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2023年ベイスターズ 10大ニュース

早いもので2023年も大晦日。昨年は流行語というワードで1年を振り返ったが、今回は例年に戻して10大ニュースで振り返ってみる。2023年のベイスターズもさまざまなことがあったが、読者の皆さんの10大ニュースは何だろうか。独断のランキングでカウントダウンして行くが、皆さんの意見との差を楽しんでもらえればと思う。

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10位 石田、戸柱が残留「横浜で優勝」

2023年新たに国内FA権を取得した柴田、西浦は残留が決定。今永はポスティングでのMLB移籍を検討することになった。残る石田と戸柱は熟考に入った。

先に結論を出したのは戸柱。FAの締切直前にSNSで宣言せずに残留することを表明した。12月11日の契約更改では、4年契約を結んだ。その後、残留を決断するまでに深い悩みがあったことを吐露していた。

戸柱自身、2023年は前半にバッティングで大きな存在感を示したが、後半は山本の成長で出場機会が大きく減ってしまった。FAで他球団の評価を聞き、チャンスがあればスタメンで出場できる機会を得たいという思いもあっただろう。

選手としてさらなる成長、活躍をしたい思いと、今のチームメイトと優勝したいという思いの中で揺れ、最終的にはファンの残留を望む声も届き、自分が何をしたいのかが明確になったようだ。夢にまで出てきたという深い悩みは当然だろう。人生の中でも大きな決断だったと思う。

石田は逆に、期限最終日にFAを行使。他球団の評価を聞くことを選んだ。傍から見たら、2022年よりも成績を残せなかったので、今年FAを行使するのは得策ではないように思えた。

実際、FAでは同じCランクながら2桁勝利を挙げたオリックスの山﨑福に人気が集中。5球団が獲得に乗り出す中、石田にはどの球団からもオファーがないまま時間が過ぎた。山﨑福が日本ハムに決まると、ようやく11月29日にヤクルトと交渉。好条件を提示された。

残留かヤクルト移籍か、いつ結論が出るのかとファンをヤキモキさせながら2週間余りが経過した。ヤクルト以外からのオファーは報じられていなかったが、DeNA以外からの条件提示に戸柱同様、深く悩んだようだが、最終的に他のチームで優勝を経験することよりも、長らく優勝していない横浜で優勝したいという思いが残留の決意に至った。

石田、戸柱ともに4年契約。山崎、宮崎も含めて、ラミレス監督時代からAクラスへ押し上げて来た中心選手たちが、この4年間ベテランとしてしっかりとチームを支える。その間に若手の台頭を絡めて、リーグ優勝という悲願に辿り着きたい。

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9位 エスコバー、ソトが退団

石田、戸柱が残留した一方で、同じラミレス監督時代から中心で活躍して来たエスコバー、ソトの両外国人が退団ということになった。二人はこれまでの活躍から年俸も大きく上がって複数年契約を結んでいたが、2023年オフで契約切れとなった。

エスコバーはシーズン序盤は不振に苦しみ、ファームでの調整となった。6月11日に復帰し、時折かつてのような素晴らしいリリーフを見せたが、以前のように勝ちパターンで使われることがないままシーズンが終了した。DeNAへシーズン途中で移籍した2017年の41試合を下回り、来日最低の登板数となり、防御率4.55、WHIP1.39はいずれもDeNA移籍後は最低の数字。

ソトは開幕から調子が上がらず、好調なチームの中で4月は1割台でホームランなし。5月に4ホームランし、調子を戻したが、爆発的な活躍はなく、数字は低調なままだった。シーズン途中で骨折をしており、終了後に左足の手術を受けた。

プレーにも影響はあったかも知れないが、2年連続ホームラン王に輝いた後は、数字が右肩下がりになっている。12球団の外国人野手で成績を残せる選手が大幅に減っている中ではあるが、14本塁打は寂しい。得点圏での成績は良くなり、打点は2022年を上回っているが、長打率は最低の数字となった。

いずれも年俸が高額であるため、そのままの契約延長は難しく、一度自由契約にした上で残留交渉を継続という形になった。エスコバーは、DeNAからの提示に納得せず、NPB他球団の評価を求め、10月末にウエイバー公示を行ったが、獲得するチームはなく、11月6日に自由契約となった。

エスコバーは、MLBカブスとマイナー契約を結んだと報じられている。NPBでベイスターズ以外のユニフォームを着る気はなかったのか、ベイスターズを上回るオファーはなかったのか分からないが、2024年はMLBへの復帰を模索する。

