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COMING BACK TO YOKOHAMA 3コーチの就任発表

横浜DeNAベイスターズは11月3日に斎藤隆、鈴木尚典、小杉陽太の3名と2022年シーズンのコーチ契約を結ぶことを決定したと発表。各コーチのポジションは未定で、今後発表される。また、前日に読売の退団が発表された石井琢朗氏の招聘を進めていることが報道されている。

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オールドファンをザワつかせた発表

11月2日の昼頃、球団公式TwitterやYou Tubeチャンネルで、「2021.11.3 11:00」というタイトルで動画を公開し、NEW COACH COMING BACK TO YOKOHAMAという内容。ここに3名の現役時代の写真をヒントとしてザッピングさせており、ファンの間でさまざまな憶測を呼んだ。

鈴木尚典氏については、神奈川フューチャードリームスの監督を退任した際、コーチ招聘の報道もあったので、予想通りといったところだが、左手のグラブが斎藤氏だ!DeNAベイスターズ5周年のロゴは背番号5なのか?もう一人の投手は小杉氏なのか、などSNS上で話題となった。

特に、同じ日の午後に読売の石井琢朗コーチが球団に退任を申し入れ、正式に退団が発表された為、これは翌日に即DeNA入りの発表か?ということになった。多くのファンが11月3日の11時を心待ちにしていた。実際には石井琢朗氏は含まれておらず、3名の就任が発表されたのみで、記者会見等はなかった。

コーチの評価をすることは監督や選手以上に難しい。結果が全ての世界ではあるが、一朝一夕で実力が上がるわけでもない。監督の補佐として戦術面に関与するケースもあれば、個々の選手の状態を把握し、適切なアドバイスを送ったり、若手には指導したり。それがすぐに結果に結び付くこともあるだろうが、数年にかかることもある。とは言え、チームの成績が芳しくなければコーチの責任を問われるのも事実。

外部の人間、ひいては素人にコーチを語ることは不可能だが、OBの3人が就任したということで、経歴などから期待を書きたいと思う。

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コーチの入れ替え

現在のところ、退任については公式発表があったのは2軍の藤岡コーチのみ。坪井コーチはSNSで自ら退任することを表明しており、打撃コーチにも空きが出るものと思われる。1軍のコーチの退任はこれから発表ということになるのだろうか。

ポジション20212022
監督三浦大輔三浦大輔
ヘッド青山道雄石井琢朗?
打撃坪井智哉鈴木尚典?
打撃嶋村一輝嶋村一輝
投手川村丈夫川村丈夫
投手木塚敦志斎藤隆?
内野守備走塁永池恭男永池恭男
外野守備走塁小池正晃小池正晃
バッテリー新沼慎二新沼慎二
バッテリー藤田和男藤田和男
巡回打撃田代富雄田代富雄
ファーム監督仁志敏久仁志敏久
総合万永貴司万永貴司
打撃大村巌大村巌
打撃下園辰哉下園辰哉
投手大家友和大家友和
投手牛田成樹牛田成樹
投手藤岡好明小杉陽太?
守備走塁柳田殖生柳田殖生
守備走塁田中浩康田中浩康
バッテリー鶴岡一成鶴岡一成

まだヘッドコーチについては何も発表がなく、勝手に青山コーチの名前を消してしまっているのは申し訳ないが、石井琢朗氏については後述。1軍の投手コーチについても斎藤コーチは予想ではあるが、ヤクルトでも1軍だったので、そうなると予想している。1998年組が多いという点と、木塚コーチは引退後、2015年にスカウトを担当した以外はずっと投手コーチをしているので、他の経験を得てさらにステップアップという考えもあるのではないかと思ったため。近いうちに実際のところが明らかになるだろう。鈴木コーチは坪井コーチ、小杉コーチは藤岡コーチの後任としての招聘ということになるだろう。

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斎藤隆コーチ

1991年ドラフト1位で入団し、1993年からの新生、横浜ベイスターズの右のエースとして活躍。1998年は13勝を挙げてリーグ優勝、日本一に貢献。佐々木がMLB移籍後、一時クローザーに転向した。2005年オフにMLB挑戦の為、自由契約となりマイナー契約でドジャースに移籍。初年度に24セーブを挙げるなど、クローザーとして活躍。MLB通算84セーブ。

