プロ野球のドラフト会議 Supported by リポビタンDが10月20日に開催され、横浜DeNAベイスターズは支配下、育成ともに5名の合計10名を指名し、交渉権を獲得した。9球団が公言した1位入札では、荘司と浅野が重複となった。DeNAは松尾を指名し、単独で確定した。
ベイスターズの指名一覧
順 | 選手名 | 所属 | ポ | 投打 | 生年月日 | 出身 |
1 | 松尾 汐恩 | 大阪桐蔭高 | 捕 | 右右 | 2004/07/06 | 京都府 |
2 | 吉野 光樹 | トヨタ自動車 | 投 | 右右 | 1998/07/19 | 熊本県 |
3 | 林 琢真 | 駒澤大 | 内 | 右左 | 2000/08/24 | 愛知県 |
4 | 森下 瑠大 | 京都国際高 | 投 | 左左 | 2004/09/19 | 京都府 |
5 | 橋本 達弥 | 慶應大 | 投 | 右右 | 2000/07/18 | 兵庫県 |
育1 | 上甲 凌大 | IL愛媛 | 捕 | 右左 | 2001/01/29 | 愛媛県 |
育2 | 鈴木 蓮 | 滋賀学園高 | 内 | 右右 | 2004/07/18 | 大阪府 |
育3 | 今野 瑠斗 | 東京都市大塩尻高 | 投 | 右右 | 2004/07/13 | 東京都 |
育4 | 渡辺 明貴 | BC茨城 | 投 | 右右 | 2000/01/29 | 山梨県 |
育5 | 草野 陽斗 | 東日本国際大昌平高 | 投 | 右右 | 2004/06/07 | 福島県 |
支配下選手は5名の指名。これはDeNAとなってから最少で2009年以来となる。林は、主にセカンドの選手のようだが、ショートでの起用に含みを持たせているようだ。打力のある内野手をもう1人指名できればベストだったが、他の選手の指名順序とも絡むので、6位の順番では指名した選手はいなかったということか。
一方、育成選手は5名の指名で、これは球団史上最多となる。昨年と2015年の3名が最多だったので、DeNAとしては多かったと言える。現状、育成の投手は加藤だけだが、外国人投手が3名在籍している。野手は捕手が1名、外野手が3名。
捕手については支配下では高卒の松尾だけだったので、嶺井は残留する見通しなのかも知れない。だが、ケガやコロナによる離脱も含め不測の事態にも備え、育成で捕手をもう1人補充した。内野手の育成指名は初めてとなる。投手は石川と宮城が支配下登録となったこともあり、3名を指名した。
今年については神奈川県に関連した指名は全くなかった。西日本の出身の選手が多いかなという印象。そして、上記の一覧を見る限り、7月生まれが多いなと。橋本と鈴木は7月18日で日付も同じという。MY BAYSTARS的にはちょっと重要なポイント。
前述の通り、支配下の内野手がもう一人欲しかったという点はあるが、ポジションのバランスも良く、補強ポイントをしっかりと埋める指名ができたのかなと思う。
指名の経緯・感想
ロッテ、阪神、DeNAを除き、9球団がそれぞれ異なる選手の1位指名を公言するという異例のドラフトとなった。抽選もある注目の1巡目入札だが、予め分かっている選手が読み上げられて行く。その中、まずはロッテが立教大の荘司を指名。楽天が公言していた投手で、重複となった。阪神は、読売が指名した高松商の浅野を指名。こちらも抽選となる。
そして、DeNAは大阪桐蔭の松尾を指名。今年に関しては、予想する声が最も多かった松尾を順当に指名した。オリックス、ヤクルトは既に別の選手を公言していたので、その瞬間に単独指名が確定した。DeNAにとっては、1988年の谷繁氏以来、34年ぶりに捕手の1位指名となった。
荘司と浅野の抽選は、いずれも公言していたチームが交渉権を得ることとなった。ロッテは専大の菊地、阪神は中大の森下を指名し、ドラフト1位が確定した。
2位はウェーバー順に指名。日本ハムが富士大の金村を指名してスタート。DeNAは10番目で、例年よりも遅い指名。1位が捕手のため、投手が予想されるところ。外れ1位という予想もあった東京ガスの益田が残っていたが、トヨタ自動車の吉野が指名された。
逆ウェーバーの3位はオリックスとヤクルトを挟んですぐに回って来る。3位では駒大の林を指名。上位で内野手も確保して来た。3位では、前述の益田を広島が指名。また、日本ハムはMLBに所属していた加藤豪将を指名した。
4位でDeNAが高校生左腕の森下を指名。5位の最初で日大の北村をヤクルトが指名。牧の2年後輩で師と仰ぐ選手だが、同じリーグの別チームとなった。DeNAは慶大の橋本を指名。
