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森唯斗、中川颯、堀岡を獲得 エスコバーは退団へ

横浜DeNAベイスターズは17日、戦力外となっていた3選手の獲得を発表した。前ソフトバンクの森唯斗、前オリックスの中川颯は支配下、前読売の堀岡隼人は育成選手となる。背番号は未定。また、エスコバーがXで横浜への別れと感謝を綴ったポストを発信し、移籍が決定したことを示唆した。

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森唯斗は4.1億円減の5000万円

森唯斗が戦力外通告を受けた後、いち早く調査しているという報道がされ、他のチームが調査しているという情報を目にすることがなかった。水面下で進めて、情報が漏れない最近のベイスターズにしては珍しい展開だと思ったが、これはあえて調査していることを情報として出し、囲い込んだ形なのか。

戦力外通告を受けたとは言え、推定4.6億円の4年契約が終わった森唯斗に対して、他球団との争奪戦になった場合、どのくらいの条件になるのか注目していたが、この日の報道によると5,000万円と推定されている。さすがにそこまで下がるとは思わなかった。

ソフトバンクの減額制限を超える条件に対して、同意できずに自ら自由契約を選んだのかと思ったが、他の選手と同じく戦力外通告を受けただけのようだ。すぐにベイスターズ一本に絞るような要素も見当たらないし、実際はそれほど争奪戦にはならなかったということか。

2021年に故障が原因で不振に陥りクローザーを外れると、2022年はケガで出遅れ、ファーム調整が長くなった。ストレートの球威が落ちて打ち込まれることが目立ち、先発に転向。しかし、2023年のキャンプでは内転筋を痛めて離脱。5月にも内転筋を痛めており、故障が目立ってきている。

他チームのファンとしては2018年からの3年連続30セーブを始め、リリーバーとしての実績が頭にあるので、あの森唯斗が5,000万円で獲得できたとなれば、これはすごい補強だと思うかも知れない。しかし、特に1年間フルで1軍の戦力になるかどうかという点で、かなり懐疑的に感じている。交流戦のPayPayドームで対戦した時に、2回2/3で5失点した姿しか見ていないので、先発への転身は難しいのかなという印象も強い。

とは言え、今永がMLBへ移籍し、石田がFAを行使。バウアーも残留するかどうか分からない中で、不要な戦力などないし、2億、3億の大枚をはたいているわけでもない。先発転向になった経緯を考えると、ここからリリーフに戻ることはなかなか考えづらく、先発投手としてモデルチェンジし、ローテーションに定着できるか。

最後の実戦は、ファームの日本選手権か。ソフトバンクがどういう方針だったのか分からないが、この数日後に戦力外通告をすることになる投手を先発に立てている。この試合も判断に使われたのか。ちなみに2番手は読売へ移籍した高橋礼で、泉も投げており、増田は5番でフル出場した。

3回にオコエのタイムリー二塁打で失点し、3イニングで降板したが、変化球を主体に打ち取っている。いわゆる4シームのストレートはほとんど投げておらず、カットボール、ツーシームにナックルカーブ、チェンジアップ、フォークと多彩な変化球を操っている。

2023年のウエスタンでは、12試合64.1回を投げて防御率1.54と、先発投手としてもファームレベルでは寄せ付けていない。四球も僅かに7で、三振は57とストライク先行で投げられていることが窺える。これらから考えると、先発投手へのモデルチェンジは既に済んでおり、本人もある程度の手応えは得ていると思われる。

経験が豊富な投手で能力もある。この3年はケガに悩まされているが、コンディションが整えば大きな戦力になる。ファームとは言え、森唯斗ほどの成績を残せる投手は現状のベイスターズにいないわけで、彼らの成長に期待はするが、すぐに戦力となるとしたら森唯斗になるだろう。年代的には、三嶋と康晃の間ということになる。まだまだ衰えるのは早過ぎる。とにかくコンディションをいかに整えるか。

背番号38は田中俊の退団で空いている。同じ番号を選ぶのか、別の番号を選ぶのか。12なら風貌が似ていると話題の伊勢と並ぶことになる。森唯斗の気迫がこもった投球、味方を鼓舞するようなガッツポーズが、ハマスタで何度も見られることを願いたい。

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1998年世代の投手2名が加わる

2023年はオリックスで育成選手だった中川颯は、支配下登録での獲得となった。横浜市戸塚区出身で、桐光学園から立教大へ進み、オリックスからドラフト4位で指名されたアンダースローの投手。入江、牧、山本らと同じ1998年世代。

ルーキーイヤーに開幕1軍メンバー入りしたが、登板なく登録抹消。7月14日にリリーフとして1イニングでプロ初登板。しかし、3年間で1軍の登板はこれだけ。ルーキーイヤーはファームで41試合に登板。40イニングで48三振を奪い、1.13の防御率をマークした。

