03/07 東北楽天0-1横浜DeNA(静岡草薙)
笠原が4回まで毎回走者を背負いながらも凌ぎ、5回無失点の好投でローテ入りをアピールした。2番手のルーキー橋本は2三振を奪って無失点。その後も石川、森原、入江と繋ぎ、完封リレー。打線は4安打で内野ゴロ間の1得点と低調だったが、ルーキー林の積極的なバッティングが目立った。
ポジ [Good]
オープン戦もまだ5~6試合というところだが、今年も全体的に投手優位になるのかなという印象。通常、この時期は投手の仕上がりが早く、打者は速球、変化球ともにまだ目が慣れないため、投高打低の傾向にはあるのだが、それにしてもという感じ。
週末のハマスタで石田、平良、東の開幕ローテーション候補が好投し、争いの中で負けられない笠原が先発。2月22日の練習試合ではまずまずの投球を見せており、この日がオープン戦は初登板。2回に2つの四死球とヒットで2アウト満塁のピンチを招いたが、辰己をレフトフライに打ち取って切り抜けた。
右の両外国人、フランコとギッテンスに3安打1四球と全て出塁させてしまった。もう1本のヒットも右の伊藤裕季也で、右打者への対応が課題として残った。だが、4番の浅村は内野ゴロ2つに打ち取るなど、良い面も見られた。
4回まで毎回走者を背負い、5回にやっと三者凡退。それでも5回78球で無失点という投球は、開幕ローテーションの合格ライン。圧倒的な投球でねじ伏せるタイプではなく、6回2~3点でのらりくらりと抑えるタイプ。しっかりゲームを作ってくれれば笠原の役割としては十分だ。
現役ドラフトで交換トレードの形になった細川が、中日で開幕スタメンに向けて結果を残している。DeNAでも、離脱した大貫の代わりに笠原が開幕ローテーション入りの可能性を秘める。現役ドラフト1年目で良い成果があったとなるように、残り数回の登板も結果を残し、久しぶりにローテーションに入って開幕を迎えたい。
2番手の橋本は、こちらもオープン戦初登板。先頭の阿部をインサイド低めのストレートで詰まらせ、セカンドゴロに取ると、フランコはフォークで見逃し三振。浅村には意識してしまったのか、ストライクが入らず歩かせたが、島内からフォークで空振り三振を奪った。まだ課題はあるのだろうが、武器のフォークで島内から空振りを取ったことは自信になるはず。今後も登板を重ね、アピールして欲しい。
3番手の石川は、7回にピンチを招いたが、辰己からストレート3球で三振を奪って切り抜けた。8回も続投し、ヒットの走者をバントで送られたところで森原にスイッチ。森原は古巣相手で、長年ともに戦った島内からフォークで空振り三振を奪った。
9回は入江が登板。2アウトから代打の渡辺佳にヒットを打たれ、1、3塁のピンチ。しかし、辰己をフォークで空振り三振に取り、完封リレーを完成させた。今年も投手陣頼みになるのかなという印象の試合だった。
打線はあまり良いところがないが、初回に林が則本の初球、甘く入ったストレートを捉えて、センターへライナーで運ぶヒットを放った積極的が目立った。盗塁にチャレンジしたが、安田の送球が完璧で刺された。開幕したら簡単には走れないだけに、オープン戦のうちにチャレンジし、何が足りないのか身をもって感じることも必要だろう。盗塁ができるだけの脚力はあるので、あとは技術を身に付ける必要がある。
この試合から1軍に合流した楠本はヒット1本だったが、最初の打席でのセンターフライも、則本のストレートを良い形で捉えており、開幕スタメンに向けて良い準備ができているのではないか。
土のグラウンドだったが、記録上のエラーはなく、森林二遊間にファースト大和という布陣だったが、大和の好守もあったし、守備は良かったと思う。
ヤジ [Bad]