2013年に出身地である宮城県を本拠地とする楽天に移籍し、自身2度目となるNPBでのリーグ優勝、日本一を経験した。45歳となった2015年をもって引退した。

引退後は、パドレスにインターンとして所属。編成の顧問として従事し、若手の育成やチーム戦略の立案に携わった。2019年でパドレスを退団し、2020年からはヤクルトの1軍投手コーチを担当。1年限りで退団し、2021年は野球解説者としてDeNA戦を含む多くの試合を担当した。

1998年の優勝に大きく貢献した人気選手だっただけに、当時を知るオールドファンにとっては、復帰は嬉しいニュースだろう。特に2005年ごろは不振で、半ば戦力外に近いような感じで自由契約になり、MLBに挑戦という形で去った。功労者であり、意志を尊重したとは思うが、出るならどうぞという感じさえあった。

その後、想像以上にMLBで活躍し、日本に戻る際も故郷でもある楽天への復帰となった。そして2020年にヤクルトでコーチに就任。まったくベイスターズOBという感じがなくなっていたので、ここに来ての復帰は少し驚いた。

ベイスターズでのデビューから応援していた者としては、その人がコーチとして再びベイスターズの為に力を発揮してくれるのは嬉しい。選手としてはMLBでの活躍も含め、長きにわたって現役生活を続けた。引退後はMLBでの顧問も務め、1シーズンではあるが、他球団でのコーチ経験もあり、今のチームにとっては貴重な存在だろう。

ただ、ヤクルトの投手コーチとしては1年だけの在籍ではあるが、前年から成績上は大きく改善できず、契約延長の話も固辞して退団している。これがどういう経緯のものかは分からないが、気になる点ではある。だが、ヤクルトの今年の投手力の劇的改善に、昨年斎藤コーチが取り組んだものが何か生かされているとしたら、それをベイスターズにも持ち込んでくれればと思う。

木塚コーチも、コーチ歴が長くなってきており、選手からの評判も良いようだが、良くも悪くもベイスターズだけしか知らないところがある。それは川村コーチも同じだし、三浦監督にしてもそう。16年も離れていた斎藤コーチはOBではあるもののMLBを含めた他球団の経験を持つ、移籍組のようなもの。新しい風を吹かせることを期待したい。

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鈴木尚典コーチ

大洋時代末期に地元の横浜高校から入団し、広角に打ち分けるヒットメーカーとしてレギュラーに定着。1997年に首位打者を獲得して、チームの優勝争いと18年ぶり2位に貢献。背番号を51から7に変更した1998年はローズ、駒田とともに強力なクリーンアップを形成し、2年連続首位打者を獲得してリーグ優勝に貢献。日本シリーズでは.480を打ってMVPを獲得した。

その後も3割常連として活躍したが、森監督の下では4番を任され、長打力を意識してバッティングを崩すような状況も見られ、2004年以降は数字を落とし、代打などで出番は減って行った。2008年にチームが大不振で最下位に転落すると、戦力外通告を受け、他球団でプレーする姿は想像できないとして引退を決断した。

引退後は2年間、当時の湘南シーレックスのコーチを務めた後、球団職員としてベースボールアカデミーを担当、2013年からはジュニアチームの監督を務めた。2020年にはBCリーグに新たに誕生した神奈川フューチャードリームスの初代監督に就任し、初年度に優勝を果たした。

こちらも1998年の優勝に大きく貢献した選手。横浜高校からの入団でもあり、その人柄から絶大な人気を誇った。横浜以外でのプレーを望まずに引退し、他球団での経験はない。また、プロでのコーチは2軍の育成、打撃を1年ずつだけで、その後は子供たちに野球を教える活動に長く携わって来た。本人の希望がそうなのかと思っていたが、2020年から独立リーグで監督に就任。NPBではないものの、プロの指導者として経験を積んだ。

1軍での打撃コーチ経験はないが、レベルは違えど監督を歴任してきたので、三浦監督とも意志の疎通を図りながら戦略の立案やコーチングが期待される。指導者としてはまだ未知数なところはあるが、チーム愛は三浦監督にも劣らない。さまざまなタイプの野球を見て来た経験が生きればと思う。

