06/27 阪神3-8横浜DeNA(甲子園)
2015年4月以来となる甲子園での同一カード3連勝を飾った。火を付けたのは桑原。初回にライト前ヒットでオースティンの先制2ランを呼びこむと、7号ソロにタイムリー三塁打とサイクルヒットにリーチをかける活躍。2度目の大記録は逃したが、リードオフマンとして暴れ回った。ソトが2発を放ち、オースティンとのアベックアーチ。4発8点の援護を受けた大貫が、少し苦しみながらも5回を投げ切り、4月6日以来の2勝目。
ポジ
サイクルヒットに一歩及ばずも3タテの立役者
前日、殊勲の逆転2ランを放った桑原が、この日も打線を引っ張った。
初回に秋山の甘く入ったストレートをセンターへ運んで出塁。オースティンの先制2ランで還り、初戦と同じ形で流れを呼び込んだ。2打席目も捉えた当たりのセカンドゴロで、バッティングの状態の良さが目に付いた。
5点リードで迎えた5回には、先頭打者としてカーブを捉えて左中間へのソロホームラン。少し泳いだように見えたが、前で捌いてしっかりと叩けていた。悪い時は引っ掛けた打球になっていたが、タイミングをずらされながらも粘り、ヘッドが走って強い打球が飛んでいる。
6回にも変わった石井大のスライダーを同じように捉えて、左中間を破った。代打の関根がレフト線の当たりで好走塁を見せて二塁打としたことにより、外野が前進守備を敷いていて三塁打になった。これにより、二塁打を残してサイクルヒットへリーチがかかった。
8回2アウト1塁で注目の打席が回って来た。2球目の真ん中に入って来たストレートを弾き返した打球は、僅かにライト線のファウル。達成か!?という当たりだった。3球目がワンバウンドになったところ、大和がセカンドへスタート。梅野が弾いて浮きあがったボールを素手で捕り、セカンド送球。見事なプレーでアウトになり、桑原の打席は持ち越しになった。
9回は岩貞との対戦となった桑原は、インサイドのストレートを押っ付けたが、センターの右へのフライに倒れ、自身2度目のサイクルヒットはならなかった。しかし、猛打賞をマークして打率は3割目前(.2995)となった。この3連戦は13打数6安打、2本塁打で4打点と3連勝の立役者となった。
月間打率も.356として月間MVPも視野に入るが、オースティンの数字が凄すぎて厳しいかも知れない。かつては7月が桑原の季節と言われたが、1ヶ月前倒しでやって来たようだ。7月は試合数が少ないが、このままオールスターまで全開でチームを引っ張ってもらいたい。
オースティン、ソトのアベックアーチは無敗
来日が遅れたがハイペースでホームランを量産する二人だが、揃い踏みは意外にも少なく、ここまで4月29日と6月5日の2度だけだった。いずれも勝利しているが、この日も3度目のアベックアーチが勝利に結び付いた。ホームランが出る試合はDeNAの勝ちパターンで、特にこの二人が打てば勝つのは必然でもある。
交流戦はまずまずの成績を残したソトだったが、リーグ戦再開後はノーヒットの試合が多く、今週は2試合でファーストのスタメンを牧に譲っていた。三振が多くなっており、タイミングが合わず、低めの落ちる球を見極められないという感じだったが、この日は高めに来たボールを左右に打ち分けてマルチホームラン。1本目の3ランは試合の主導権を握る、価値ある一発だった。
オースティンはこの日もマルチヒットで打率を上げた。初回は秋山の立ち上がり、僅かに落ち切らなかったフォークを拾って、センターバックスクリーンへの17号2ラン。3タテへ流れを掴む一発だった。4回は追い込まれてからカーブを右方向へ運び、ソトの3ランを呼び込んだ。
オースティンの6月月間成績は、打率.375、9本塁打、23打点、OPSに至っては1.331という驚異的な数字。ヤクルトの山田、広島の坂倉らも好成績だが、残り2試合で普通に打てれば昨年の10・11月に続いての受賞となる可能性は高い。
約3か月ぶりの勝利をキッカケに