ソトは、手術を受けたばかりなので、年明けにケガの回復状況を見ながらベイスターズと再契約もあるかと思っていたが、ロッテがオファーし、移籍が決定した。現状を考えると数字はさらに右肩下がりするようにも思えるが、移籍が何かのキッカケになるかも知れないし、そう考えているファンを見返す活躍をして欲しい。

二人ともこの数年のベイスターズを支えてくれた功労者でもあり、横浜を愛し、横浜に愛された選手たち。彼らの現役が少しでも長く続くことを願いつつ、またいつかベイスターズと関わる日が来て欲しいと思う。

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8位 CSファーストステージは連敗で敗退

交流戦明け、ハマスタでの阪神3連戦に3連勝し、首位に立った。まだ半分以上を残した状況ではあったが、1998年以来となる貯金12をマークし、阪神や広島との優勝争いが続いて行くという期待があった。しかし、7月は記録的な貧打で後退。

7月15日からのオールスター前最後の3連戦では、広島にハマスタで3連敗。しかも、今永、東、バウアーの三本柱を立てながら、貧打に加えて守備のミスを連発しての惨敗だった。これで3位に転落して折り返すことになった。

8月は阪神がハイペースで白星を重ねる中、付いて行けなかった。広島との2位争いとなるが、最終戦に勝てば2位が決まるところで0-1での敗戦。最後まで打線が足を引っ張り、CSファーストステージは敵地のマツダで迎えることになった。

広島はCSが始まった2006年以降、初めての2位。ファーストステージがマツダで行われるのは初めてだった。ファーストステージでは、2016年のDeNA以来、2位の敗退が続いていた。

DeNAは東、今永を立てて連勝を狙った。初戦、宮崎の2ランで2点を先行するも、東が8回に追い付かれ、11回にサヨナラ負け。12安打しながらホームランの2点に留まったのが痛かった。2戦目は、逆に7回に2点差を追い付く展開だったが、8回に守備の乱れも絡んで2失点し、接戦を落として連敗。

接戦となったが、シーズンを象徴するような、あと1点が取れない打線、守備のミスが出ての失点という形で試合を落とし、なるべくしてなったという敗退だった。3戦目には、ケガから復帰のバウアーが控えていたが、彼の復帰の舞台すら作ることができず、非常に情けない思いを味わった。

2022年は2位、2023年も3位には終わったが貯金12もマークした。力がないわけではないが、重要な場面での1点を取る、防ぐ野球はまだまだレベルが低い。優勝争いをするチームになるにはまだ課題が多いが、三浦監督4年目で野球の質を進化させられるか。

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7位 開幕4連敗からの快進撃で4月貯金10

2022年に横浜反撃で2位に浮上。さらに3月14日にはバウアーの獲得を発表し、開幕前の下馬評は低くなかった。しかし、WBCで世界一となり、決勝で先発した今永は開幕不在、牧はぶっつけ本番となった。大貫もオープン戦中のケガで出遅れた。

開幕投手は3度目の経験を買って石田。開幕カードはガゼルマン、笠原を含めた3人で臨んだ。阪神の開幕投手は青柳で、2022年に対戦した時も対策として、苦手としている宮崎、ソトを外すオーダーを組んでいたが、開幕戦でもそれを実行した。しかし、石田が先に3点を失う展開となり、不発に終わった。

開幕戦を落としたDeNAは、2戦目の初回にソトの2点打などで4点を先制。初勝利に向けて好スタートを切ったが、その裏にガゼルマンが3点を失って流れに乗れず。2回に宮崎のソロで1点を追加するも、その後は阪神のリリーフを相手に得点を奪えず。5回に追い付かれると試合は延長戦へ。12回裏に登板した山崎が2アウトから満塁のピンチを招き、近本にサヨナラ打を許した。

3戦目は現役ドラフトで移籍し、オープン戦では結果を残した笠原を先発に送ったが、3回3失点で降板。打線は才木に6回まで無得点に封じられ、終盤に2点を返すのがやっとで、開幕カード3連敗。現役時代に開幕投手で9戦9敗の三浦監督は、監督としても3年間で開幕カードの勝利がない。

