08/21 読売2-6横浜DeNA(東京ドーム)
ソトの16号ソロで先制したが、戸郷の前に6回まで2安打。5回まで無失点で来ていたロメロを援護できず、6回にロメロが捕まって同点とされた。7回、1アウト2、3塁で柴田を2ストライクと追い込んだところで大江に交代。初球をセンターへ勝ち越しの犠牲フライ。さらに、代打牧の3ランなどで一挙5点を奪い、試合を決めた。3連勝で7月11日以来の5位浮上。
ポジ
異例の勝負手に対してきっちりと仕事
6回に同点とされた後の7回、2安打に抑え込まれていた戸郷からソトが歩き、宮崎がレフト前で繋ぎノーアウト1、2塁。6番に入っていた関根はバントの構え。しかし、初球はボールで見逃したが、ソトが飛び出してしまった。チャンスが潰えるかと思われたが、関根が4球目のスライダーをライト線へ二塁打。結果的に1アウト2、3塁となる素晴らしいカバーだった。
柴田が打席に入るが、2球で追い込まれてしまった。ここで桑田コーチが新しいボールを受け取ってマウンドへ。戸郷も何が起きたのか分からないという表情になった。どういう意図か明確ではないが、この場面で大江を投入することになった。アクシデントは別にしても、2ストライクを取っての継投は異例。
柴田も初めての経験ということだったが、それほど対戦が多いわけではない大江の球筋をイメージして、打席に戻った。大江の初球、スライダーをきっちり捉えた打球は、前進守備のセンターがやや下がって捕るフライ。宮崎の足でも十分な犠牲フライとなった。
大江の方も2ストライクというところでボール球から入っても良かったのだろうが、味方も困惑する勝負手に出たが、結果としては裏目に出た。柴田も左打者にとっては打ちづらいフォームの変化球をしっかりと捉えることができた。8回には、田中豊から2号ソロ。身体は小さいが、速球派の外国人投手からホームランを放つ、意外な長打力を見せることもある。
守備でも好プレーを連発。3回は先頭の吉川の一二塁間の打球に追い付き、体を捻りながら送球。ソトもワンバウンドの送球を押さえてアウトにした。6回には、平田の身体に当たった打球を素早く処理して併殺に取った。終わってみれば、柴田の日と言えるゲームだった。
牧が代打3ラン!マルチヒットで存在感
柴田の犠牲フライで勝ち越し、ショックの残る大江が山本を歩かせた。ここで代打に牧が登場。読売も鍵谷にスイッチした。2球で追い込まれたが、際どいボールを見極めて平衡カウント。5球目は高めに入って来たスライダー。ストレートに合わせていた為、少しタイミング的には抜かれたが、下半身の粘りで前に出されることなく、少し溜めて体が回転した。振り抜いた打球は左中間スタンドに飛び込む3ラン。
この3ランで接戦が一気に4点差となり、DeNAに流れを大きく引き寄せる殊勲の一打になった。スタメンを外れた悔しさをぶつけ、9回の打席でも畠のストレートをレフト前に運んでマルチヒット。存在感を見せ、柴田が大活躍したものの同じセカンドを守る牧もスタメンをアピールした。
ソトが甘く入ったボールを捉え、16号ソロを打ったが、バッティングの調子は良くない。1本出ると変わるタイプだし、オースティンの欠場が続くなら4番に置きたくなるが、セカンド柴田、ファースト牧も考えて欲しい。
牧の3ランで勢いづいたDeNAは、鍵谷を攻めて桑原、森、佐野の3連打でさらに1点を追加し、この回5点のビッグイニングとした。オースティンが欠場した試合で、一発あり、連打ありの攻撃で7点を取った。戸郷には苦しんだが、今日の投球は良かったので難しかった。きっちりと7回に捉え、リリーフから得点を奪ったことを評価したい。
来日初勝利あと一歩届かず
6度目の先発だったロメロは、この日も来日初勝利には届かなかった。立ち上がりから150キロ台の力のあるストレート、ツーシームで押し、スライダーも決まってゴロを量産していた。ソトのホームランで援護をもらったが、1点という中で好投する戸郷と投げ合った。
