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ホームランより今日の勝ちの方がうれしい

07/29 読売2-3横浜DeNA@東京D

高城とはそういう男だ。打っては読売先発の戸郷からプロ3本目(日本シリーズ除く)という値千金の2号2ラン。守っては専属捕手として濵口を盛り立て、4回までノーヒットピッチング。6回途中で継投に入ると、いつもとは違うリレーをリードし、勝利に導いた。文句なしのヒーローだったが、彼らしく喜びを表現した。

ポジ

涙の別れからちょうど2年

2018年7月9日、不振が続いていたベイスターズは、チームを活性化を図り、高城と白崎をオリックスへトレードし、伊藤光と赤間を迎え入れた。FOR REAL 2018では、ロッカールームでの最後の挨拶の場面が入っており、涙しながらハマスタを去る姿に、見ているこちらも涙が溢れた。

昨年末、移籍後1年あまりで戦力外通告。今年27歳の捕手は、愛した横浜へ戻ってきた。ベイスターズには、トレードの相手となった伊藤光が4年契約で残留し、レギュラーキャッチャー。戸柱、嶺井と経験を重ねた捕手もバックアップしており、高城の入り込む余地は少ない。それでも既に益子が付けている「32」ではなく「36」の新しい高城として古巣へ復帰した。

キャンプ、オープン戦と濵口の専属捕手としてバッテリーを組み、その相性の良さは健在だった。そこで、ラミレス監督も特例2020を生かしつつ濵口とバッテリーを組んで、登録を外れる形で2週に1回でも、2桁勝利をマークしたことのあるバッテリーを復活させるプランを立てた。

高城からすれば、濵口が先発する時しかマスクを被れず、1試合だけ出場して2軍へ戻る生活となる。フェアな競争とも言えないような境遇の中で、一度クビになった男の強さと、チームに少しでも貢献したいという思いで、コロナ禍の開幕に向けて準備をしてきた。

濵口のボールを受けファームへ戻る生活

最初の登板ではもう少しで完封という最高のピッチングを引き出したが、9回途中で山崎にスイッチすると同時に嶺井と交代し、勝利はベンチで見届けた。翌日に登録抹消となり、その後はファームの試合に出場した。2週間後の7月8日にマツダスタジアムまで行き、登録されて濵口とバッテリーを組んだが前週に続いて6回途中で降板となり、勝てなかった。翌日再び登録を外れ、横浜へ戻った。

伊藤光が登録抹消となり、変則的に濵口の登板がない19日に登録されたが、ベンチに入ったものの出番はなかった。有事の際にマスクが被れるように、第三捕手として待機しつつ、ベンチでチームメイトに声をかけ続けた。逆転を許した守護神にも、きっと。

22日には濵口の3回目のバッテリー。初回から2点の援護をもらうが追いつかれる。リードを貰っても守れない投球が続き、またも6回途中で濵口が降板。高城は8回の打席で代打を送られて交代し、チームは引き分け。6連敗を止めることができなかった。

この日、今季初めて2週連続でバッテリーを組むことになった。初回から四球を出すなど、3回までに5四死球。梶谷のソロで1点のリードをもらい、4回からコントロールが落ち着いてきた。5回で100球に達することも多かったが、79球で投げ終えて勝ち投手の権利を得た。

5回には、戸郷のスライダーが高めに甘く入ったところを振り抜き、左中間へ2号2ラン。出場2試合連続のホームランとなった。それまでプロでは2015年に打った、たった1本だった男がまさかの連弾。しかもチームが苦手とする戸郷から。これには思わず、信じられんとツイートしたくらい。

自らの援護で濵口を勝たせたいという思いでリードしていたが、6回に丸に甘く入った変化球をライトスタンドへ運ばれた。今季は2試合目以降、4試合連続で6回途中で降板していた。その嫌な思いが2人を包んだが、坂本、岡本を抑え2アウト。6回を投げ切れそうだと思ったところで、ウィーラーに3-1から投じたストレートが高めに浮き、ライトスタンドへ運ばれた。6月の対戦でホームランを打たれている中島を迎え、無情にもラミレス監督が交代を告げた。