ハマスタ開幕戦でも先発の濵口が早々にKOされると、リリーフ陣も追加点を許す。打線は戸郷に封じられてゼロが並び、0-9の大敗で開幕4連敗の厳しいスタートとなった。

しかし、4月5日はトミージョン手術から復帰した平良がハマスタで888日ぶりの勝利を挙げ、連敗を止めると、翌日は東が7回無失点の好投で連勝。週末の中日戦は、京セラドームで悔しい思いをしたガゼルマン、石田が好投。連勝を4まで伸ばし、一気に5割へ復帰した。

翌週も火曜こそ濵口で落としたが、東、ガゼルマン、平良、石田の先発投手が役割を果たして2度目の4連勝で貯金を作った。4月23日からは今季初の7連勝。先発投手がしっかりと試合を作り、宮崎、関根を中心とした好調な打者が援護する形ができていた。

平良の復帰、そして東が0点台の防御率で4戦3勝と活躍したことが大きかった。打線でも宮崎が異常なまでのハイアベレージをマーク。関根がブレイクし、攻守に渡る活躍でチームを牽引した。

開幕不在だった今永と大貫は4月後半にようやく今季初登板。そして3月に来日したバウアーは5月のデビューを予定していた。既に2桁目前の貯金を作っている状況で、さらに3人がこれから実力を発揮すれば、どこまで走って行くのかとベイスターズファンを大いに期待させる滑り出しだった。

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6位 宮崎が4割超をキープ、6年ぶり首位打者

青柳対策で開幕スタメンを外れた宮崎だったが、6回に代打で登場すると反撃のタイムリー。そのままサードに入り、8回にも2点タイムリーを放った。好スタートを切ると、4月はヒットを量産。.426というハイアベレージをマークし、OPSは1.245という数字を残した。3、4月の月間MVPに選ばれた宮崎は、早くも2017年以来となる首位打者の期待が高まった。

4割超えのハイアベレージは5月に入っても続いた。右打者で足は遅い方である宮崎がこの打率を維持することは、いかにバットコントロールが優れているかを示していた。首脳陣も連戦が続いた場合は、ベンチスタートとする日を作るなど、宮崎の高いパフォーマンスが維持できるように配慮した。

だが、さすがに4割を維持するのは並大抵のことではない。5月25日の読売戦は3打数ノーヒットで、打率.402となり、翌26日は2打席目にヒットを放ったが、連続三振で4打数1安打。打率.397となって4割を切った。5月は前半に打っていたこともあり月間.347の高打率を維持。6月も.318と安定感を見せた。

しかし、7月は.214と宮崎らしくない数字に落ち込んだ。開幕からの疲れも出て来る時期ではあったが、宮崎以外もほぼ全ての選手が不調に陥り、7月のチーム打率は.208。22試合で54得点という惨状だった。

7月の低調を脱した宮崎は、8月に.333と戻すと、9月は.294と僅かに3割を切ったが安定したバッティングを最後まで見せた。打率.326は2017年を上回るキャリアハイ。20本塁打も2018年以来2度目、打点も2021年の73に次ぐ71をマークし、キャリアハイのシーズンだったと言っていい。

2022年から6年契約を結び、生涯横浜を宣言した宮崎は、しっかりと数字を残している。過去のFOR REALなどを見れば分かるが、宮崎は周りが止めても試合を休むことを嫌う選手。なかなかレギュラーが獲れなかったので、ライバルにチャンスを与えたくない思いが強いのだろう。

だが、6年契約を結び、ベテランの域に入って来たことで、監督やコーチが宮崎を休ませるという配慮に応じ、良いパフォーマンスを維持できている。全試合に出たいという思いは当然あるだろうが、チームのためになる形で貢献してくれている。宮崎にとって、あとはもうリーグ優勝を経験するだけ。宮崎らしくチームを導き、悲願を果たしてもらいたい。

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5位 牧が打点王に!WBC優勝からアジア頂点まで

ルーキーイヤーにして歴史的な数字を残した牧秀悟。2023年はWBCに選出され、春季キャンプ途中で侍JAPANへ合流。ダルビッシュ、大谷らメジャーリーガーが並ぶメンバーの中でも、ベイスターズと同じようにムードメーカーの役割を果たしつつ、東京ドームラウンドではホームランを2本放ち、チームに貢献した。

アメリカラウンドでは結果を残すことができなかったが、侍JAPAN全員で14年ぶりの世界一を勝ち取った。世間には「踊っている選手」と認識されつつも人気を集めた。

WBC決勝を終えて帰国し、オープン戦には出場せずに開幕戦を迎えた。開幕カードでは1安打に終わり、チームの開幕3連敗の要因になってしまった。ハマスタに戻って3安打したが、牧本来のバッティングがなかなか戻らなかった。貯金10をマークしたチームの中で、打率.235と物足りない数字だった。

