05/12 横浜DeNA0-1阪神(ハマスタ)
先発の大貫は3回、2アウトまでパーフェクトに抑えていたが、投手の才木を歩かせ、井上、中野の連打で1点を先制される。しかし、4回以降は切れのあるスライダーを生かし、低めに集める投球で再び三者凡退を続けた。大貫は8回2安打1失点の好投。打線は、才木の力のある速球に押され、フォークに合わせることもできなかった。7回に先頭の宮崎がヒット、牧も歩いて大きなチャンスを得たが、筒香がセカンドゴロ併殺打、桑原も凡退して追い付くことができなかった。最後までストレートに力があった才木は128球で完封勝利。
ポジ [Good]
大貫が、前回に続いて素晴らしい投球を見せた。前回は打線の効果的な得点にも援護され、7回無失点で2勝目を挙げた。この日は、スライダーのキレ、コントロールが良く、速球と変化球がともに狙ったところに投げ分けられていた。
8番の木浪もショートゴロに打ち取り、パーフェクトピッチングで3回も2アウト。才木も2球で2ストライクとなったが、スライダーが3球連続で外れ、最後はストレートを投げたが僅かにアウトサイドに外れた。才木もそれほどバッティングが良い方とは思えないので、スライダーを3球続ける必要があったのか疑問。この日はスライダーが良かったのだが、才木の時だけ何か投げづらそうだった。
井上にインサイド低めのツーシームをセンター前に運ばれ、中野には落ちが甘いスプリットをライト線へ弾き返された。才木が還って先制点を与えてしまった。なおも2アウト2、3塁で近本というピンチは、ファーストゴロで切り抜けた。
4回以降は再び低めに集める投球で、ストレート、変化球が良いコースに決まり、カット、ツーシームを含めた多彩な変化球で的を絞らせなかった。結果的には3回のこの2安打だけに抑えたので、才木を歩かせてしまったことが非常に勿体ない投球となってしまった。
今季最長の8イニングを投げて、こちらも最多となる110球。才木と投手戦を繰り広げたが、勿体ない1点が致命傷となってしまった。毎週日曜に投げているが、QS率は57.1%も防御率は1.91。打線との噛み合わせが悪く、これで4敗目というのが少し気の毒ではある。今週、この日以外ならどこでも勝てた投球だった。流れはあまり良くないが、現状の投球を続け、我慢して勝利を引き寄せたい。
10日の初戦で、井上の強烈なゴロがイレギュラーし、左側頭部に当たった宮崎。担架で退場し心配されたが、翌日は試合前に練習を行った。11日はベンチ入りしなかったが、この日はスタメンで復帰した。チームが才木に4安打と抑え込まれる中、7回と9回にヒットを放ち、マルチヒットをマーク。守備でも好守を見せ、打球が当たった影響を感じさせなかった。ひとまず、無事に復帰してくれて良かった。
9回、ヒットで出塁の宮崎に代走の森敬斗が送られた。2アウトで4番の牧という場面。走って来ることはないかなと思っていたが、その心理と隙を突いて、森敬が初球からスタート。梅野からの送球が少し浮いて盗塁成功。99%成功する自信がなければスタートするべきではないが、見事な盗塁だった。
走らずとも牧の長打で同点、逆転が狙えるところではあったが、この日の才木の内容的にも長打はなかなか難しい。結果的に得点には結びつかなったが、こういう場面で走れるようになっているのはポジティブに捉えたい。
ヤジ [Bad]
8回1失点の大貫を打線が援護できなかった。立ち上がりから球威のある才木のストレートに押され、フォークにも合わせることができなかった。
2回、2アウトから桑原が右中間へ二塁打、山本の当たり損ねのゴロに才木が追い付かず、サードがカバーするも内野安打。1、3塁としたが、前日の逆転の立役者である京田は、フォークにタイミングが合わず、当てるのがやっとでセンターフライ。
5回は1アウトから山本が歩き、京田はスライダーを打ち上げて、フラフラのセカンドの後方へ。ポテンヒットになるかと思ったが、中野が背走してスーパーキャッチ。落ちると判断した山本は既に三塁へ到達しており、併殺となった。落ちていれば好判断で1アウト1、3塁と大きくチャンスが拡大するところ。これは中野の好守を褒めるしかないだろう。
