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バウアー熱投10回無失点 床田に翻弄され無援護

08/03 広島東洋0-0横浜DeNA(マツダ)

バウアーと床田の投げ合いとなり、早いテンポで試合は進み、スコアボードにはゼロが並んだ。DeNAは大田が3安打と気を吐いたが、打線が繋がらず。9回まで床田に翻弄され、5安打無得点。バウアーは初回にヒット2本を許したが、丁寧な投球で10回まで4安打無失点。両軍のリリーフもピンチを凌ぎ、スコアレスドローとなった。

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ポジ [Good]

昨日の投稿でバウアーはこれまで無失点に抑えたことはないと書いたが、完封どころか10回まで無失点という圧巻の投球を見せてくれた。自己最速の159キロとか、異常に曲がるスライダーとか、この日は驚くようなボールはなかったが、全てのボールが一級品だった。

初回は先頭の小園にヒットを打たれたが、野間が併殺崩れの後に盗塁を試みて、伊藤が刺した。秋山に内野安打を打たれたが、上本を打ち取った。

2回以降は丁寧な投球でヒットを許さなかった。2四死球を出すも、いずれも併殺で切り抜けた。8回の先頭の坂倉に久しぶりのヒットを打たれたが、ここも併殺に取った。9回は三者凡退に打ち取り110球。援護がなく完封とはならなかったが、ここで交代かなと思った。

だが、10回裏のマウンドにもバウアーが走って行った。7月6日の完投勝利の時も驚かされたが、ここも行くのかと。1アウトから秋山に低めのボールゾーンのナックルカーブを巧くレフト前へ運ばれ、上本のバントで2アウト2塁。齋藤隆コーチがマウンドに行き、坂倉を申告敬遠で歩かせることを確認した。

2アウト1、2塁から田中に3ボールとなったが、最後はアウトサイドのストレートで詰まらせてレフトフライ。まだ関根が捕ってないのにガッツポーズをしながらベンチへと進み、味方を鼓舞するかのように吠えた。

10回123球の熱投だった。この日は三振が5つと少なめで、早いカウントから打たせて取った。試合時間も短く、ピンチも少なかったのでまだ余力もあった。10回裏の田中には154キロもマークしており、ここでギアを上げるという凄みを見せた。これがサイヤング賞投手。素晴らしい投球だったが、勝利に結び付けられなかったことだけが痛恨だが、9回、10回はこれだけの投球をしたバウアーがサヨナラ負けに屈するシーンを見たくないと祈るような気持ちだった。

10イニングを加えて97.2回となり、規定投球回数の94を超えた。防御率も2点台に突入し、7位にラインクインした。中6日空けた分、10イニングを投げて来るとは恐れ入った。勝ち星を伸ばせなかったのは残念だが、今後も彼の投球に酔いしれたい。次も中6日になるだろうか。天気が心配ではあるが、順調ならスターナイトでの登板になりそうだ。

バウアーの熱投を引き継いだウェンデルケンは、2アウトから松山の上手いバッティングでセンター前ヒットを打たれると、大盛に盗塁を許した。タイミングはアウトだったが、伊藤の送球が大きく三塁方向へ逸れてタッチまでに時間を要した。小園にはカウントを悪くして申告敬遠。

野間は追い込んだが、ストレートがやや中に入り、三遊間を抜かれた。前進守備の外野で二塁ランナーは止まり、満塁となった。ここで秋山に対してストレートで押し、2球で追い込む。さらにインサイドのストレートを続け、完全に詰まらせてセカンドゴロ。バウアーから変化球を上手く運んでいたので、ストレートで押した伊藤のリードが光り、ウェンデルケンもきっちり投げ切った。

12回は森原が締めた。もう勝利はない場面で、サヨナラ負けの重圧もあったかと思うが、笑顔でマウンドに上がった。上本に嫌らしいゴロを打たれたが、ギリギリでアウトにすると、ストレートに強い坂倉に対してインサイドへストレートをぶっ込んでファウルを取ると、2球目は高めにストレートを投げ、完全に詰まったセカンドフライに打ち取った。この投球は堪らない。

田中にはフォークをきっちりと低めのボールゾーンへ落とし、最後は伸びのあるストレートで力ないショートゴロに抑えた。クローザーとしての最初の登板を見た時はどうなるかと思ったが、安定した投球がまた続いている。森原をリードして登板させる展開を作りたい。

大田が連日の3安打。昨年も5安打という試合があったが、打ち始めると爆発力がある選手。高めに来た甘い球を逃さないし、結果も出ているのできっちり振れている。左腕との対戦でスタメン出場しているが、現状で一番状態の良い選手なので、しばらく固定してもいいと思う。2番の関根があまり良くないので、今なら入れ替えても面白いではないかと思う。

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ヤジ [Bad]