5月に入ると数字は上向き、打率.304、7本塁打をマーク。6月も打率.319で、チームの交流戦優勝、首位浮上へ貢献した。しかし、7月はチーム全体で攻撃面が低迷する中、自身も打率.253と落ち込み、打点11は、月別で最少だった。

オールスターに出場し、WBCで戦った仲間との再会を果たした。8月に入ると復調し、ここぞの場面での一発でチームに貢献した。打率.362、7本塁打、26打点という素晴らしい数字も残して月間MVPを獲得した。

9月には両リーグで唯一100打点を超え、牧が重視していた打点王が近づいた。9月20日に29号を放ち、3割、30本、100打点という一流スラッガーの数字も見えて来た。しかし、ここからホームランはなく、30発はお預けとなった。

打率は2年ぶりとなる3割までは届かなかったが、.293と前年を上回り、最多安打のタイトルも手にした。大卒3年目の選手として文句ない成績は残したが、チームの中心選手としてはやはり3位に終わり、CSも連敗で敗退というのは、責任を感じる部分もあると思う。

シーズン終了後は、新たに日本代表の監督に就任した井端監督に選出され、アジアプロ野球チャンピオンシップに出場。WBCとは異なり、若手の次期侍候補が多く選出されている大会で、WBC2023に出場した唯一の選手として、中心を担った。

4試合中3試合で4番を務め、打棒が爆発とは行かなかったが、決勝の韓国戦でホームランを放つなど、存在感を見せた。ここでも優勝し、井端新監督の初陣でアジアNo.1に貢献した。

若いし体力のある選手なので大きな心配はしていないが、WBCのために早めに仕上げ、11月の日本代表の試合まで、長いシーズンになった。2024年からはキャプテンに就任することも発表されているが、チームの中心として常にスタメンにその名前があるように、疲れはしっかり取って、来春のキャンプからチームを引っ張って欲しい。

何度か書いたが、牧はこんなもんじゃないと思っている。重責だとは思うが、それだけの期待に応えられる選手だと思う。この3年間は素晴らしい活躍だったことは間違いないが、WBCでのここ一番で結果を残せたわけではないし、ベイスターズの4番としてもチームの順位を左右する場面で打てていない。

やはり4番なので、勝負と関係ない場面で稼いだ打点ではなく、チームを勝利に導く一打を見せて欲しい。4年目の牧秀悟がさらなる進化を遂げ、チームを引き上げてくれることを期待している。

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4位 今永が最多奪三振、ポスティングでMLBへ

牧と同じくWBCに選出され、早めの仕上げ。東京ドームラウンドでは2戦目でダルビッシュの後を受けて登板。3イニングを1点に抑え、逆転したチームの流れを渡さなかった。準々決勝のイタリア戦で1イニングのリリーフ登板を挟み、WBC決勝の先発投手に抜擢された。

世界中の野球ファンが注目する、アメリカと日本の決勝。その先発という大役を担った今永は、この大会で絶好調のターナーに一発を浴びたが、2三振を奪って2イニングを投げ切った。味方の援護もあり、「WBC決勝の勝利投手」ということになった。

帰国後は、ボールの違いだけではなく、WBCのために少しフォームも変更していたことを明かし、他のWBCに出場した選手が続々と公式戦に復帰して行く中、今永は短いイニングからファームで登板を重ねた。

4月21日に、満を持して今季初登板。8回無失点の好投で1点を守り抜き、2023年初勝利。続く28日も、味方のリードは1点しかなかったが、7回無失点で連勝。さすがWBC決勝の先発投手という投球を見せてくれた。

しかし、5月は防御率5.04と苦しみ、1勝1敗に終わった。6月に1.17、7月に0.78の防御率をマークしたが、打線との噛み合わせもあって2勝ずつ。

8月に入り、マツダでの広島戦でアクシデントが発生。左ふくらはぎがつってしまい、緊急降板となった。この影響なのか、8月は打ち込まれる試合が続き、故障も心配された。防御率5.27で0勝2敗という数字に終わり、チームが優勝争いから脱落する要因の一つになってしまった。

9月は投球内容自体は持ち直したが、今永に勝利が付くことはなく、7勝4敗でシーズンを終えた。しかし、規定投球回数はクリアし、防御率2.80で10位にランクイン。そして、自身初のタイトルとなる最多奪三振を獲得した。