弓削の1イニングを挟んで、則本と瀧中が4イニングずつ。瀧中は良かったし、則本のような好投手はそう簡単に打てない。それでも、開幕1軍を狙おうというのであれば、こういった投手も打たなければ1軍に定着はできない。限られた機会で即結果を出すことは並大抵のことではないが、それが出来なければ道も開けない。
この日は途中出場で1打席だった小深田、上甲も残り2試合で、爪跡を残したいところだ。開幕が近づくにつれて、主力選手に与える打席が多くなって行く。しかし、今季に関しては牧とソトがWBC出場によりオープン戦にほとんど出場しない。決勝まで駒を進めれば、最後の2試合くらいだろう。そのため、控えや1軍ボーダーの選手に機会が恵まれる。何とかその機会をチャンスに変え、新しい力が出て来て欲しい。
キジ [Other]
最近は毎年恒例となってきている、オープン戦での楽天主催の静岡草薙球場。かつてのキャンプ地であり、毎年のようにホームゲームが行われて来た球場だが、なかなか勝つことができていなかった。オープン戦とは言え、静岡のファンが来場した中で勝利を飾れたことは良かったと思う。
投手陣の好投があったが、1-0のスコアで見所は少なかったかも知れない。平日に昼間に開催されたので、じっくり見られていないのもあるが、書くポイントもないので、ファームの方を少し。
この日は、横須賀スタジアムで1軍と同じく楽天戦。濵口が先発し、スタメンマスクは戸柱。1軍のオープン戦だけでは先発投手の調整が足りないこともあり、教育リーグも使った形。濵口は初回に3安打されたが、牽制で西川を誘い出して刺した。しかし、併殺崩れでショートからの送球を濵口が捕球できず、1点を失った。
だが、2回以降はボールも適度にまとまり、力のあるストレートを中心として打者のタイミングを外した。3回に2アウト2塁から茂木にレフト前ヒットを打たれたが、浅く守っていた梶原がホームへダイレクト返球でアウトにした。5回を投げて69球、無四球と北谷での制球難を修正して来た。
ファームでの登板ではあったが、楽天のオーダーには、西川、茂木、銀次、岡島と1軍での実績がある打者が並んでいた。無四球という点も含め、ローテーション入りに近づいたと言えるだろう。来週も1軍は火、水の2連戦で、教育リーグも同じく2試合となっており、先発候補の誰かが教育リーグに回る可能性が高い。
そして、この日からファームへ合流となったドラフト1位の松尾は、DHでスタメン出場。7回の3打席目に、待望の初ヒットを放った。
球団のYou Tube公式チャンネルでも、ハイライトのタイトルを松尾のプロ初安打にしている。引地のストレートをきっちりと捉え、速い打球がレフトへ抜けて行く、クリーンヒット。最優先事項である1軍選手の調整との兼ね合いで、なかなかキャッチャーでのスタメン出場は機会が限られるが、今後はマスクを被る機会も増えて来そうなので、攻守に活躍を見せて欲しい。
育成の渡辺明貴が4番手として登板。初めて投球を見たが、自分と同じ188cmだが105kgの体格で、非常に大きく見えた。角度のあるストレートは武器になりそう。この日は、2アウトからコントロールを乱し、2者連続四球。フォークが浮いたところで大河原に3ランを打たれてしまった。課題はあるが、面白い存在と思った。
9回に投げた中川は、手術の影響を感じさせることなく、150キロ以上のストレートで押していた。フォークだけでなくカーブも投げていたので、変化球の精度と勝負球のコントロールが付いて来れば、1軍で活躍が期待できそうだ。高卒の投手が誰も出て来ないので、何とか一本立ちさせたいところ。
8日も1軍は静岡でオープン戦、ファームは日本ハムに相手が変わって、横須賀での教育リーグ。両方とも注目して行きたい。WBCの開幕も迫って来て、夜も含めて野球漬けの日々になってきている。
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