横浜DeNAベイスターズの春季キャンプは、15日から第4クールに入った。16日の練習試合で4番デビューが明らかになった大田が、ランチ特打で7本の柵越えをマーク。外国人投手3名がライブBPとして登板した。梶原と今永が張りを訴えて別メニュー、森が身内に不幸があり練習を欠席した。
大田は柵越え連発、オースティンは振らず
2022年最初の対外試合となる16日の広島戦で、大田が4番としてベイスターズ移籍最初の試合出場となる。キャンプ初日に濃厚接触者の疑いで出遅れたが、感染はしておらず隔離期間は限定的ながらもトレーニングは行っており、調整に遅れはない。
4番デビューにモチベーションも高まったのか、この日のランチ特打では、石井コーチの投球に対し、5本連続を含む7本の柵越えと、状態が上がって来ている。昨年は不振にあえぎ、日本ハムを自由契約となったが、自身の反撃に向けても意気込みを感じさせた。
一方、オースティンはランチ特打でエスコバーやロメロ、ピープルズが登板した打席に入ったが、23球全てを見逃した。
アメリカ時代の2017年キャンプ前に同様の練習で自打球で左足甲を骨折したことがあるといい「その経験からライブ打撃では振らないようにしている」とタイミングを取るのみとした。
スポーツ報知
これまでも、ランチ特打で今永や大貫が登板しても、そちらのケージには入らず、石井コーチが投げるボールを打っていたオースティン。この日は、外国人投手3名が投げるということもあり、打席には入ったがスイングはせず。苦い経験がその理由だった。
前のクールのブルペンでもエスコバーや三嶋の投球を見ていたし、これまでもそういう調整なのであれば問題ない。もちろん開幕までに全く試合に出ないというわけには行かないが、練習試合やオープン戦の試合に出ることは仕方ないにせよ、調整中の投手が投げるボールでケガはしたくない、試合への準備がきっちりできたところで入って行きたいということなのだろう。
オースティン、ソトは開幕に合わせてくれれば問題ない。逆算してオープン戦から実戦でも十分に間に合う。今年こそは開幕から準備万端で出て欲しい。
ライブBPとして登板したエスコバーは、防球ネットは邪魔だということで撤去。その後、大田の打球がピープルズに当たりそうになる場面もあったが、実戦ではネットなどないわけで、より実戦を意識した登板だった。
ロメロもそうだが、打撃投手としての登板よりも実戦を意識し、キャッチャーがサインを出して球種を決め、違うと感じたら首を振って変えていた。実戦への登板はまだもう少し先になるだろうが、最初の2クールは別メニューでスロー調整していた外国人投手たちが実戦に向けて段階を上げてきた。
斎藤コーチと上茶谷がノックで「会話」
第4クールのテーマは「丁寧に」。前クールの「失敗OK」から一転して仕上げに向かって行くクールとなりそうだ。1軍は17日までの3日間だけだが、丁寧にここまでの練習を振り返って、実戦に向けた仕上げをして欲しい。
午前中には、投手と内野手が合同でサインプレーを確認。室内で非公として行われた。その間、外野手はメイングラウンドで守備練習。選手が交代でロングティーのように打球を放ち、それを捕るという練習。コーチがノックするよりも、少し実戦に近い打球になり、バッティング練習もできる。さらに小池コーチもノックを打たないで済むという一石三鳥の練習?オースティンも加わって、いつもとは少し違った練習を楽しみながらこなしていた。
午後のサブグラウンドでは、斎藤隆コーチが自らノックバットを持ち、上茶谷ら投手陣にノックの雨を降らせた。上茶谷とは大声で「あともう少し!」「よし!」と会話しながらの練習。左右に振る打球でノックした後は、マウンドよりも近いくらいの距離で、テニスボールを使ってノック。ピッチャー強襲の打球に対する反応を練習した。
斎藤コーチと言えば、大学まで野手をやっていたということもあり、現役時代はバッティングも良く、右投げ左打ちだったが、この日のノックは右打ちだった。ピッチャーライナーを打とうとして、3球連続で上茶谷の頭の上を越えて行く打球になったりしていた。3分の休憩を挟んで8~9セットは練習していただろうか。今年は上茶谷のピッチャーゴロへの反応にも注目。
ブルペンでは、16日の練習試合で先発する石田がシャドウピッチングでイメージを膨らませていた。前日は嘉手納のブルペンで投球練習。同じく嘉手納へ行っていた小谷アドバイザーが、この日も石田にアドバイスを送っていた。同じく2番手で登板する濵口にも、今キャンプはずっと声をかけている。力任せではなくリズムとタイミングが重要だと言われている。立ち上がりのコントロールの改善に繋がるかどうか。
小谷氏はコーチングアドバイザーという肩書だが、今キャンプに関してはブルペンコーチとなっており、直接指導が目立つ。もちろん三浦監督始め斎藤、木塚両コーチと相談の上だと思うが、名伯楽に指導を仰げるのはチャンス。中でも入江は積極的に話しかけ、アドバイスをもらっている。上茶谷もそうだが、そのひたむきさが実を結ぶことを願いたい。
キャンプ中盤、疲れが出ている選手も
この日、ウォームアップから森、梶原の姿が見えず、ニコ生のコメントでも心配の声が上がっていた。新型コロナの感染、濃厚接触も心配されたが、森は身内に不幸があったということで、前日のうちに沖縄を離れていた。森はこの日の夜には沖縄に戻り、16日の練習試合には出場予定。
また、梶原は足の張りを訴えて別メニューとなった。ウォームアップから参加していないくらいなので、軽い張りではないと思う。16日の練習試合には帯同せず、完全別メニューなのでしばらくかかるのではないかと思う。回復具合によっては藤田のように嘉手納で調整となる可能性もある。紅白戦ではアピールできたので悔やまれるが、ここで無理をしても仕方ない。初めてのプロのキャンプで疲れも出ているのだろう。
今永も、練習メニューではブルペン入りの予定だったが、ウォームアップとキャッチボールの後は軽い調整で終えた。体の張りがあったため、メニューを変更した形。梶原と違って今永はプロでの経験もあるので、三浦監督も任せている。自分の身体を自分で判断したことなので、あまり心配はしていない。キャンプ中盤に少し追い込んで、実戦に向けて落として行っても良い。
右脇腹の肉離れで別メニューとなっていた佐野は、16日から嘉手納での調整となることが発表された。キャプテン不在は痛いが、治療に専念して欲しい。外野は佐野と梶原が抜けた形だが、16日の練習試合はファームから小深田が参加する。スタメンではないが、こちらも楽しみだ。
16日の練習試合のオーダーは下記の通り発表されている。
D 桑原 6 森 7 細川 9 大田 2 戸柱 8 神里 4 柴田 5 知野 3 倉本 [投手] 石田(3回) 濵口(3回) 中川 ディアス スターリン (7回以降は順番未定)
ファーストに倉本というのは珍しい。途中で小深田をサードに入れてという交代が予想されるが、内野はポジションをローテーションするかもしれない。4番大田が注目されるが、外野手は出番が多くなるのでアピールのチャンス。広島は左腕の玉村が先発とのことなので、細川は結果を出したいところ。
キャンプも後半に入り、ケガ人や張りを訴える選手も出て来ている。実戦モードに入り、コンディションも整えつつ結果を出して行かなければならない。1、2軍を合わせると16日から試合がないのは25日だけで、オープン戦も含めて12日で11試合が予定されている。雨天もうまく使って、キャンプを完走して欲しい。
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