08/13 イースタン 東京ヤクルト3-11横浜DeNA@戸田
DeNAは坂本が先発。6月25日の中日戦で、プロ初登板初勝利をマークしたが、この試合で足を捻挫し、約1か月半実戦から遠ざかっていた。当然ながらまだ試運転という段階。ここから9月の1軍復帰を目指したいところ。試合は前日に続いて埼玉のゲリラ豪雨により、6回裏途中雨天コールドゲーム。
ポジ
1軍クラスを打ってこそ
ヤクルトはスアレスが先発。今年は既に2勝を挙げ、防御率は0.53をマークしていたが、7月9日に再調整のため登録抹消。10日後に投げるとされていたが、ここまでファームでの登板すらなかった。何らかの故障があったのだろう。この試合が今季ファームでの初登板となった。ちなみに、前日9回裏にあと一歩まで追い詰めた阪神のスアレスは実弟。
コンディションは万全ではないだろうが、1軍クラスの投手を打ってこそ1軍で活躍できる。上がっても活躍できなければ行ったり来たりを繰り返すだけ。そういう意味で155キロ超のストレートを持つスアレスとの対戦は興味深かった。
いきなり宮本が3球三振。ストレートに完全に振り遅れていた。やはりファームクラスだと当たらないかと思ったが、2番の森は初球の155キロを見送ると、2球目にファーストコンタクトで151キロを三遊間へ。コースヒットという感じで内野安打。なかなかの対応力を見せる。伊藤裕の二ゴロが野選と失策で1アウト1、3塁のチャンスで4番細川。こちらも152キロのストレートをきっちり捉えてライト前へクリーンヒット。先制タイムリーとなる。けっこう打てている。
知野も153キロをサードの頭を越えるレフト線タイムリー二塁打。蝦名は152キロに完全に詰まってショートゴロ。細川が三本間に挟まれたが、ヤクルトの挟殺プレーにミスがありオールセーフ。デラロサは155キロのストレートに振り遅れていたが、140キロのツーシームを引っ掛けた打球が高く弾んでファーストの頭を越え、2点タイムリーになった。飛雄馬は130キロのスライダーを引っ掛けてショートゴロ併殺打だった。
スアレスは故障明けということもあり、もともと1イニングだったようで5失点で降板した。スピードガンではまずまず球速は出ていたが、ボールのキレという意味では本来のものではなかったかも知れない。
宮崎が離脱なら右打者が必要
12日の阪神戦でガンケルから死球を受け、そのまま交代した宮崎。心配されているが、13日の公示締切の時点では登録抹消には至っていない。病院に行ったのかどうかも不明なので、現状は様子見なのかも知れない。14日の試合前に判断ということもありそうだ。
宮崎が離脱となれば、右打者の補充が必要になる。その候補が伊藤裕だろう。今年は期待されたが、キャンプでの実戦で結果を出せず、ファームで開幕。開幕からしばらくノーヒットが続いたが、ようやく最近調子を上げてきた。
4回にヤクルトのルーキー大西の145キロストレートをおっつけて右中間を破った。1塁ランナーの森が一気に生還してタイムリー。6回には変化球を一二塁間へ運んでマルチヒット。逆方向へ良いバッティングが出来ている。彼については、昨年もこの時期に僅かな1軍のチャンスで、重要な場面で活躍した勝負強さがあるので、宮崎が抜けるならぜひ上げて使ってみて欲しい。
内野となると他には飛雄馬がいる。彼も力強いバッティングが持ち味だが、今年はファームでもなかなか結果が出ていない。中井をサードに入れる場合に、代打の補充であれば飛雄馬の選択肢もある。
外野になってしまうが、1軍で見たい右打者が二人。桑原が上がったタイミングでも触れた細川。1年目はすごいペースで三振していたが、4年目の今季はボールを選ぶことができるようになっており、右方向へ巧いバッティングも披露している。この試合でも初回に見事な右打ち。さらに2つの四球でチャンスを作った。28試合で28三振と減少傾向で、打率.315に加えてチームダントツトップの19四球を選んでいる。出塁率は.445と非常に高い。ホームランはまだ4本だが、確実性がアップした。佐野のように、まず確実性を得て1軍で結果を出した上で、自分のフルスイングができるようにして行けば、あのパワーなら勝手にスタンドへ入るだろう。
そして、ラミレス監督が光るものを感じるということで開幕1軍入りした蝦名が、ケガから復帰。この試合では、第2打席で1-2からファウルで粘った後、146キロ高めのストレートをライトのポール際へ運んだ。右方向へ強い打球が打てるのは魅力だ。6回にも満塁から変化球を右中間へ持って行き、2点タイムリー二塁打。ラミレス監督が期待するだけのものは見せている。
ヤジ
濱矢が少し残念だった。この試合は、自責点ゼロで勝利投手になっている。10試合で1勝1敗、防御率3.46と数字だけ見ればまずまずな感じもある。ただ、ちょっとどういう投手になって行くのか見えなかった。
濱矢の特徴としては、変則的なフォームにある。特段球威があるわけでもないし、ウィニングショットになる強力な変化球もない。球種もそんなに多くないので、コースを狙って行く必要があるだろう。
ただ、濵口のようにボールが荒れることがあり、坂本に負けず2イニングで4四球。フォーム的に球離れが遅くてスピードガン以上の球威があるのかなと思ったが、そこまででもない。ファームで何とか抑えてもその先が見えて来ない。ベンチの起用方法も疑問だが、先発なのか中継ぎなのかもはっきりしない。1軍で生きていくには、左は絶対に抑えるとか、三振が取れる変化球があるとか、特徴が必要だ。そういったものを意識して日々取り組み、試合で成果として出して行く必要があるだろう。
キジ
坂本はおそらく50球をメドに登板ということなのだろう。4回裏2アウト1塁から初ヒットを許したところで58球となり、交代した。立ち上がりからボールが高めにしか行かない感じで、四球を連発していた。時々低めに来るボールで併殺を取ったり、失点しない投球ができたのは、まずはプラスか。
ストレートは最速で148キロを計測していたし、打者も押されている感じがあったので、球威については心配ないだろう。久々の実戦で感覚も戻っていないだろうから、コントロールが定まらなかった点は修正できるだろう。
1失点にはなっているが、代わった濱矢がいきなり歩かせて暴投によって与えた得点。結果として1安打に抑えているので、上々の復帰と言っていい。しかし、やっと50球を投げてみての試運転なので、今後徐々に球数とイニングを増やして行って、ということになる。ここまで長引くケガとは全く思わなかったが、ルーキーだし特に難しいシーズンになっているから、無理しない方が良い。
大卒ルーキーの2年目の故障が続いているので、ここで調整する期間ができて良かったというように考えておきたい。9月に1軍で先発できるようだとローテーションがより一層厚くなるのではないか。阪口も非常に良くなっているし、京山も復帰して、素晴らしいボールを投げているので、現在の1軍のメンバーに疲れが見えたところで、若い彼らがチャンスを得て、結果を出してくれれば将来も楽しみだ。
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