05/17 横浜DeNA2-1中日(ハマスタ)
東は初回、岡林とカリステのヒットで1アウト1、3塁とされ、細川の犠牲フライで先制を許す。その裏、蝦名がヒットで出塁し、2アウト1塁から牧がセンターオーバーの同点タイムリー二塁打。さらに宮崎もタイムリー二塁打で続いて逆転。2回裏、1アウト満塁のチャンスでオースティンが併殺に倒れるなど、攻撃型のオーダーが追加点を奪えなかった。それでも東は丁寧な投球で中盤を3イニング連続で三者凡退。8回2アウトから1、3塁のピンチを招いたが、伊勢が火消し。最後は森原が締めて、東はハマスタ10連勝で今季4勝目。
ポジ [Good]
東が今季8試合目の先発で、無傷の4勝目。ハマスタでは遠藤一彦氏に並ぶ球団タイ記録となる10連勝。2023年のファンクラブナイトだった5月11日の読売戦で敗れてから、ハマスタで負けが付いていない。そもそもそれ以降負けたのも東京ドームでの読売戦の2度だけしかない。
試合を壊さない、負けが付かないことがエースの条件の一つでもあるが、東も「先制点を取られないとかイニング途中で代わらないとか、まだできてない」とエースになるという意欲が強い。
この試合も、先週に続いて初回に失点してしまった。先頭の岡林を追い込んだが、スライダーが高めに浮き、センター前ヒット。山本は三振に取ったが、カリステにカットボールを左中間に運ばれ、1、3塁となった。細川にはアウトサイドのチェンジアップを上手く拾われ、犠牲フライとなった。
どのチームでもそうだが、特に先制された場合に勝てていないのが中日。先に点をやらない投球を期待したが、いきなり失点してしまった。しかし、その裏にすぐ見方が逆転してくれた。2回は先頭のビシエドにヒットを打たれ、村松のバントで得点圏に進んだが、木下と涌井を打ち取って切り抜けた。3回と4回はヒットを1本ずつ打たれたが、落ち着いて後続を断った。
5回から7回の3イニングはいずれも三者凡退で抑え、乗って来た。打線がなかなか追加点を取れなかったが、中日打線に付け入る隙を与えなかった。しかし、100球に到達して迎えた8回、1アウトから代打の福永を歩かせた。ペイオフピッチからインサイドのカットが僅かに外れた。際どいコースだったがボールと判定され、これが痛かった。
2アウトには漕ぎ着けたが、山本にヒットを打たれて1、3塁。カリステを迎えたところで123球となり、三浦監督が出て交代を告げた。初回の失点と8回を投げ切れなかったことは、本人もかなり悔しかっただろう。単に試合を作るとか、HQSとか、それよりも高みを目指す東だからこそ。次回は大瀬良との投げ合いも予想される。球団新記録の11連勝を掴み取って欲しい。
東の招いたピンチは、「大夢くん」が断った。8回2アウト1、3塁で登板した伊勢は、カリステに対してペイオフピッチとなり、最後はインサイドへ強いストレートを投げ込み、詰まらせてファーストフライに打ち取った。見事な火消しでヒーローインタビューに呼ばれ、打ち取ってどんなガッツポーズをするか考えていたとコメントしたが、降板する時は小さなガッツポーズしかしていなかった。
東は、いつもの「祐大のおかげ」の後に「大夢くんのおかげ」と言われた。少し照れ臭そうに伊勢は「僕も祐大のおかげです」と応えた。昨年後半から苦しい時間もあったが、ウェンデルケンが不在の中で伊勢が重要な役割を果たしていることは、チームにとって心強い。最後は、森原が盤石な締め。9セーブ目を挙げ、マルティネスと栗林に2つ差とした。
打線は、オースティンの復帰に伴い、筒香をライトに入れる攻撃型のオーダーを組んだが、スミ2に終わった。その初回は、先頭の蝦名がヒットで出ながらランナーが進めず2アウト。このところバッティングの内容が良くない牧が、2球目のスライダーを叩き、バックスクリーンまであと僅かというフェン直の二塁打。併殺崩れで入れ替わっていたオースティンが一気に生還し、同点とした。
さらに、宮崎も2ボールから浮いたスライダーを右方向への長打。連続タイムリー二塁打ですぐさま逆転した。前回、バンテリンドームで初回9失点の屈辱を味わった涌井は、リベンジを期したが初回から2失点となった。
その後、チャンスがありながらあと一本が出ず、追加点は挙げられなかったが、投手陣の踏ん張りで勝つことができた。