今永としては、特に終盤は消化不良のシーズンになってしまったかも知れないが、エースとしてチームをしっかり引っ張って来てくれたと思う。

以前から球団に要望していた通り、ポスティングによるMLB移籍を決断した。2023年末の時点ではまだ移籍先は決まっていないが、WBCでの投球も評価され、非常に大きな契約ができそうな状況。チームとしては、エース今永がいなくなってしまうのは非常に痛いが、今永が活躍することが勇気にもなる。

大型契約で、チームに移籍金をもたらしてくれるはずなので、すぐには難しくても有効活用し、今永がいなくなって弱くなったということがないようにして行きたい。

2024年の今永が、MLBでどんな投球を見せるか非常に楽しみだ。

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3位 「祐大のおかげ」で最優秀バッテリー賞

東は2022年、トミージョン手術から復帰して2年目で、今永の離脱もあって開幕投手を任された。しかし、5連敗でファームでの再調整を余儀なくされた。6月に1勝は挙げたが、後半はファーム暮らしになった。

2023年はA班の宜野湾キャンプに参加したが、キャンプ中の練習試合で打ち込まれ、東はこのまま終わってしまうのではないかという心配もあった。その浦添でヤクルトの若手野手たちに打ち込まれたところで、東は自分自身を変える決断をしていた。

トミージョン手術から復帰すると、トレーニングなどの影響もあって球速が上がる傾向があった。今永のようなストレートで押せる投手を目指していたが、東は自分に合った投球に変える手段として、肘を少し下げることを選んだ。

ルーキーイヤーは150キロのストレートを投げていたが、このフォーム変更で150キロには届かない数字になった。それでも、コントロール良くコーナーに決まる、キレのあるストレートに、2種類のチェンジアップとスライダー、カーブといったレベルの高い変化球を交えることで、打者の狙いを外し、翻弄することができた。

一方、山本は三浦監督1年目となった2021年は51試合に出場し、伊藤光、戸柱、嶺井に続く捕手として期待が集まった。しかし、2022年は嶺井がチャンスを掴み、山本はバッティングで結果が出ずに出番を減らした。強肩やリードには定評があったので、バッティングで成長できればチャンスがあるという状況だった。

2023年は嶺井がFAでソフトバンクへ移籍した。高卒のドラフト1位ルーキー松尾が加わり、益子や東妻の存在もあったが、まずは伊藤光、戸柱に次ぐポジションを確立する必要があった。オープン戦でも結果を残し、開幕1軍メンバーに入った。

オープン戦の最後の登板で、東と山本がバッテリーを組み、6回無失点と結果を残して開幕ローテーションに滑り込んだ。その流れで、チームの開幕6試合目で東と山本のバッテリーが実現した。この試合でも7回無失点という好投。結果を残したことで、山本にとっても東が先発する試合はスタメンでの出番を得た。

4月は東と山本のバッテリーで4戦3勝、防御率0.64をマークした。その成績と肩が評価され、足を使った攻撃に悩まされるバウアーと、5月16日に1試合だけバッテリーも組んだ。しかし、2回で7失点と結果は出なかったが、バッティングでは2年ぶりのホームランを放ち、打数は少ないが3割台の打率を維持した。

5月はチーム全体で投手陣が苦しんだが、6月には復調。東は3勝を挙げる活躍を見せ、次第に山本とのバッテリーが評価されるようになる。そして7月2日、ヒーローインタビューに上がった東が、8勝目は「祐大のおかげです」とコメントすると、ベンチで見ていた山本を呼び寄せた。

ここから東が事あるごとに「祐大のおかげです」と言い、ヒーローインタビューも途中で呼ばれるパターンがお約束となった。東は山本とのバッテリーで勝利を重ね続け、ルーキーイヤー以来の2桁勝利に到達。さらに自己新の12勝、そしてチームでは21世紀初の15勝と記録を更新して行った。

いつしか、東も山本も「最優秀バッテリー賞」を獲りたいと口にするようになっていた。最終的には16勝3敗という素晴らしい数字で最多勝を獲得。沢村賞は山本由伸になったが、セ・リーグではダントツの先発投手となった。

そうなれば、全試合でバッテリーを組み、最多勝投手がその貢献を認めているキャッチャーとの最優秀バッテリー賞は必然だった。念願の賞を二人で受賞し、オフも二人でさまざまなところに登場した。

