横浜DeNAベイスターズは1月27日、2023年シーズンから加わる新外国人選手の2名、ウェンデルケンとアンバギーの入団会見を行った。また、ソトがこの日に来日したが、オースティンとガゼルマンは2月中旬以降となることも判明した。
ウェンデルケン49、アンバギー42
2021年、2022年はいずれもコロナの影響を受け、新外国人選手の来日が大幅に遅れた。春季キャンプ前のこの時期に入団発表を行うことができるのは久しぶり。日本の野球や文化、そしてチームに慣れる上でも春季キャンプの1ヶ月は非常に重要だと思うので、まずは一安心。怪我無くキャンプを完走し、チームの戦力になってもらいたい。
この日は、入団会見がベイプラでライブ配信された。スーツで登場したウェンデルケン、アンバギーは来日して間もないが、日本やチームの印象などを語り、チームに貢献することを誓った。その後、新しいベイスターズのホームユニフォームに袖を通し、ウェンデルケンが背番号49、アンバギーは42を披露した。
いずれも外国人選手がよく付ける番号に落ち着いた。ウェンデルケンは、体が非常に大きい印象。アンバギーは守備が良く、足もあるという話だったが、スタイルが良くカッコイイ印象だった。ウェンデルケンは、好きな日本食に寿司を挙げ、さらにセブンイレブンの総菜もおいしいとコメント。二人とも日本の文化にも溶け込もうという意識が見られた。
ウェンデルケンは、「マウンドでブルドッグのような力強さを持って、打者と対戦したい」とコメントし、「ハマのブルドッグ」が定着するだろうか。力強いストレートのパワーピッチャーだが、変化球がどこまで武器として通用するかが活躍の鍵になりそう。キャンプやオープン戦での投球に注目したい。
アンバギーは数年前から日本でプレーしてはどうかという話があったそうで、日本ハムにドラフト指名されて入団した加藤豪将とはチームメイトだった。同じ野手ではあるが、勝ちたいとライバル心も見せていた。アピールポイントは守備を挙げていた。そこに心配がないので、あとはバッティングがアジャストできれば。
変化球の多いセ・リーグの投手に対してどう対応するか、こちらもキャンプ後半からの実戦で注目したい。オースティンが開幕に間に合わないようであれば、アンバギーにもチャンスが出て来るし、戦力になってくれれば層が厚くなる。
京田、笠原の移籍組に加えて、新外国人の2選手とルーキー4人、2年目の小園と注目株の勝又もいて、A班のキャンプはフレッシュな選手も多く、非常に楽しみだ。
ガゼルマンはパスポートの盗難被害
1月上旬に「ソト、エスコバーが早期来日」という記事を見ていたため勘違いしていたが、実際に来日していたわけではなかった。この日、ソトが来日。沖縄入りが31日と思われるので、十分余裕を持った来日だと思う。エスコバーも近日中に来日するのではないか。
しかし、オースティンとガゼルマンは2月中旬以降になる見通しであることが判明した。オースティンは昨年10月に右肘の靭帯修復術を受けているので、まだキャンプではリハビリになるだろう。昨年の4月に手術を受けた際には、すぐに日本に戻って来てリハビリをしていたので、今回もキャンプ初日から日本でリハビリをするのかと思っていたが、合流時期を少し遅らせるようだ。
オースティンはもうベイスターズ4年目なので、合流が送れること自体は問題ない。開幕戦の出場も可能性はかなり低いので、しっかりと仕上げてくれれば良いと思う。最悪がやはり右肘がダメで、トミージョンで再々手術というパターンなので、そうならないことを願う。
ガゼルマンは、パスポートが盗難され、再発行などの手続きが必要となり、来日が遅れる。これはアクシデントなので、どうしようもない。ただ、昨年は7月に入団しており、日本でのキャンプを過ごしていないので、できれば早く合流したいところだっただろう。
MLBのキャンプは2月中旬くらいから始まるので、かつては外国人選手は第3クールくらいからの合流というのはよくあったこと。初日から合流できない分はアメリカでトレーニングし、調整できれば良い。キャンプ後半からローテーション争いに加わってくれることを期待したい。
ピープルズが引退、マイナーでコーチに就任
もう一つ外国人選手のニュースがあった。2020年に入団し、3年間ベイスターズで活躍したピープルズが引退し、マリナーズ傘下2Aアーカンソーの投手コーチに就任した。
来日する前から「武」の字のタトゥーを刻む親日家。2020年の来日では先発として期待されたが、外国人枠の関係もあり開幕ローテーション入りはならず。10試合に登板、7度の先発で2勝2敗だった。力のあるストレートに魅力があり、2021年も契約を延長された。
2021年はコロナの影響で来日が遅れ、5月3日が最初の登板となった。勝利で飾り、ここからローテーション入りしたが、6月19日に東京ドームでの主催試合で投球中に倒れ込み、そのまま降板。腰を痛めて長期離脱となった。9月下旬にリリーフとして復帰し、シーズンの最後までリリーバーを務めた。
2021年オフは他の外国人選手の兼ね合いもあり、去就がなかなか発表されなかったが、2022年の春季キャンプ前の1月下旬に残留が決まった。開幕後はリリーフとして2試合登板したが、コロナの影響で石田、濵口と先発投手が離脱した為、4月22日に初先発。しかし、この登板で腰痛が再発し、ファームでの再調整となった。
7月にピープルズが本人からアメリカに戻って治療したいという意向が示され、ウェーバー公示を経て自由契約となっていた。日本を発つ際にはファンに向けて感謝のメッセージを残していた。
おそらく腰の状況があまり良くならず、現役としてのオファーも絶望的なところから、31歳の若さながら指導者への転身を決意したと思われる。通算で31試合5勝8敗、防御率4.91。数字としては活躍したとは言い難い部分もあるが、日本やファンへの思いも含めて人柄が印象的で、先発とリリーフで期待できた投手だった。コンディションが万全な中でやれれば、もう少しできたと思うが、引退ということでお疲れ様という声をかけたいと思う。
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