蝦名は、初回の逆転を呼び込むヒットを始め、3安打の猛打賞。非常に強い打球を飛ばしており、しっかりと捉えられている。中日キラーのような活躍で、15打数11安打の.733となった。状態が良いのでこの3連戦の活躍に期待したい。
京田は、ヒットは1本だったが、良い形で打てており、中日のファインプレーでヒットを2本取られてしまった形。守備では三遊間の深いゴロに飛び付き、一塁へ強いスローイング。流れるようなプレーだった。好守を連発し、ショートでの起用に応えた。
ヤジ [Bad]
この日からオースティンが復帰し、どのようなオーダーを組むか注目されたが、筒香をNPBでは12年ぶりとなるライトへ回し、佐野もスタメンに入れる形をとった。ファイアーフォーメーションとも言われた攻撃型のオーダー。
初回は、蝦名のヒットの後、オースティン、筒香と倒れたが、まだ牧、宮崎と続くところで逆転に成功した。2回は、下位の山本、京田が連打、東はまたもバント失敗。蝦名が2打席目もヒットで繋いで満塁となり、涌井を今回も早々とKOするかと思ったが、オースティンは初球を打ってピッチャーゴロ併殺打。
この併殺打で完全に涌井が立ち直り、3回以降はヒットを打てず、6回まで投げさせてしまった。7回、8回にはチャンスを作るも、後続がなかった。
最終的に勝つことが大事だと思うが、打線の組み方からしても、この試合は打って勝つつもりの試合で、ゲームプランとは全く異なる展開になってしまった。守備の方で、大きく足を引っ張るようなプレーはなかったが、リスクはある。こうした展開になってしまったが、1点のリードを守り切った投手陣には感謝だろう。先発が東な時点で、そこまで攻撃に振る必要があったのかは疑問だ。
キジ [Other]
4月10日に右太ももの肉離れを負い、リハビリをしていたオースティンがようやく復帰。これまでファーストを主に守っていた佐野がレフトに戻り、筒香がライトに回るという布陣。守備軽視とまでは言わないが、攻撃力に大きく比重を置いたスタメンを組んだ。
昔とは状況もメンバーも異なるが、こうしたいわゆる重量打線を組むのは、これまでの歴史的にもあまり強いチームではない。もちろん、名前だけを見ると迫力もあるし、ワクワクする気持ちもあるが、好投手が出てきたら北陸シリーズのように力負けして全く得点が取れなくなる。打てる時の破壊力はあるが、欲しいのは先発投手をコンスタントに援護できる打線。
打線にも個々に役割があるし、打てない時に足や小技で工夫して1点を取りに行くのが野球。もちろん、長打での得点は正義ではあるが、現状のNPBでそうそう毎日打って得点するのは難しいと思う。
オースティンと入れ替わる形で登録抹消となった度会は、ファームで1番ライトとしてスタメン出場。早いカウントから打ちに行くも、ボールに差し込まれてフライアウトという感じだった。そんなに状態は悪くないと思っていたが、タイミングがズレているように思う。
個人的にも度会を使い続けて欲しいと思ったが、やはり守備が良くないというのが大きい。多少打てなくても、守備が安心して観ていられるようなら我慢できるが、現状だと厳しい。そうなると、1軍でたまに代打で出る程度ならファームで守備、走塁を練習し、学びながら調整した方が良いだろう。今後の状態にもよるが、交流戦のDHが使える6/11週あたりでもう一度上がれたらベスト。
しかし、この日のファームも、度会、梶原、楠本、松尾、井上、石上、知野という並びで1軍にいてもおかしくないメンバー。楠本は早速ホームランを含む3安打。井上、石上も結果を残している。1軍の実績あるビッグネームを下げる勇気はないと思うが、結果を出せないならファームとの人材交流を活発にして、チームとして勝利に導ける選手を使って行くべきだと思う。
連敗を3で止め、連勝の波に乗りたい。18日は中川颯が先発する。先週は3回9失点の大誤算だったが、カードも代わって初勝利を挙げた中日を相手にリベンジを期す。中日は松葉で、今年は既に2度の対戦で抑え込まれ、2勝を献上している。オースティンは好相性だったと思うので、うまく得点に結び付けたい。今週も現地だが、7点差を逆転というような試合ではなく、中川颯がハマスタ初勝利を挙げる試合を期待したい。
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