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28歳右打ちのアンバギー外野手を獲得

横浜DeNAベイスターズは12月23日、トレイ・アンバギー外野手と2023年シーズンの選手契約を結ぶことを発表した。外国人選手はこれで6人目となる。1軍の出場選手登録は5人、出場は4人までとなる。右肘の再手術を受けたオースティンが、開幕に間に合わないことを想定した補強と見られ、外国人枠の争いに割って入ることが期待される。

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MLBは4打席もプロスペクトの評価も

アンバギーは、2015年のドラフトでヤンキースに指名され、入団。ルーキーリーグで打率.333、14盗塁をマークした。2016年、2017年はヤンキース傘下のタンパ(A+)、2018年は同じくトレントン(AA)で経験を積み、順調にステップアップ。当時はプロスペクトとしても名前が挙がっていた。

2019年にAAAのスクラントンで22本塁打、打率.275を残し、メジャーデビューへ順調に来ていたが、2020年は開幕でメジャーには上がれず、新型コロナウィルスの影響でマイナーリーグの試合が全て中止となり、公式戦の出場がなかった。

その影響もあったのか、2021年はAAAでのスタートとなり、シーズンの後半に新型コロナウィルスの陽性判定を受けた選手と入れ替わりでメジャーに昇格し、デビューを果たしたが、僅か2試合4打席の出場に留まり、再びマイナーへ降格した。

2021年オフにFAとなりレッズ傘下に移籍。AAAのルイビルでは7本塁打も打率.226と低調。シーズン途中にトレードでマリナーズ傘下に移籍していたが、20試合で.172と数字が上がらず、8月11日にリリースとなっていた。

獲得報道には大砲という見出しが躍った。確かにAAAで22本塁打というシーズンはあるが、どちらかというと中距離でスピードのある選手のようだ。2017、2018年はA+、AAではあるが二桁の盗塁をマークしている。守備もセンターに就くこともできるレベルのようだが、ここは実際にキャンプで見てからという感じだろう。

2019年まではマイナーで順調にステップアップしたが、新型コロナウィルスの影響で2020年にマイナーが止まってしまったこと、ヤンキースのメジャー枠の厚さに跳ね返されてしまったというところか。2022年からヤンキースを離れたが、なかなか結果を出すことができずにリリースされたところ、ベイスターズが声をかけたという形だろう。異国の地で心機一転、飛躍できるか。

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TA開幕不在、細川の放出から必然と

ベイスターズの事情としては、外野はセンターに桑原、レフトは佐野とレギュラーがいる。ソトがファーストでしっかりと出場できるコンディションであれば、ライトしか空きがない。そのライトは、オースティンが1年間フルで出場して欲しいところだが、10月に右肘の靭帯修復術を受けており、開幕には間に合いそうもない。

そうした中、先日の育成ドラフトでは右打ちの外野手である細川を放出した。蝦名は内野手にチャレンジという話もあり、右打ちの外野手を補強することは必然だった。とは言え、既にオースティン、ソト、エスコバー、ガゼルマン、ウェンデルケンと5人の外国人選手がおり、開幕には間に合わなくても、6月ごろに復帰できればオースティンは外せないところで、外国人野手を獲得すれば、サブに回る可能性も高くなる。レギュラー級の選手を獲得するのは難しい状況だった。

その中で、MLBでの実績はほとんどないが、かつてプロスペクトと言われ、やや境遇にも恵まれていなかったアンバギーを推定年俸3,500万円で獲得したのは良い狙い目だと思う。彼が日本で開花するかどうかは分からないが、もしチャンスを掴んでジャパニーズドリームを実現すればチームにとっても大きい。

通年のレギュラーとなるとなかなか難しいが、現状のベイスターズの外野も、オースティンに代わる外国人選手が絶対にレギュラーを獲ってくれないと困るという状況でもない。一番手としては楠本がライトのレギュラーに近い存在で、大田も控えている。メキシカンリーグに参戦した関根、背水の陣となる神里もいる。内野のポジションも狙う蝦名、2年目の飛躍が期待される梶原も虎視眈々と狙う。

さすがにもう来年は、新外国人選手がキャンプ前に入国できないということは、本人が陽性判定を受ける以外ではないだろう。キャンプからしっかりと日本の野球に慣れ、オープン戦で実戦を積むことができれば、オースティンの代役として開幕1軍さらにはスタメンの可能性も秘めている。スピードもそれなりにあって、守備も良いのであれば、狭いハマスタでホームランを放って攻守に活躍できる可能性もある。

オースティンにとっては、外野で外国人枠を争うライバルということにもなるが、3歳年下ながら同じヤンキースに入団しプロスペクトと言われ、後を追うようにMLBを目指した後輩でもある。きっと日本で活躍するためのアドバイスは惜しみなく送るだろう。ソトがロペスにアドバイスされたことを、オースティンに伝えたように、アンバギーにもその教えは引き継がれていく。

キャンプでアンバギーのプレーを見るのが楽しみだ。

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