バウアーの10回無失点の好投に報いることができなかった。逆に言えば、床田も9回無失点の投球が報われていないわけで、お互いになかなか得点に結びつく気配が少ない試合だった。ただ、どちらかと言うとDeNAの方が得点圏に進めたチャンスは多かっただけに、またもあと1本が出ないというもどかしい試合になった。

床田には完全に翻弄された。力感の少ないゆったりとしたフォームから伸びのあるストレートに遅れ、パームやカーブで緩急を付けられて、ストレートと同じ腕の振りで見分けの付かないツーシームで芯を外された。今年もう何度もやられているが、いつも以上に翻弄された。

大田が3安打を打ったが、いずれもランナーがおらず、得点圏の鬼・大和もこの日は全く仕事をさせてもらえなかった。7回の大田のヒットが最後で、ここを併殺であっさりと潰すと、出塁は9回の宮崎の死球のみ。これも併殺であっという間に潰えた。リリーフにも抑え込まれ、勝機はなかった。

桑原と大田しかヒットを打っていないので、得点するには無理があるが、7回の攻撃は不可解だった。この試合で一番当たっている打者だった大田に代走の梶原を送った。ノーアウト1塁で7番の大和という場面。バウアーをさすがに代えるはずもなく、そうであれば伊藤もそのまま打席に送ることになる。ノーアウトのランナーで何とか得点しなければならないのだが、代走を送ってもそれほど仕掛けられない場面。

バウアーはバッティングに多くは期待できないので、伊藤のところで得点したいとすれば、梶原が盗塁を決めて、大和がバントか進塁打で1アウト3塁を作るか、梶原と大和でヒットエンドランを敢行してノーアウト1、3塁を作るしかない。おそらく後者を考えたのではないか。初球はバントの構えでヒットゾーンを広げ、3球目にヒットエンドランをしかけた。

インサイドへのツーシームで、大和も何とか転がそうと叩きつけるようなバッティングだったが、サード正面のゴロとなって併殺打。バントの構えで前に出ていたサードの頭を越そうとしたのか、インサイドだったので右打ちできずにサードゴロになったのか分からないが、正面を突いて最悪の形になった。

打順が悪いから7回も無得点でいいとは言わないが、唯一当たっている大田を下げてまで取る作戦としてはあまりにも無謀だと思う。大和と床田のそれまでの2打席からしても、何とかできるような気配はなかった。この時点で同点であり、延長も含めてまだ大田に回ることを考えれば、代走で交代した方がマイナスだと思う。8番、9番に代打を出すつもりだったのならいいが、この作戦は理解しがたい。

9回は宮崎が死球を受け、代走の知野が送られた。続く牧は、2球ストレートで追い込まれてしまった。3球目はやや甘くストレートが来たが、これを引っ掛けてショートゴロ併殺打。勝負強い打者だし、一撃で試合を決める力も持っている。だが、追い込まれてからのバッティングとして、チームが勝つためにどうすべきかを考えたものだったとは思えない。

緩いボールに泳いでショートゴロとか、ストレートを右に打ってセカンドゴロとか、それならまだ理解できる。2ストライクからストレートを強引に打ちに行って、引っ掛けてのショートゴロというのは、チームのことを考えてないという表れと思う。もちろん、牧なりに何とかしようと思っていると思うが、がむしゃらに何とか打ちたいというだけで勝てる世界でもない。

4番だから細かいことは気にせずフルスイングすればいいという意見もあるだろうが、牧はそういうタイプではないし、4番がこういう場面で追い込まれてからチームバッティングができるチームが強いと思う。得点を取るためにもっと頭で考えて行動しなければならないという象徴的なシーンだった。

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キジ [Other]

床田を打てず、バウアーを援護できずに負けるのではないかという予感がしていたので、余計に昨日の負けはショックだった。打てないという予感は的中したが、バウアーとリリーフ陣が得点を与えなかったので、引き分けに持ち込むことはできた。

追いかける側として勝ち越しができなかったのは痛い。だが、ビジターと考えると1勝1敗1分は、ギリギリのラインだと思う。打線はこの日、7月に戻ったかのような貧打だったが、床田が良かったと考えると、そう毎日打てるわけではないので、一時的なものかも知れない。前日に2戦連続の2桁安打でポジっても、良い投手にかかればこんなものだろう。

9試合連続ビジターは、4勝4敗1分となった。これまでのビジターの勝敗と、7月末のチーム状態を考えれば何とか踏ん張ったとも言える。4日からハマスタに戻るが、いよいよスターナイトを迎える。まずは阪神戦でのキッズスターナイト。ハマスタでは5連敗中だが、阪神戦は昨年から13連勝中。いつかは止まるものだが、どうなるか。

先週は青木に痛恨の逆転3ランを浴びた東が、9勝目を挙げられるか。阪神は村上で、ハマスタは今季初登板。先週は広島戦で勝利を挙げているが、オールスター前は連敗しており、やや陰りが見えている。首位を相手にどれだけ戦えるか。8月反攻があるかどうかを占う3連戦になりそうだ。

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