東にとっても2年続けて活躍することが重要。そして、山本は後ろに松尾が控える中で、1軍を経験してレギュラーを獲るチャンスは多くない。二人とも2024年が重要なシーズンになって来る。それは二人とも分かっているはず。2024年も「祐大のおかげです」というシーンが何度となく見られることを期待している。

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2位 最後は自力で決められずも交流戦初優勝

4月は16勝6敗で首位に立ったが、5月は投手陣が崩れて陥落。5月は快進撃を見せた阪神に次ぐ2位で交流戦に突入することになった。

交流戦開幕は、楽天モバイルでの楽天戦。直前に右肘手術のリハビリから復帰していたオースティンをDHとしてスタメン起用し、先発には今永を立てた。オースティンは代打では全く結果が出ていなかったが、初戦で3安打と活躍。今永は浅村に2発を浴びたが完投勝利を挙げた。

仙台で2勝1敗と勝ち越してハマスタへ戻り、GET THE FLAG SERIES 2023。ボビー・ローズが来日し、1998年当時のホームユニフォームを復刻して戦った。初戦は雨天中止となり、土曜はバウアーが2勝目を挙げる活躍もあって快勝。2戦目は0-4と敗色濃厚の8回、一気に5点を奪って逆転勝ち。

2カード連続で勝ち越しと好スタートを切ったが、鬼門のPayPayドームでのソフトバンク戦は苦しい戦いになった。今永が8回1失点の好投を見せたが、有原から1点を奪って追い付くのがやっと。9回にサヨナラ負けを喫した。2戦目も東浜を打てずに完封負け。

3連敗は避けたい3戦目は、オフにDeNAへ移籍することとなった森唯斗を攻略し、3回までに5得点。しかし、その後は追加点が取れず、少しずつ詰め寄られる。9回、2点リードで山崎が登板するが、栗原のタイムリーで1点差となり、なおもノーアウト1、3塁と絶体絶命のピンチ。盗塁で2、3塁となり、逆転サヨナラ負けも覚悟した。

しかし、ここで谷川原を内野ゴロでホームを封殺すると、野村勇からは三振を奪って2アウト。再び盗塁で2、3塁となるが、中村晃をショートゴロに打ち取り、何とか逃げ切った。ここで逆転され3連敗していたら、交流戦優勝はなかっただろう。一番大きな試合だった。

1つ勝ってホッとしたのも束の間、続いてパ・リーグ2連覇中のオリックスと、苦手の京セラドームでの対戦。しかも初戦は防御率0点台の山下との対戦で、苦戦が予想された。しかし、前週に1か月ぶりに勝ったバウアーが本来の力を発揮し、9奪三振の好投で3勝目を挙げた。2戦目は落としたが、3戦目で宮城から2回までに7点を奪うという予想外の展開で、勝ち越して横浜へ戻った。

ハマスタでの日本ハム戦は、初戦を今永の好投で取ると、2戦目は好投手の加藤貴とバウアーの投げ合い。ソトのタイムリーで挙げた2点をバウアーが守り抜き、来日初の完投勝利。3戦目は雨の中でプレーボールがかかり、牧の3ランで先制したが、東が3失点で同点とされた。2回を終わったところで雨が強くなり、ノーゲームとなった。

東にとってはコンディションが悪い中でらしくない投球で、助かった面が強いだろうが、牧にとってはこの1本が消えたことで、結果的には30発に届かなかった。3-3の同点ではあったが、勢いとしては最後までできていれば勝っていたかも知れない。このノーゲームとなった試合が19日の予備日に組まれ、ドラマが生まれる。

最終カードのロッテ戦は、初戦で濵口が久しぶりに先発。交流戦での相性の良さを買われたが、初回から3失点し、4敗目を喫した。しかし、2戦目はカスティーヨから3回に6点を奪う猛攻を見せ、10-1と大勝。さらに3戦目は、佐々木朗希から宮崎がライトポール際に2ランを放つなど4得点を挙げるなど、6-1で連勝。3チーム以上が勝敗が並んだ場合のTQBでも優位に立った。

自力で交流戦優勝を決めるチャンスがあった読売が連敗し、19日の日本ハム戦に勝てばDeNAが初優勝するというシチュエーションになった。いわゆるマジック1。

直前に急遽組まれた月曜のナイターだったが、19日のハマスタには32,056人が詰めかけた。管理人も現地だったが、この日の声援はCSよりも凄い、1998年以来の声援だったと思う。秋に優勝争いをすれば、この雰囲気の中で戦うことができると実感し、少し鳥肌が立つような思いだった。