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小杉陽太コーチ

右の本格派、長身投手ということで、フォームも似ていたダルビッシュのようになって欲しいという期待もあり、コスビッシュと呼ばれたこともあった。

2年目の2010年に先発のチャンスを得て、5回4失点も味方の援護でプロ初勝利をマーク。翌年以降は、時々先発のチャンスをもらうも、1軍定着とは行かず。球種を増やし、技巧派寄りにスタイルを変えながら、リリーバーとして活躍。2015年はキャリアハイの27試合に登板、3勝を挙げて2ホールドもマークした。2016年も20試合に登板したが、勝ち負けは付かず。

2016年のファンフェスでは、バラエティーベースボールで代打のラミレス監督と対決。初球が大暴投で、ラミレス監督が打席でメモを取り出し、来年の春季キャンプで1軍に呼ぶか疑問符を付けた。その後、ガチの投球でラミレス監督を詰まらせ、ピッチャーゴロに打ち取った。2017年は1軍登板がなく、戦力外通告を受け現役引退。フェンフェスの影響はないだろうが、ファーム暮らしが現実になってしまった。

引退後、すぐに起業して同年に引退した下園のトークショーをプロデュースしてファンを驚かせた。その後は実業家として活動する傍ら、少年野球の指導をし、自らもピッチングなど野球の動きなどを数値化して解析することに携わって来た。2021年は四国学院大学硬式野球部で投手コーチも務め、ベイスターズでも取り入れているデータに基づいた理論的なフォームの解析、コーチングを行える人材。

2020年からのコロナ禍で、オンラインハマスタやベイスターズプライムカメラ(ベイプラ)で解説を務めるなど、球団OBとして関わりを持って来た。

正直、他の2人に比べてしまうと、選手としての実績はない。しかし、今のベイスターズが目指したいことと、小杉コーチが興味があること、得意分野としつつあることが一致していたように思う。個人的にも以前からTwitterをフォローさせてもらっており、野球に限らずいろいろなことに興味を持ち、関与し、勉強意欲のある人と感じていた。ここ最近は大谷マニアになりつつあったが、年齢の近いコーチとしてファームの投手を良い方向に導いてくれるのではないかと期待している。

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石井琢朗コーチ

まだ球団からは発表されていない。前述した通り、11月2日にフェニックスリーグが終了したタイミングで読売の3軍コーチを辞任。今回のコーチ発表が翌日ということで、一気に発表されるのではないかとザワついたが、含まれていなかった。しかし、スポーツ紙などの取材で、球団関係者が招聘に動いていることを認めており、そのような形になるのではないかと思われる。

ヘッド兼1軍打撃という記事も見られるが、まだ決定事項ではないので、正式に発表されるまではこれ以上書かない。これが一番思い入れがあるので、その時には長々と書きたいと思っている。

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戦うのは選手

6年ぶりの最下位。今季から就任した三浦監督の続投は既定路線としても、やはり誰かが責任を取る形になってしまうのがこの世界の常。そうした中で2年目の三浦監督を支える役割としてコーチを変更するのは一つの選択肢ではある。自分がそうであるように、オールドファンにとってはOBが帰って来るのは嬉しいこと。最下位からの期待を持たせ、OB人気でひと商売という気がしないでもないが、邪推はせずに受け取っておく。

ただ、戦うのは選手であり、コーチではない。その影響が大きいことは認めつつも、劇的に変わるわけでもないだろう。OB復帰でテンションが上がるのは凄く良く分かるし、自分もそうだが、実際にはまだ宮崎、エスコバー、ソトの残留が発表されただけで、ドラフトしか上積みされていない。石井琢朗コーチの発表があればさらに上がるのかも知れないが、冷静に考えたい。

まだCS、日本シリーズが残っているのですぐに補強という状況にはならない。今できる来季への準備としてコーチ人事が進んだということ。オースティン、ロメロの残留、ピープルズとシャッケルフォードはどうなるのか。2投手の場合は、MLBのウィンターミーティングまでかかる可能性もある。

ベイスターズのシーズン終了から立て続けに来季に向けた情報が出てきたが、今月はポストシーズンを横目に準備期間となりそうだ。

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