濵口の、チームの勝利を掴むために

マウンドに上がったのは平田。ここまでまずまずの投球をして来たが、ホールドはゼロ。初めてリードしている競った展開で登板した。中島、陽と勝負し切れず歩かせ、同点のピンチ。濵口をリードしている高城は四球にも焦っていなかった。読売が勝負をかけて代打の大城を送ってきたが、平田の武器であるスライダーではなく、フォークを続けて三振に仕留めた。平田は今季初ホールドをマークした。また一つ自信が持てたのではないか。

続く7回はスタンドがどよめいた。クローザーの山崎が配置転換で登板。重信に盗塁を許したが、本来の調子ではない山崎を盛り立てて、何とか無失点で切り抜けた。坂本に投げた最後の球は甘かったが、無失点という結果をプラスにして自分を取り戻してもらえればと思う。

同じく前回の登板で打ち込まれたパットンも、ウィーラーを歩かせ、代走の増田大に何度も牽制球を送りながら、苦心のリードで導いた。ここでも盗塁を刺せなかったが、吉川尚、陽を連続三振で切り抜けた。

初セーブを挙げても変わらぬ三嶋

最後の9回は三嶋。先頭の大城に対して、初球、2球目と外角のコース一杯に153キロのストレートを投げ込んだ。素晴らしいボールだった。1球も打てるボールを与えず三振。しかし、亀井には過去に打たれた記憶が蘇ったのか、力んでしまい3-1。渾身のストレートは真ん中高めへ行ってしまったが、球威で差し込んでレフトフライ。

重信を出してしまうと、再び盗塁されて同点のピンチとなる可能性があった。初球、あまり投げないカーブでストライクを取った。ここが高城の機転によるポイントだった。次のフォークを空振りさせ、最後はこの日うなりを上げていたストレートを投げ込み、空振り三振。三嶋がプロ入り229試合目で初セーブを挙げた。

三嶋はルーキーイヤーに6勝を挙げ、将来のエースと期待された。2年目で開幕投手を務めた。この試合を忘れることはない。神宮の開幕戦にテンション高く行ったところ、初回に西浦のプロ初打席3ランなどで7失点し、2回で9失点だった。3年目までは先発として期待されていたが、石田、今永、濵口らの左腕が台頭し、徐々にその存在感はなくなる。

2017年はプロ入り初めて未勝利で終わり、2018年からリリーフに転向した。昨年は70試合に登板し、フル回転でブルペンを支えた。最初はビハインドでの登板やロングリリーフだったが、徐々に勝ちパターンで欠かせない存在となった。一時期の迷いは消え、とにかく打者に向かっていくこと、腕を振ること。細かいコントロールは気にし過ぎず、自分のボールに自信を持って投げられるようになった。その姿勢は、セーブシチュエーションで登板したこの日も変わることはなかった。エスコバーの選択肢もありながら、三嶋をチョイスしたのは正解だっただろう。

この難しいリレーを完成させ、フル出場でベイスターズに勝利をもたらすことが出来た充実感が何よりも高城の喜びだった。ホームランを打ったことよりも、濵口を勝たせることができた、チームを勝たせることができた。謙遜もあるかも知れないが、それが彼の本音なのだろう。そんな高城の姿と、涙の別れが重なり、この日も涙が溢れてしまった。これでやっと言えるのだろう、高城はベイスターズに復帰した、と。

ヤジ

この試合に関しては、勝ったという事実があればそれで言うことはない。楽ではない試合をよく勝ち切ったと思う。

キジ

首位の読売を相手に、1点差の試合で逃げ切れるようなリリーフの状態じゃない。誰もがそう感じていたはずだ。それでも、いつもとは違う役割で登板した投手たちが、高城と協力し、必死に守り抜いた勝利。心をひとつにして掴んだこの勝利は、とてつもなく大きいものだと思う。

だからこそ、何としても勝ち越したい。2勝6敗では首位の快走を許す戦犯のままだ。戸郷から3点を挙げ、早めに降板させたが、4人のリリーフにパーフェクトピッチングで抑えられた。逆転されてもおかしくない流れだった。3戦目は、オースティンも戻ると思うので、打線の援護で投手を盛り立ててもらいたい。

伊藤光はやはりファームの試合に出場しなかった。明日以降も高城が残ることになるのだろうか。そうであれば、高城にもチャンスを与えるべき。勝手に濵口専属と決めつけるようなものではない。勝っている流れをそのまま維持して大きくしていくのが、監督の役割だ。自分本位で流れを断ち切って「勝ったり負けたりするのが野球」と言っている監督は、優勝チームには不要だ。

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