佐野、牧デスターシャ競演　大貫7回無失点

3回まで九里にパーフェクトピッチングを許すも、4回に佐野が待望の今季1号2ランを放ち先制。6回には、牧がレフトへの2ランで中押し、7回は佐野が左中間を破るタイムリーでダメ押し点も奪った。先発の大貫は初回に2アウト満塁のピンチを切り抜けると、2回以降は6回までパーフェクトに抑え、7回のピンチも後続を断った。7回無失点で2勝目を挙げた。

ポジ [Good]

佐野に待望の今季1号

佐野と牧が2年連続でこどもの日にアベックアーチ。デスターシャの競演となった。2023年5月5日は、神宮でのヤクルト戦。佐野が3号と4号の2発、牧が4号を放ち、ソトと京田にもホームランが出ていたが、リリーフ陣がリードを守り切れず、サヨナラ負けを喫している。

この日は、九里と大貫の投げ合いで3回まで0-0という展開。4回、桑原がチーム初ヒットで出塁し、佐野が初球の浮いたチェンジアップを捉えた。初戦でエンタイトルツーベースになった打球の方が良い当たりに見えたが、この打球がギリギリでライトスタンドへ届いた。30試合目で待望の今季1号。

佐野はホームランバッターではないが、ホームランが出ていないことが気になるタイプのようだ。これで乗って来ると思うので、この後の活躍が楽しみだ。

6回は蝦名が三遊間の深いところへ内野安打。佐野はレフトフライだったが、牧がインサイド膝元へのチェンジアップを拾い、レフトスタンドへのホームラン。打った瞬間はそんなに飛ぶイメージはなかったのだが、テラス席まで届いた。スイングスピードが速く、インパクトが強いのだろう。牧は、こどもの日に3年連続のホームランとなった。

三塁側ベンチとビジターパフォーマンス席で二度のデスターシャのパフォーマンスが行われ、4点のリードとなった。7回には佐野がケムナのストレートを鮮やかに左中間へ打ち返し、四球で出塁した桑原が生還。先制、中押し、ダメ押しと理想的な形で得点できた。

度会が4試合ぶり出場で猛打賞

3試合欠場していた度会、石上がスタメンに名を連ね、度会は3安打をマークした。開幕戦でプロ初ホームランを放った相手である九里との対戦で、最初の打席では低めのチェンジアップに泳ぎ、セカンドフライに倒れたが、2打席目でストレートをセカンドの後方へ運んだ。

3打席目は、アウトサイド低めへカーブが来たが、しっかりと反応し、レフトへ巧く運んだ。左腕の森浦に代わった8回もインサイドのストレートを捌き、ライト前に運んだ。しばらく休んで、ベンチで試合を観ることでリフレッシュできただろうか。オープン戦でできていたバッティングが見られた。

満塁弾を含む猛打賞ですぐに復調とはならなかったので、まだしばらく様子を見る必要はあるが、1軍の生き残りはアピールできたのではないかと思う。

広島に来て良い当たりが守備範囲に飛んでしまい、2試合ノーヒットだった蝦名だが、マルチヒットをマークした。2ストライクアプローチはまだ課題があるが、結果が出たことは大きい。バンテリンドームの3試合だけで終わってしまうと、また1軍定着が難しくなる。6日以降のハマスタでも出番があれば結果を出し続けたい。

大貫は3連敗の後、連勝

大貫は、初回に2本のヒットと四球で満塁のピンチ。田村には、真ん中に入ってしまったスライダーで、ライトポール際へ大きな当たりのファウルを打たれ、少しヒヤっとしたかも知れない。最後はインサイドのストレートで押してファーストゴロに打ち取り、ピンチを切り抜けた。

初回を抜けると、2回以降は6回までパーフェクトピッチング。味方の援護にも恵まれ、快調な投球を見せた。7回、先頭の坂倉にヒットを打たれた後、田中に1球もストライクが入らずに歩かせてしまった。ここは反省点だが、2アウト2、3塁で前日決勝ホームランの松山が代打起用され、スプリットが良い高さに決まってセンターフライに打ち取った。

これで開幕3連敗の後、連勝と星を戻して来た。打線の援護に恵まれない状況も少し改善している。日曜に勝てない状況が続いて来たが、大貫がしっかり投げてくれれば勝ち星は増えてくるはずだ。夏よりも春秋に活躍するイメージがあるので、5月は勝ち星を積み重ねて欲しい。

ヤジ [Bad]

前述の通り、理想的に得点を重ね、完封リレーでの完勝。強いて言えば、7回の大貫の四球と、8回にさらにダメ押しが取れていればというくらいか。

キジ [Other]

4月は後半苦戦し、借金を4つまで増やした。そうした状況で、ゴールデンウィーク中の名古屋、広島の遠征を4勝2敗で乗り切れたことは非常に良かったと思う。これで再び借金を1として、6日のハマスタで5割復帰を目指す。

5日2:25に日刊スポーツが、筒香が6日1軍合流と報道。三浦監督は5日の試合前にまだ何も決まっていないとコメントしていたが、試合後には6日から筒香を1軍に呼ぶことを明言した。

おかえり225割として、6日以降の試合で立ち見席が225円で販売されたが、筒香が出場することを前提としたものとは思っていなかった。当初の予定ではゴールデンウィーク中には合流できるかなという感じではあったが、実際に調整してみて、ファームの試合が中止になったこともあり、遅れているように見えた。この日の1軍合流ありきで決めたような印象で、そこはあまり賛成できるものではない。

もちろん、筒香であればファームで結果が出ていないから1軍で打てないというわけでもないかも知れないが、状態だけ見れば梶原の方がよほど良い。1軍で結果を残せるかどうかという点で言うと、経験などもあるので別の話にはなる。それにしても、少なくとも筒香がファームでホームランを打つくらいの状態になってからで良いと思うのだが。

ただ、5年ぶりの復帰になるので、1軍合流を決めた以上は応援したいし、大声援で迎えたい。6日はもともと現地の予定だったので、筒香の出番があるようだったら、その一人として声援を届けたいと思う。

ヤクルトは石川が先発。5年が経っているとは言え、筒香が知る相手。いきなり先発起用はあるのだろうか。歓迎する気持ちとは逆の話になるが、復帰した時の記事にも書いた通り、個人的には特に今年、バッティングでそこまで戦力になると計算していない。1軍合流となると、ファンもまわりも起用することを期待するが、三浦監督ら首脳陣がどこまで公平に結果を残せる選手を使うことができるか。

同時に、筒香がベンチにいることで、どれほどの影響がチームにあるか、そのあたりも注目して行きたいと思う。