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投手陣が6回までパーフェクト 蝦名がマルチヒット

10/22 フェニックスリーグ 阪神2-0横浜DeNA(サンマリン)

DeNAはブルペンデー。先発の櫻井が2回を19球で片付けると、草野、渡辺も三者凡退に抑える。5回はディアスが力強いストレートで押し、6回はマルセリーノが3者連続三振。6回まで阪神打線をパーフェクトに抑える。しかし、7回に今野が2四球などでピンチを招くと、高濱の犠牲フライと野口のタイムリーで2失点。打線は、蝦名がマルチヒットと四球で3出塁も生かせず完封負け。

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育成選手中心の投手陣が好投

19日の広島戦に登板し、1回2失点だった櫻井が先発。第3節最後の試合は、ブルペンデーということになった。櫻井は腕の振りが良く、ボールも適度に散っていた。ストレートの力強さも感じられ、低めの変化球と球威で6アウト中、5つをゴロで取った。

櫻井と言えばスライダーだが、チェンジアップ、カット、ナックルカーブ、ツーシームと多彩な球種を披露した。スライダーは1球だけで、他の球種の現在地を試した形だろうか。ストレートの球威が出て来て、これらの変化球もピッチトンネルを使ってコンビネーションを組んで行けば、かなり打者を惑わすことができるのではないか。

田中健が戦力外となったので、櫻井にはチャンスであり、やってもらいたい存在になって来ている。故障で苦しむシーズンが続いているが、2024年は最初からアピールして1軍を掴みたい。

2番手は高卒育成投手の草野。先頭の中川には少しボールが荒れたが、弾き返された打球がセンターの正面を突いた。藤田、戸井はいずれも初球のストレートを打ってフライアウト。140キロ前後だが、押し込むことが出来ている。支配下の森下の活躍も刺激になるだろうし、さらにストレートを磨いて欲しい。

3番手は、こちらも育成ルーキーの渡辺。角度のあるストレートは球威を感じさせる。1アウトから高寺に高めのストレートを弾き返され、打球はレフトのポール際、ギリギリで勝又がキャッチ。1軍の主軸だと持って行かれたかも知れない。高めに行ってしまったボールは強さがないので、これは気を付けたい。支配下登録に向けては、もう少しストレートの出力が欲しいかなと思う。それによってもう少しフォークが生きて来るはず。

トミージョン手術から復帰のディアス。ストレートの力強さは、以前よりも増しているように思う。野口への初球は、若干辛めかなと思っていたサンマリンのスピードガンでも152キロをマークした。あとは武器になる変化球の精度。野口から三振を奪ったスライダーは良かったと思う。来季の支配下登録に向け、さらに精度を上げて行きたい。

5番手は、こちらも育成の外国人投手であるマルセリーノ。まだまだコントロールを乱す登板は多いが、この日は中川をスライダーで見逃し三振に取ると、藤田には2球スライダーで空振りさせて追い込み、スライダーで3球勝負して見逃し三振。真ん中に行ってしまったという感じだが、打者が反応できなかった。

戸井には152キロのストレートで押し、最後はスライダーが高めに浮いたが合わせることができず、空振り三振。3者連続三振となり、ガッツポーズでマウンドを降りた。まだ21歳と若い投手だが、再現性と精度が上がって来れば面白い存在。バウアーともDOCKで交流したことが、飛躍のきっかけになれば。

育成選手の登板が続き、6番手は今野。先頭の井坪には低めに集まり、ゴロアウトに取ったが、高寺を追い込んでから低めのチェンジアップを振ってもらえず、歩かせた。豊田に高めに浮いたところをレフト前へ運ばれ、阪神はこの試合初ヒットとなった。

代打の前川に対して、初球は低めに素晴らしい145キロのストレートが決まったが、2球目は高めの要求に対して低めへ引っかかってしまい、松尾が捕逸してピンチを広げた。前川も追い込んだが勝負球が決まらず歩かせ、満塁。

