていることは評価が高いはず。本人も「怖いです」というくらいの調子は、ずっとは続かないがこの感覚は忘れずに身につけて欲しい。
悪い意味でいつも通りの濵口、石川はアピール成功
濵口は、前回の2番手での登板と同じく、最初のイニングは12球で三者凡退に抑えたが、2イニング目に失点。末包にボールが先行し、際どいインサイド低めをボールと判定され、同じボールで勝負に行ったが、それよりも中に入ってレフト線へ運ばれた。ルーキーに対して試したのならそれで良いが、ボール先行は褒められるものではない。
続く小園は1ボールから真ん中のストレートを弾き返され、良い当たりのライナーがレフトへ。大田がやや目測を誤り、スピードを少し落とした後、飛び付いたが捕球できず、記録はエラーとなった。エラーではあるが、ストライクを取りに行ったところを捉えられている。堂林は浅いライトファウルフライに打ち取ったが、中村健には飛距離十分の犠牲フライを許した。
羽月にもまたボールが先行し、平衡カウントまで持ち込んだが結局歩かせた。ランナーを三塁に置いているとは言え、全球がアウトサイド。少し配球も単調になっていた。二俣をセンターフライに打ち取り、ここを1点に留めたのは評価できるが、もう少し攻めた投球を観たかった。
3回を予定していたが、4回のマウンドにも上がった。2アウトを簡単に取った後、羽月を歩かせた。羽月には何か嫌な感じがあるのだろうか。二俣にもボールから入り、真ん中のストレートでストライクを取りに行き、センター前ヒットを許した。宇草にもボールが先行し、ライト前タイムリーを浴びて2点を奪われた。
本人としては、カーブとスライダーに収穫があり、前回よりは良かったという感触のようだが、昨年は何が良くなくて、どういう試みをしようとしているのか、あまり見えないマウンドだった。良くなかった昨年と同じということは進歩もなく、いつも通りということ。ブルペンでは小谷アドバイザーから力ではなくリズムとバランスが大事と声をかけられているが、あまりその部分も意識できていないように映った。
もちろん、まだキャンプ中の練習試合であり、ここで100%になっている必要はないが、開幕ローテーションを争う立場として、オープン戦ではある程度結果も求められる。今年1年を投げ抜く上で、新たな試みが見られなかったのは残念であり、不安な点でもある。スピードガン以上にベース板でのボールの力はあったように思うので、本人も認識している通りチェンジアップを中心とした変化球の精度を上げて行って欲しいと思う。
5回から登板した石川は、やっとマウンドに立てたという感じだろうか。紅白戦後、ファーム練習試合では2日ともメンバーに入っていたがいずれも中止。19日の1軍の練習試合にも帯同し、ブルペンでの投球は行っていたが、9回裏はなく登板機会がなかった。ようやく訪れた登板機会は、初めての1軍の試合だった。
最初の打者の持丸を高めのストレートで押してレフトフライ。末包はチェンジアップで追い込み、ストレートを挟んで再びチェンジアップ。少し浮いてしまったが、タイミングを外し空振り三振で仕留めた。小園には見事にストレートをセンターへ弾き返されたが、堂林を高めで詰まらせた。
2イニング目は三者凡退。全体的にボールは高めが多かったが、球速以上にキレがありそうだ。フォームにも特徴があるので、打者も合わせづらいように見えた。初めての練習試合で、2イニング1安打無失点という結果を出せたことは、支配下登録に向けて足掛かりとなりそうだ。
終盤のリリーフは、三上が先頭の宇草にヒットを打たれたが、続く正随を併殺に取った。砂田、伊勢もほぼ完璧な投球だった。今のところ彼らは順調に来ているようだ。
4番梶原も雨で試合は難しいか
23日は宜野湾で楽天戦の予定。21日のファーム練習試合でホームランを放った伊藤裕が、三浦監督が明言した通りに呼ばれている。オーダーは下記の通り、4番に梶原を入れるという予想外の並び。だが、23日は朝から雨が降り続く予報で、練習試合の開催は厳しいかも知れない。
9 神里 6 森 8 桑原 7 梶原 3 ソト D 楠本 2 戸柱 5 知野 4 柴田 [投手] 東(2回) 徳山(2回) 三浦(2回) 中川、加藤、ディアス、スターリン(順番未定)
投手では東が先発、ルーキーの徳山、三浦も2イニングずつを投げる予定となっており、ぜひ見てみたいのだが、またの機会となってしまうか。
23日が中止になると練習試合は24日のファーム練習試合を残すのみとなる。1軍は24日に今キャンプ最後の休養日で、25日から最終クールに入り1日だけ練習日で、26、27日のオープン戦で終了となる。いよいよ春季キャンプも大詰めを迎える。
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