しかし、2年目の2022年はキャンプで肩の不調を訴え、ウエスタンでは6試合の登板に終わった。7月以降は登板なくシーズンを終え、育成選手となった。2023年は肩の影響で4月までは登板がなく、5月以降に復帰して21試合に登板した。32回2/3で34奪三振、防御率1.38をマークした。

こうして見ると、肩の故障が影響した2022年以外は、ファームでも素晴らしい数字を残している。オリックスの分厚い投手陣の中で、支配下登録のチャンスを得られなかった。故障の懸念もあり、戦力外という形になったのかも知れないが、そこに問題がなければ非常に期待できる戦力だろう。

奇しくも高橋礼もセ・リーグに移籍したが、リーグに関係なくアンダースローは貴重な存在。ちょうどオリックスでファームを担当していた入来コーチがDeNAに復帰したことも継続性という意味ではプラスになるだろう。まずはコンディションを整え、しっかりと来春のキャンプでアピールし、リリーフで1軍での立ち位置を掴みたい。

堀岡は秦野市の出身。青森山田高に進み、読売に育成7位で入団した。奇しくも堀岡も1998年世代で、球団がこの世代を軸にしてチームを構成しようとしているのか。(細川の放出は残念)

3年目の2019年にファームで好成績を残し、7月末に支配下登録を受けた。高卒の育成選手としては、球団初の支配下登録だった。8月1日にプロ初登板し、この年は3試合の登板。

2020年は12試合に登板したが、8月6日の阪神戦では4点ビハインドで登板も、1アウトしか取れずに7失点で降板。野手の増田大が登板することになり、話題となった。2021年は1軍での登板はなく、オフに再び育成選手に戻った。

2022年はファームで30試合に登板し、41.1イニングで48奪三振、防御率2.83をマークしたが支配下登録はならず。2023年は再び支配下登録され、1軍では3試合に登板したが、防御率13.50と結果を残せず。シーズン終了後に戦力外通告を受けた。

2023年のファームは、43試合5勝1敗8S、53イニングで57奪三振、防御率1.87、WHIP 0.83をマークしており、数字としては非常に良い。それでもやはり二度、支配下登録されたが1軍で結果を残せず、典型的な1.5軍の選手となってしまっており、戦力外通告を受けたと思われる。

150キロを超えるストレートは持っているが、変化球が生きるような球威を感じさせることができていないのではないか。あとはやはりコントロールだろう。球質や投げ方は異なるだろうが、中川虎大のような感じかと推測する。動作解析を専門とする八木コーチらファームのスタッフと相談し、ストレートの質を上げることができれば。今年、宮城が出てきたようにリリーフとして台頭したら面白い。

リリーフに関しては、この二人が加わることで既存の投手たちも含めて、競争の中で成長することで底上げできればというところか。

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エスコバーは新たなページへ

この日、エスコバーがXで横浜への感謝と別れをポストした。

2017年に日本ハムに新外国人投手として入団。ロングリリーフ要員として考えられていたが、14試合で防御率5.64と結果を出せずにいた。そうした中で、「(黒羽根との)トレードでDeNAへ移籍したことで、自分のキャリアの全てが変わり、より良くなった」という振り返りから始まったポスト。

横浜での経験は野球人生の中でもベストなもので、ファン、チームメイト、スタッフに感謝を述べている。そして、上記のポストにある通り、「これまでのページを閉じて、新しいページを始める時が来た」としている。さらに、「さよならとありがとうを言う時間」とファンやチームに別れを告げた。

以前に書いた通り、ベイスターズからの条件提示を受けて、他球団の評価を聞きたいということでウエイバーにかけられ、その後も残留交渉を行って来た。最近ではMLBへの復帰を検討しているという情報もあり、やはりベイスターズからの大幅減俸、つまり評価が低いことは受け入れられなかったのだろう。次の道がMLBなのか、NPBの他球団なのかは分からないが、葛藤の末にエスコバーが下した決断なので、受け入れるしかない。

既に自由契約としたことを公式発表しているので、ベイスターズからこの先発表はないと思う。あったとしても、残留交渉を打ち切られたという情報くらい。新たな移籍先から獲得の情報がリリースされることが正式発表という形になるだろう。

ベイスターズが残留オファーを出さなかったわけではないようなので、何がなんでも残るつもりがあれば、それはできた。それでも、エスコバー自身がここまで積み上げて来た実績とプライドもあるだろう。そこも尊重すべきだと思う。

7年間、ベイスターズのために黙って投げてくれたことは、非常に感謝している。後にも先にも、ここまで登板する外国人投手はいないのではないか。厳しい場面で毎日のように投げていた姿は忘れることはないだろう。記録にも記憶にも残るリリーバーであり、大きな功労者。どういう形になるか分からないが、「いつでも心の中で特別な場所」とポストした横浜の地でまた会いたい。ありがとうエスキー。

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