高濱に高めのストレートをレフトに運ばれ、少し浅めだったが、蝦名の送球が少し一塁寄りだったため、その間に高寺の足が入った。続く野口にはストレートを強く一二塁間へ打ち返され、打球がイレギュラーし、タイムリーとなった。今野は良いボールもあったが、精度が課題になる。来年はイースタンでの登板を増やす中で、良いボールが常に投げられるように精度を上げて欲しい。

8回は背番号106の渡辺がもう一度登板したのかと思ったが、徳山がユニフォームを借りていただけだった。忘れたのか、何かトラブルに巻き込まれたのか。投球の方は、先頭の島田に追い込んでから真ん中のストレートをセンター前に運ばれた。ここは1軍でも結果を出している選手なので、甘いボールは見逃してくれない。

バントで送られ、片山をファーストゴロで2アウト3塁。高寺にはインサイドのスライダーを続け、5球目で空振り三振に仕留めた。30日までフェニックスリーグがあるが、その後オーストラリアへ派遣される予定。徳山もドラフト2位で、そろそろ1軍の戦力になって欲しいところ。今オフ、自信を得て2024年は1軍争いに加わって欲しい。

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蝦名の3出塁生かせず完封負け

前の2試合はサードに入っていた蝦名は、この試合では勝又とレフト、センターを交互に守った。バッティングの方では、最初の打席で追い込まれてから右打ちでライト前ヒット。6回は、湯浅と対戦し、ストレート2球で追い込まれたが、3球目を捉えてセンター前ヒット。

8回は低めを見極めて四球を選び、この日3出塁。知野の打席でワンバウンドを捕手が弾いた瞬間にスタートし、三塁を陥れた。得点には結びつかなかったが、この走塁は良かった。

あとは1軍で結果を残すだけという選手だが、気になったのは6回。この時も林の打席で、湯浅のフォークがかなり手前でワンバウンドし、捕手が後逸。蝦名は二塁へ進んだが、最初から二塁までしか行けないと決めつけた走塁に見えた。捕手が体勢を崩し、ファウルグラウンドが広いサンマリンで、少し遅れて捕りに行っていた。三塁には行けないタイミングだったかも知れないが、最初から狙っていない走塁は残念だった。チーム方針も2つ先の塁を狙う、だったはず。

足も速く、そこでもアピールして行きたい選手だけに、二塁で止まるつもりの走塁をしているようではチャンスも掴めない。今年は守備でのミスも目立ってしまったが、少し決め付けるタイプの選手のように思う。この部分が1軍定着を阻んでいる可能性もあるので、もっと細かい部分まで日頃から想定し、先の先まで考えたプレーをして欲しいと思う。

その6回、ノーアウト2塁となったが、林がフォークで三振し、ランナーを進められなかった。1軍でもクローザーを務めていた湯浅なので、そう簡単にバットに当てることもできないが、追い込まれてから何とかファウルし、進塁打を打てるボールを待ちたかった。実際に、来年以降1軍でこのシチュエーションはありうるわけなので、どうすれば湯浅クラスのフォークをファウルで逃げ、あるいはボールを見極められるか、今後も取り組んで欲しい。

松尾も初回、6回と得点圏で凡退。チャンスで自分のバッティングができるようになるには、もう少しかかるか。8回はアウトサイド高めのストレートをうまく運んで、レフト前ヒット。打った後の姿が牧に見えるようなバッティングだった。

小深田は1本、左中間に落ちるヒットがあったが、左腕に対するボールの見極めは課題。あえてボール球に手を出さないように見ているのかも知れないが、自身がボールと判断したところでストライクを取られるという見逃し三振が2度あった。課題を持って見ているなら構わないが、際どいコースも振ってファウルにして行かなければアベレージは上がって来ない。3年目は苦しいシーズンになったが、ここを乗り越えてレベルアップして欲しい。

優勝した阪神は、ファームの投手も多彩なタイプが揃っている。この日は得点に結び付けられなかったが、28日にも対戦があるので、若手の選手たちも阪神の投手陣に、DeNAの打線は嫌だなという感覚を植え付けておきたい。

23日は休養日となり、24日から第4節が始まる。残りは6試合で、若手選手たちが来季への手応えや課題を身をもって感じ、来季の飛躍へと繋げて欲しいと思う。

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