06/18 横浜DeNA4-7広島東洋(東京ドーム)
史上初めてセ・リーグのチームが東京ドームで主催した試合は、濵口の大乱調で序盤に広島が大量点。交流戦が終了し、リーグ戦が再開されたが、いきなり最下位に逆戻り。交流戦3位がウソのような、最下位野球に再会してしまった気分だ。打線は広島を上回る12安打を放ち、終盤に追い上げたが、先発が壊した試合をひっくり返すには至らない、いつものパターンだった。
ポジ
桑原が5号ソロを含む3安打。初回は初球の甘い球を積極的に打ちに行った。1番打者が初球うんぬんはあるのだが、甘い球であれば行っていい。何でもかんでも振りに行くのは賛成しないが、こういうバッティングは桑原の長所。本人も8回の打席こそ打ちたかったと思う。あそこはフォークに引っかかってしまった。
宮崎も2本のタイムリーを含む3安打。交流戦でかなり復調してきていたが、打率.296と3割目前まで戻って来た。こちらも最後の打席が、となるが栗林からそう簡単に打てるわけではない。当てただけなのは残念だが、宮崎だけに責任を押し付けることはできない。
オースティンが全力で走ってた。とりあえず無事ならそれで良い。8回は代打の山下、関根がしぶとくヒットを放ち、大和にも得点圏での勝負強さが出て、一気に行くかというところではあったが、なかなか難しい。
濵口が3回途中で降板した為、櫻井が急遽登板。他の先発ならまだしも、前回完封でほとんどが6回前後まで投げている濵口だったので、気持ちの準備は十分でなかったかも知れない。菊池涼のピッチャーゴロを捕れず内野安打としてしまい、1点を追加されたが、その後は良く投げてくれたと思う。横から見ていたが、ストレートの力強さが出てきたように思う。スライダーはもともと一級品なので、ストレートの速さを意識させることができれば、もっとスライダーを武器に打ち取れると思う。
そして、平田が3イニングを1安打で無失点の好投。振り逃げも含めて6三振を奪った。8日の西武戦以来の久々のマウンドになったが、良い投球を見せてくれた。平田の投球があったからこそ、終盤の一発同点、逆転の場面が作れた。結果、負けたことには変わらないが、現地で観ている者にとっては最後まで夢を持てたことは大きかった。
ヤジ
濵口の投球が全て。初回はガンが厳しめの東京ドームで、145キロをマークするストレートで菊池涼から三振を奪うなど、上々の立ち上がりだった。
1回裏は先頭の桑原が初球をヒットし出塁すると、初回から伊藤光がバント。堅すぎると思ったが、濵口の立ち上がりも見て、1点1点重ねれば勝機が見えるというゲームプランだったと思う。
宮崎のタイムリーで1点をもらって2回のマウンド。松山をチェンジアップで空振り三振に取ったが、坂倉を迎えて急にストライクが入らなくなる。ストレートも130キロ台もあり、高めに抜けるような指にかかっていないボールだった。林にはそのストレートをレフト前へのコースヒットでピンチに。宇草はカーブを引っ掛けてくれて、ファーストゴロ。難しいバウンドで、セカンドにも投げにくいところだったがソトが捌いた。
これで9番の玉村を打ち取れば、というところだったが、表示された打率は.333。打数は少ないものの打席での雰囲気もあった。ストレートが来てないという感覚が伊藤光にもあったのか。1ボールからの2球目、カーブを要求して外れた。坂倉の時にも入っていないし、打ち気の打者でもないのに、この配球は理解できない。
そして、2ボール1ストライクからの4球目が叩きつけてワンバウンドのボール。これが致命的だった。1球速報は141キロのフォークになっているが、ストレートで力が入って叩き付けたように見える。3-1になってしまい、ストライクを取りに行くしかなくなった。最後のボールもフォークではなくて、置きに行ったストレートがお辞儀してしまっているだけのように見える。
体の重さなのか、どこか違和感があるのか。明らかに1回と2回は投げているボールが異なっていた。コントロールが突然悪くなるのはよくあることだし、ずっと全力ではなく抜くところがあってもいいが、ここまでボールに変化が起きることは考えづらい。
3回は2回の流れをそのまま引きずってしまった。野間に粘られ、最後は真ん中に入ったところをセンター前。正直、この打者を出してしまうと後がツラい。小園に繋がれると、鈴木誠には勝負し切れず、全て低めに外れて四球。松山も同様に、アウトサイドを狙うも入らずストレートの四球で押し出し。勝ち越しを許してなおもノーアウト満塁が続く。最初の打席にも歩かせている坂倉にも3ボールから1球だけストライクを取ったが、連続の押し出し。