DeNAは、今永を中5日で持って来なかった。木曜に2イニングを投げてノーゲームとなった東も、交流戦明けの阪神戦に回し、リリーフで活躍していた上茶谷を先発させ、ブルペンデーで臨んだ。

上茶谷は素晴らしい投球で4イニングを無失点に抑え、役目を終えたが、1週間前は攻略した上原から得点が奪えない。5回、代わった三嶋がハンソンに先制ソロを許し、さらにノーアウト満塁のピンチを招く。ここで代わった森原が、セカンドライナーと三振で完璧な火消し。これで流れが変わり、6回に大和のタイムリーで同点に追い付くと、7回に佐野の2点タイムリーで勝ち越し。いよいよ交流戦優勝というムードでハマスタは大きく盛り上がった。

8回、伊勢がノーアウト満塁からマルティネスに同点タイムリーを打たれてしまう。なおもノーアウト1、3塁という場面で、エスコバーが登板し、内野フライ2つと三振で完璧な火消し。森原に続いてエスコバーもチームを救った。

8回裏の満塁のチャンスを逸し、試合は延長戦へ。山崎が10回に登板するも、一発だけを警戒すべき万波に勝ち越しホームランを打たれ、1点差での敗戦。引き分けても交流戦優勝が決まる試合で、自力で決めることができなかった。

しかし、TQBの計算上では1点差の負けであれば、ソフトバンクを上回れるというギリギリの負け方。楽天が残り2試合を連勝し合計で29点差を付けなければ、DeNAが優勝するという状況になった。翌20日楽天が敗れた為、DeNAの球団初となる交流戦優勝が決定した。

最後は自力で決められずに締まらなかったが、かつては3年連続で6勝18敗という全く同じ勝敗で最下位になるなど、一番交流戦で負けて来たチームが、ついに歓喜の時間を迎えた。残念ながらリーグ優勝に繋げることもできなかったが、次はスッキリと交流戦優勝を決め、悲願にリーグ優勝も手に入れたい。

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1位 バウアー襲来 日本中の野球ファンから注目

3月14日、衝撃のニュースが飛び込んで来た。DeNAが、トレバー・バウアーを獲得したことを発表したのだ。3月14日の2:00、球団公式Twitter(現X)で「Who’s next?」のツイート(現ポスト)。9:00にバウアー獲得が正式発表された。

バウアーと言えば、2019年にMLBの現役投手としては異例だが、DOCKを訪問していた。その際にいつか日本で投げたいと言っていたが、リップサービスだと思っていた。ただ、ベイスターズの壁谷氏と関係を構築していたことは報じられていたので、バウアーがDVによる訴訟で出場停止となった後、2023年1月に自由契約となった際は、獲得とかありえないかな?くらいには思っていた。

まさか、本当にバウアーがベイスターズに入団するとは。インパクトとしては、グリエルの時に匹敵するくらいのものだった。だが、MLBで出場停止となり2022年は試合で投げていない。日本でリハビリくらいのつもりで来るのだろうし、どのくらい投げられるのかと懐疑的だった。

だが、バウアーのYou Tubeで日本語版のチャンネルがオープンし、その動画を観る度に、そんな疑念は吹き飛んで行った。イメージを大きく覆すようなナイスガイ、そして野球に対する真摯な姿勢。ベイスターズファンは、すぐにバウアーの虜になった。

管理人もその一人で、4月16日の横須賀スタジアムでの日本初登板は、朝早くから現地に向かい、スタンドから見届けた。滅多にないような人数が集まった横須賀スタジアムで、圧巻の投球を見せ、期待値を上げた。

その後、ファームで2試合の調整登板。平塚球場でも登板したことには驚いた。4月28日に横須賀で93球を投げ、いよいよ次が1軍でのデビュー戦。舞台はゴールデンウィークのハマスタでの広島戦になったが、何日に登板するのか、憶測が飛び交った。

個人的には桃太郎電鉄スペシャルデーでもある5月4日を予想、希望したのだが、実際は5月3日の2戦目だった。現地で観ることはかなわなかったが、期待通りの素晴らしいデビューを飾った。

しかし、2戦目は中5日で新潟での読売戦に登板したが、11安打7失点と打ち込まれた。3試合目は、中6日で5月17日のハマスタでの広島戦に先発。デビュー戦で勝利した相手だったが、初回から打ち込まれ、まさかの2回7失点でのKO。これにはバウアーもファンも茫然自失だった。