6位に入り、選択終了となるチームが出始めた。ロッテ、読売が5位で切り上げ、ソフトバンクは6位で桐蔭横浜大の吉田を指名。次のDeNAは選択終了となった。吉田の指名を予定していたかどうか分からないが、その分は育成での捕手指名となった。
広島と中日が7位指名を行い、支配下選手の指名は全て終了した。
育成ドラフトでは、まず1位でIL愛媛の上甲を指名。いの一番で指名したことから、捕手は2名増員しておきたい意図も見える。2位で初の内野手指名となる鈴木。滋賀学園なので宮城の後輩ということになる。
3位以降は投手を3名指名した。高校生右腕の今野と草野、そして大橋とチームメイトだったBC茨城の渡辺。前述の通り最多の5名を指名したことで、支配下と育成を加えた選手の総数は過去最大となるのではないか。
個人的に注目していた神大の神野は、残念ながら指名がなかった。濵口、梶原に続いてベイスターズに所属したら嬉しいなという淡い期待があったが、どこからも指名がないとは。社会人等で野球を続けるか分からないが、続けるのであればプロを目指して頑張って欲しい。
選手たちへの期待
松尾については、打力も持ち合わせた高校ナンバーワン捕手であることは間違いない。大阪桐蔭という強豪で大舞台の経験も十分。身体能力が高いので何でもこなせてしまいそうだ。打てる捕手として、チームの要に成長して欲しい。現状ではまだ捕手としてどうなのかという懸念は残るが、今後の成長を見守って行きたい。
2位では即戦力投手を狙いに行った。小孫、大津が先に指名されている中で、トヨタ自動車の吉野を指名。吉野は、1998年生まれなので入江や牧と同世代。今後のチーム作りもこの世代を中心に考えているのかも知れない。さらに、九州学院高出身で、伊勢と村上の間の世代になる。伊勢とも高校で一緒にプレーした間柄で、またも熊本から頼もしい選手が出てきたか。
3位の林は、大学では主にセカンドで出場している。走力に加えて強肩でもあるということなので、ショートでの起用も視野には入れているかも知れない。ショートは森の構想、セカンドには牧がいるが、森のライバルとしての存在、そして将来的に牧をサードに回してということも考えているかも知れない。現状の内野手には不足している走力でアピールし、ルーキーイヤーから活躍して欲しい。
4位は高校生左腕。櫻井は1軍定着にもう一歩、高田と松本は手術を受けており、まだ時間がかかりそう。高卒左腕をまだ1軍戦力にできていない状況だが、今年も支配下で指名した。スライダーという武器で空振りが奪え、腕の振りもしなやかということで将来性に期待が持てる。バッティングも良いようだ。
5位は、山崎のMLB移籍を想定し、大学で抑えをやっている橋本を指名した。フォークという武器で奪三振率が高いということなので、伊勢や入江がクローザーに転向した場合に、その穴を埋める存在として期待がかかる。伊勢や入江のように2年目に勝ちパターンに入れるとベスト。
育成1位の上甲は、TBSのドラフト候補に密着する後番組に登場していた。母子家庭でかなり苦労して野球を続けて来て、育成指名ではあるがNPB入りという夢を叶えた。ここがゴールではないので、支配下登録を勝ち取るために頑張ってもらいたい。母親が献身的に料理を届けていたが、青星寮は食事も充実しているので、愛媛から距離もあるが安心して生活できるかと思う。松尾の存在はあるが、年が近い山本、益子、東妻らライバルに打ち勝って1軍を目指して欲しい。
育成2位は、長打力を秘めた内野手である鈴木。支配下で打力のある内野手を確保して欲しかったが、彼に期待したい。身体能力が高いという評価もあるので、2年くらいじっくりとトレーニングを重ねて、サードの後釜の争いに割り込んで行きたい。
育成4位の渡辺は、経歴がなかなか複雑。高校を途中で退部し、その後は球友クラブ、独立リーグ、さらに韓国の独立リーグにも所属していた。BC茨城では大橋とチームメイトだった。今まさにちょうど伸びようとしているところなので、ファームの投手コーチらとうまくコミュニケーションを取り、大化けすることを期待している。
育成3位の今野、5位の草野は、将来性を見込んでの指名。まずは1年体づくりと基礎練習になるかと思うが、先輩の中川や宮城のように支配下登録を目指して欲しい。どんな投手に成長するか楽しみだ。
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