さすがに濵口で3回というところでは交代できない。何とか凌いで欲しいという思いだったが、林にはアウトサイドのスライダーを右中間に運ばれ、走者一掃。ビッグイニングになってしまった。宇草は打ち取るも、玉村にストレートの四球を与えたところで降板となった。
開幕戦の初回もなかなかアウトが取れずに失点を重ねたが、それを大幅に上回る酷さ。今季最短の2回2/3での降板になったが、三浦監督は前回の138球の完封は影響ないとコメントした。東京ドームが苦手ということもあるかも知れないが、本当にそうか?影響があるという根拠も、ないという根拠も難しいと思うが、ここまで顕著に悪い投球は今までなかっただけに、そこに原因を疑うのは当然のこと。トレーナーも本人も、前回の登板後に特に異常を感じていたわけではないということだが、本人はこの登板で何かを感じたのではないか。
大乱調がこの試合だけで終わって、次の登板が普通に今まで通り投げられれば良いのだが、このまま不振が続いたり、最悪の場合で体に問題が発生して離脱するようなことがあれば、大問題だ。現状の先発投手では濵口だけは球数制限を大きくしているように思うが、それも根拠があることならいいが、大丈夫だろうくらいの楽観的な采配であれば言語道断。唯一、ローテを守っている投手だけに、次回以降の投球が気掛かりだ。
牧が今季2回目のスタメン落ち。交流戦終了後の練習から腰に張りを訴えていたそうで、この日は東京ドームに来て、練習も参加しないことにしたという。ベンチ入りはしたが、最初から起用の予定はなかったと思われる。
代わって出場した田中俊には、厳しい結果になった。このような経緯であれば、直前に急遽スタメンを言われたということはでないだろうし、そうだとしてもプロ4年目。こうしたチャンスをものにしなければならない立場。気合が入り過ぎて空回りしたのなら百歩譲れるが、際どい球を見逃し三振2つ、難しいバウンドではあったが、ゴロを下がって捕りに行って弾くという、受け身のプレーにはさすがに同情の余地はない。
柴田がファームで実戦復帰しており、この日のイースタンで3安打しており、復帰も近い。現状、7人が登録されている外野手から外すことにはなると思うが、こういった出場のチャンスを生かせないと1軍に残るのは難しくなってくるだろう。他の選手も結果を残しているとは言えないが。
キジ
濵口と玉村のマッチアップでこういうゲームになるとは予想できなかったが、得てしてこうなるのも野球ということか。交流戦3位とは思えない内容になってしまった。ホームゲームの広島戦と言えば劇的サヨナラの宝庫だが、この歴史的な試合でその再現とは行かなかった。当然のことを繰り返しになるが、やはり先発投手が試合を作ってくれないことには厳しい。
ただ、3回で1-7のゲームで最終的に栗林を登板させ、少しだけピンチを背負わせるところまで行ったことは素直に評価したい。佐野が150キロを弾き返したので、ストレートの走りも今一つなのかなと思ったが、オースティンのところで開き直って3点差の場面ではなく、1点差の場面というようにギアを上げた感じだった。さすがルーキーでクローザーを務め、記録的な無失点を続けた投手。
未勝利だった玉村も、6点リードをもらって、プロ初勝利を意識して崩れるのではないかと思っていたが、堂々とした素晴らしい投球だった。前回ホームランを打っていたオースティン、ソトがタイミング合わず三振していたので、彼も短い間に進化しているのだと思う。ここはプロ初勝利おめでとうと讃えておきたい。
順番としては京山とのところだが、2戦目はピープルズが先発する。先週火曜の西武戦で先発した後、登録抹消しなかったので、この3連戦での先発を予定しているとは思ったが、登板翌日に登録抹消すれば10日間で19日に再び登録することはできた。
坂本や京山も登録を外していないのは、新型コロナウィルスへの感染や濃厚接触者となるリスクを考えてのことか。そうであれば平時ではないし、代わりに上げる先発も乏しいので、登録抹消せずに運用するのも手段のひとつだろう。
相手は森下ということで簡単ではないが、何とかピープルズには試合を作ってもらいたいところだ。
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