アメリカでは効果があった、高め中心のストレートの配球が、日本の打者には通用しなかった。そして、広島には投球フォームの癖で球種を読まれていた可能性が高い。フォームを修正しつつ、慣れた中4日での先発を希望したが、雨天中止の影響でローテーションが変更となった。5月21日は、ロッテ浦和まで行き、イースタンの試合で投げた。6回1失点で手応えを掴み、27日のバンテリンドームで先発。勝利は付かなかったが、6回2失点と復調した。

そして、6月3日の西武戦で2勝目を挙げると、日本へのアジャストが進んだ。6月は4試合に先発して4勝。防御率2.08、WHIP0.96と数字を残し、月間MVPを獲得した。

7月1日の中日戦では、2アウト1、2塁からセカンドへの内野安打の後、2塁ライナーを挟んだが、内野陣がオールセーフにしてしまい、バウアーが激怒。放送禁止用語を連呼し、「優勝するチームのプレーではない」と糾弾した。その熱さもファンに支持された。

オールスター出場を熱望したが、ファン投票は僅かに届かず、監督推薦でも選出されなかった。しかし、プラスワン投票では過去最高の得票数で選出された。マツダで登板し、球種を伝えて投げるパフォーマンスを見せたが、万波にホームランを打たれた。

8月は5試合に先発し、防御率1.67で3勝1敗。2度目の月間MVPを獲得した。チームとしては、ウィーランドに並ぶ最多となる10勝目を挙げた。しかし、8月30日の甲子園では当たり損ねのピッチャーゴロを捌いた際、足を負傷して途中降板。靭帯を損傷する重傷で離脱を余儀なくされた。

この1年、You Tubeも含めて、バウアーには本当に楽しませてもらった。8月の最後にケガをし、9月に投げれず、CSでも連敗によってバウアーの登板を作ることさえできなかったのは残念だった。ベイスターズファンに限らず、日本の野球ファンから注目され、応援されたように思う。

現状はMLB復帰を視野に入れながら、交渉の推移によってはベイスターズ残留の可能性は残されている状況。結論はまだ先になりそうだが、もし2024年もバウアーがいたらいいなというくらいで気長に待つとする。バウアーがベイスターズで沢村賞を獲ってくれたら最高だが、MLBに戻ったとしても応援したいと思う。

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その他

これも毎年だが、10大ニュースに入り切らなかったものを5つ、プラスアルファで紹介。

11位	ドラフトで度会引き当てる!一番星へ
12位	スターナイトで史上初の3連勝!
13位	関根がブレイク!メキシコで首位打者に
14位	平良が復帰!888日ぶりハマスタ勝利
15位	オースティン今年もケガに泣く

度会は、10位以内かなと思ったが、2024年以降の活躍を期待して、あえて11位で。スターナイトはようやく3連勝を見せてくれた。そして、12月31日にメキシコのウィンターリーグでの首位打者が決まった関根は、飛躍のシーズンとなった。2024年さらに進化してくれれば。

平良は、2023年に1軍復帰は果たしたが、復活まではあと一歩か。ハマスタでの888日ぶり勝利、東京ドームでの初勝利は素晴らしかったが、安定しなかった。シーズン終盤の勝利は来季の復活を予感させた。

そして、オースティン。2023年こそ復帰と思ったが、交流戦中に肩をケガして離脱。オフに手術を受けた。もともとの右肘に加えて右肩にも不安があるが、来季は契約最終年で、結果を残すしかない。オースティンの実力でベイスターズファンを歓喜させて欲しい。

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さいごに

結局、最後は大晦日のギリギリになってしまったが、10大ニュースをもって2023年を振り返って終了。皆さんが読むのは新年が明けてからになってしまったかと思う。もう少し手加減して短くまとめれば良いのだが、私はいつもやり過ぎてしまう。

2023年はバウアーの加入もあって、非常に楽しいシーズンであった一方、交流戦で優勝しながら、リーグでは優勝争いさえできず、3位に終わってCSでも勝てずに敗退するという悔しいシーズンだった。

2024年は今永が抜けることは分かっている。バウアーはどうなるか分からないが、既存の選手がレベルアップし、2023年を上回るチーム力を発揮して欲しい。牧キャプテン1年目、全てうまくは行かないだろうが、最後まで楽しめるシーズンを期待している。

それでは良い年を。

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