最大のチャンスは7回。先頭の宮崎がヒット、牧が際どいボールを見極めて四球。ノーアウト1、2塁のチャンスで筒香を迎えた。しかし、2球目の高めストレートに押し込まれ、詰まったセカンドゴロで併殺打。才木に一番合っていた桑原もセカンドゴロで、追い付くことができなかった。
9回は2アウトから宮崎がヒット、森敬が盗塁を決めて得点圏に進めたが、牧が2球目のストレートに押され、キャッチャーファウルフライ。才木の128球目も150キロの力あるストレートだった。これだけのボールを投げられる先発投手。悔しいが非常に素晴らしかったと思う。日曜に彼が控えていることが、阪神の安定感を生んでいるのではないか。
才木が素晴らしかったにせよ、もう少しファウルで逃げて粘るとか、低めのフォークは完全に捨てるとか、何かやりようがなかったか。今後も対戦する投手なので、調子が良かったら点が取れないでは阪神との差は開く一方。チームとして攻略する策を考えてもらいたい。
キジ [Other]
大量点の翌日は点が入らないとよく言われるが、この試合に関しては大貫と才木が素晴らしかった。特に、前日7点差を逆転し、3発で11点を奪ったベイスターズ打線に対して、才木が気負うことなく力強い投球で勝負し、投げ勝ったことは素晴らしかった。大貫も、前日大暴れの近本を3打席、全てファーストゴロに打ち取り、投手戦の緊張感の中で好投した。
相手が素晴らしいから仕方ないで終わってしまうと、大事な試合でも勝てないということになるので、それでは済ませられないのだが、才木がこれだけ良いとそう簡単に打てるものではない。この日に関しては才木の投球が敵ながら天晴だった。
この日、宮崎が復帰したこともあるが、前日からオーダーを変え、2番ファースト佐野、3番サード宮崎、5番レフト筒香とした。この佐野の起用は、オースティンの復帰が近いことを視野に入れたものだと思う。
オースティンは10日のジャイアンツ球場での読売戦で実戦復帰。最初の試合からファーストの守備に就いている。初戦は5回までの出場で、11日は5打席目まで出場し、終盤のみ交代した。12日はスリーボンドスタジアム八王子で開催された為、帯同しなかった模様。
11日の様子を見ると、1軍復帰はかなり近そうだ。週明けの富山、福井の遠征は避け、横須賀での2試合で最終調整するのではないか。17日のハマスタでの中日戦から1軍に合流するのではないかと思う。
そうなると、現状は2番ファーストでオースティン、佐野を併用するのではないかと思う。筒香が想定以上に調整が進んでおり、クリーンアップに入れて来たことからも外せない打者になっている。現在のところ筒香がサードの守備を準備する様子はないので、サードは宮崎で固定。休養する場合は、京田や森敬らが入る形になりそうだ。
レフト筒香という状態でライトに佐野を入れるのは、さすがに難しいのではないかと思う。そうなると、佐野が入る余地があるのはファーストだけになり、ファーストしか守らないオースティンと重なる。従って、ファーストはオースティンと佐野で併用になりそうだ。佐野は11日に4安打を放ったが、前後3試合はノーヒット。ここまで打率.256、OPS.636と彼の能力からすると物足りない数字になっている。オースティンと競って出場機会を得なければならない。
14日からは北陸シリーズで読売との2連戦。先発は、ローテーションをズラしたケイと石田健が予想される。読売は山崎伊が予想され、今季初対戦となる。昨年までも非常に相性が悪い投手であり、今季も防御率1.55、3勝0敗と読売のローテーションの軸として活躍している。才木に続いて好投手と当たるが、何とか攻略の糸口を見つけたい。
東が8回3失点、そしてこの日の大貫はHQSをマークしたが、今週は先発投手が試合を作れなかった。先発がしっかりと投げた日に打てず、勝てなかったのは巡り合わせが悪かったが、先発がしっかりと試合を作る形を続けて行きたい。
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