マウンドに上がる前に、2点の先制をもらえたのは大きかったはずだ。それでも、立ち上がりは意識してしまったのか、腕が十分に振れていたとは言い難い。ストライクとボールがはっきりしていて、少し危ないと思ったが、1アウト1、3塁で大山から三振を取れたことで救われた。フルカウントから投げたアウトサイドのスライダーは、大きく外れていたが、ここは腕が振れていて、大山もバットを止められなかった。サンズもスプリットで三振を奪い、この連続三振が何よりも大きかった。
5回は久々の勝利に意識したのか、1アウトから甘く入ったボールを痛打され、3連続二塁打で2点を失った。なおも大山、佐藤輝と続く場面で、長打が出れば一気に試合は分からなくなるというところだったが、二人を何とか内野フライに打ち取り、5回を投げ切った。
6-0とリードしたので、先発投手、特に大貫くらいになれば7回くらいまでは投げて欲しいところではあったが、4月後半からの大不振でファーム落ちし、復帰のマウンドで、92球という球数を考えれば、6回の打席で代打の起用は致し方ない面もあるかなと思う。
良いとは言えない投球だったが、4月6日以来、約3か月ぶりを挙げたことをキッカケにして、次回以降は復調してきて欲しい。QSをマークして初めて復活と言えるだろう。
リーグ戦再開後、4試合続けて先発が5回持たずという状況だったが、敗れたものの今永が6回を投げ、この3連戦はいずれも先発投手に勝利が付いた。濵口は登録抹消となっているが、少し先発投手陣が持ち直して来た。ここに来週は有吉、上茶谷が入って来ることになるだろうか。先発投手が安定すれば、今の打力であれば連勝ができる。他の投手も続いて欲しい。
この日、FA権を取得した宮崎が、マルチヒットのバッティングはもちろん、守備でも魅せた。守備範囲は年々狭くなっているが、ハンドリングの巧さ、柔らかさは健在。難しいバウンドを再三、捌いて見せた。投手陣にとっても、心強かったはずだ。
ヤジ
攻撃面は文句の付けようがない。これぞDeNA打線という一発攻勢で12安打8得点。佐野のバッティングが物足りないところはあるが、毎試合打てるわけではないし、9回の5打席目できっちり1本出しているところが3割打者たるゆえん。
大貫の投球、三上のところが気にはなるが、まずは首位に3つ勝てたという事実が大事だろう。
キジ
読売に連敗で、交流戦での僅かな貯金を使い果たし、今季ワーストタイの借金17で迎えた首位の阪神戦。何とか踏みとどまりたいと思っていたが、まさか3タテを食らわせるとは想像もしていなかった。濵口も前回の投球からどうなるか分からなかったし、復帰の阪口、大貫も5回を投げてくれるのかという不安があったが、開けてみれば先発3人に勝利が付く3連勝。
今季まだ2度目という3連勝なのだが、首位との同一カードで果たすことになるとは。甲子園での3タテは2015年4月以来。中畑監督最終年で、3タテを含む4連勝で波に乗り、交流戦までに貯金11で首位に立った年だった。最終成績はご存じの通り。
これで苦手の阪神戦は5勝7敗とまだ見られるレベルになって来た。一方で、読売に対しては先日書いた通り10戦未勝利で球団ワーストタイ。阪神ファンから読売の犬と言われてしまうのは甘んじて受け入れるしかないだろう。こちらもこれまで散々、同じ思いを阪神に抱いて来たのだから。
来週は本拠地を神宮に移してのホームゲーム5試合。後半はその読売との3連戦。濵口が登録抹消になっているので、上茶谷あたりが上がって来るかと思うが、何としても連敗を止めたい。
山本の活躍で、伊藤光が治療に専念できたし、阪口との相性を考えれば、今後は週1で山本をスタメン起用して負荷を軽減できる可能性もある。この3連戦での彼の活躍は今後の戦い方にもプラスになって来る。ソトが復調のキッカケを掴み、牧も久しぶりにヒットが出ている。柴田の復帰で少し厚みが出てきた内野で、大和も含めて上手くやりくりして行きたいところだ。
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