横浜DeNAベイスターズは、5月9日に新潟での読売戦に敗れると、先発投手が4失点以上を許してゲームを作れない展開が続いて5連敗。4月23日から守って来た首位を阪神に明け渡した。4月は先発投手の安定が原動力となって貯金9を作り、5月に入ってバウアーが合流。さらに先発投手が強力になると思われた中で、思わぬ形での5連敗となった。バウアーの合流で先発投手の間隔が空いたことが原因とする声もあるが、本当にそうだろうか。
バウアーの合流前から不定期の先発
開幕ローテーションは石田、ガゼルマン、笠原、濵口、平良、東の6人でスタートした、今年のベイスターズ。ここへWBCに出場した今永、ケガから復帰の大貫、注目のバウアーがどのタイミングで入って来るのか注目された。
始まってみると、平良は先発登板の翌日に登録抹消となり、再登録が可能となる10日後に再び登録されて先発する「投げ抹消」の形で中10日の先発。それ以外の投手は基本的には中6日という方針だったと思うが、4月前半に2試合の雨天中止があり、さらに5試合の週が2週続いていたことで、先発投手の間隔が空く形になった。
以下がここまでの曜日ごとの先発投手。
週 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
1 | – | – | – | 石田 | ガゼルマン | 笠原 |
2 | 濵口 | 平良 | 東 | [中止] | ガゼルマン | 石田 |
3 | 濵口 | 東 | – | ガゼルマン | [中止] | 平良 |
4 | 石田 | 濵口 | – | 今永 | 大貫 | 東 |
5 | ガゼルマン | 石田 | 平良 | 今永 | 大貫 | 東 |
6 | ガゼルマン | バウアー | 石田 | 今永 | 濵口 | [中止] |
7 | バウアー | – | 東 | 今永 | ガゼルマン | 平良 |
8 | バウアー |
平良の最初の登板を水曜の先発にしたのは、投げ抹消で翌週の日曜に登板させる為。翌週に東を中5日で先発させ、今度は東も投げ抹消で翌週の日曜に持って行った。平良はトミージョン手術から復帰が考慮されていると思うが、東についてはローテーション編成上の都合で一度投げ抹消となっただけで、昨年開幕投手も務めているので、中10日という縛りは当初から考えていなかったと思う。
笠原は、最初の登板で結果を残せず、翌週は雨天中止の影響で名誉挽回のチャンスを逸し、ファームで再調整となっている。濵口は、石田が雨天中止の影響でズレたこともあり、地元の佐賀で先発するために水曜日に変わったが、3戦3敗でローテーションを外れた。
こうして見れば分かるが、雨天中止と5試合の週があったことで、バウアーが加わる前から登板間隔はバラバラだった。むしろ中6日以下で回ったケースの方が少ない。それでも4月は先発投手が素晴らしい数字を残した。
さらに、しっかりと中6日で回っている今永も直近の2試合は打ち込まれているので、「バウアーを優先した為、先発投手の登板間隔が空いたことが5連敗の原因」というのは誤った認識。バウアーの合流とちょうどチームの調子が落ちて来たところが、偶然クロスしたというだけに過ぎない。先発が試合を作れないことが続いているのは他に原因があるはずだ。
バウアーは、MLBでも中3日を提唱していたし、中4日に慣れていると言っているが、中5日、中6日の経験もあるし問題ないと言っている。最初の登板が、ファームでの最後の登板から中4日だった印象が強く、スポーツ紙も中4日で回ると予想して書いていた部分があるが、チームとして最初からそういう計画だったのかさえ分からない。
新潟で打たれたことや5月7日が中止になった影響もあったかも知れないが、今週はバウアーを中4日では先発させず、平良を日曜に先発させている。今週から交流戦の終わりまで6連戦が5週続く。雨天中止などでまた変わって来るだろうが、バウアーの調子が上がって来た場合は中4日もありうる。どう運用するか注目したい。
今週は6人を中6日で回す?
5月の1週目は、日曜のヤクルト戦が雨天中止となったので、6連戦は4月25日からの週以来、3週ぶりとなる。週末はやや天気予報が悪いが、今のところ試合が中止になるような雨の予報ではない。
これまで先発した後は必ず登録抹消となり、登板間隔を空けてきた平良だが、この日は登録抹消とならなかった。これで先週先発した5人はいずれも出場選手登録されたままという状態。残る先発は石田と大貫だが、大貫はファームで13日に先発している。先週の水曜に試合がなかったことを考えると、そこへ石田が入るのが妥当だろう。
日 | 曜 | 相手 | 球場 | 先発 |
16 | 火 | 広島 | 横浜 | バウアー |
17 | 水 | 広島 | 横浜 | 石田 |
18 | 木 | 広島 | 横浜 | 東 |
19 | 金 | ヤクルト | 横浜 | 今永 |
20 | 土 | ヤクルト | 横浜 | ガゼルマン |
21 | 日 | ヤクルト | 横浜 | バウアー |
23 | 火 | 読売 | 東京D | 平良 |
24 | 水 | 読売 | 東京D | 石田 |
25 | 木 | 読売 | 東京D | 東 |
26 | 金 | 中日 | バンテリン | バウアー |
27 | 土 | 中日 | バンテリン | 今永 |
28 | 日 | 中日 | バンテリン | ガゼルマン |
16日は予告先発でバウアーと発表されているが、次の登板は中4日で21日になるかどうか。普通に全員が中6日で回る可能性の方が高いと思うが、それだと表にするまでもないので、少し攻めた予想を書いてみた。
平良は登録を外れていないが、23日の読売戦に回る可能性もある。投げ抹消ではないが、中8日での先発というのも考えられる。そうなるかどうかも、バウアーが16日にどれだけの投球を見せるか次第だと思う。
また、大貫は今週の登板がなさそうだが、今週先発する6人で結果が出ない投手がいれば、入れ替えになる可能性がある。この1週間で全員が打ち込まれているので、今週も結果が出なければ続けてということになるので、再調整となるだろう。
当初からベイスターズが勝って行くには先発投手の安定は不可欠で、そこがストロングポイントになると思っていた。今週すぐに先週の反省を生かせるわけではないと思うが、先発がしっかりとQS、HQSをマークして行くことが安定した戦いに繋がる。バウアーが先陣を切ってくれることを期待したい。
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