5回までは4安打無失点という投球。6回先頭で打順が回ったが、そのまま打席に入った。真ん中のストレートを弾き返し、センター前のヒット。来日2本目のヒットだったが、記念のボールをベンチに届けるよう要求していた。最初のヒットは高いバウンドのゴロで送球が逸れるという記録上のヒットだったので、しっかり打ったヒットは初めてということかも知れない。
後続が続かず、そのままランナーとして残ってしまった。それが影響したかどうか分からないが、1アウトから岡本へのスライダーが抜けて死球。最初の打席で12球粘られた中島に繋がれて1アウト1、2塁。2打席ともヒットを打たれている亀井には、追い込んでからのカットボールが真ん中に入り、センター前へ弾き返されて同点。ここで降板し、悔しいマウンドになった。
前回の7月11日のバンテリンドームでも、1-0とリードした6回にエラーなどで同点とされ降板。後続の投手が走者を還してしまい、4失点(自責0)で敗戦投手になった。だが、この日は1アウト満塁となってから平田が、ウィーラーを併殺打に取り、逆転は許さなかった。チームが勝ったことは救いだろう。援護に恵まれないが、この2試合の登板を続けていれば初勝利は遠くない。
ヤジ
7回表のソトの走塁。この日はオースティンの欠場で4番に入っており、9回に打順が回って来ることを考えて代走を起用しなかった。彼も自分の足を理解しているから、なるべく良いスタートを切りたいという気持ちが強かったと思う。
だが、ストライクであれば関根の責任だが、アウトサイドのボールなので、バントしに行っているかどうかは見やすいところだと思う。このあたり判断力に問題があるが、もう反省して成長するような立ち位置でもないから、こういうことは起こるものと考えるしかないだろう。こういった場面のバントに勝負を懸けるなら、代走を出すしかない。
あとは、結果論でしかないがロメロの代え時。前日はエスコバーがベンチ入りしていないのに京山を5回で代えたが、この日はエスコバーがいてもロメロを6回のマウンドに送った。今後も考えてロメロには6回投げ切って欲しいというのはあるだろう。6回の打席に送り、ヒットで出塁してずっと塁に出ていたことは誤算だったかも知れない。
6回を行かせたことは理解できるとしても、1アウト1、2塁で2打数2安打の亀井を迎えた場面で代えなったのはなぜか。シーズン通算で1割を切っていることが理解できないほど、DeNA戦では打っている。砂田を使うつもりがなかったのなら、まだ分かるが次の大城のところで出すのであれば、後手に回ったと言われても言い訳できない。平田が体を張って併殺に取ってくれたので事なきを得たが、致命的な継投ミスになるところだった。
キジ
後半戦、3連敗スタートからの3連勝で五分に戻し、7月11日以来の最下位脱出も果たした。なかなか打てずに3連敗したが、課題だった先発投手がまずまずの投球をしており、希望はあった。森を始め、山本や牧など若い力も勝利に繋がり、良い形で3つ続けて勝てた。
後半戦6試合で、先発ローテーション6人が登板したが、全員が5回を投げており、勝利投手になってもおかしくないような内容。6試合での先発投手の防御率2.29も評価できる。6回あるいは7回にピンチを招いて途中降板となっている点は改善の余地はあるが、壊滅的だった前半戦からは回復傾向にある。
22日は後半戦2度目の登板に入り、今永が先発する。前回は5回まで素晴らしい投球をしながら、6回に踏ん張り切れず逆転を許した。3連敗の流れを作ってしまったが、チームは3連勝で来ている。エースとして良い流れを加速させたい。
読売は中4日で高橋。3回0/3で2失点、63球で交代している。DeNAとの前回対戦は、7月4日の神宮で敗れており、DeNA戦12試合目にして今季初めての黒星だった。既に9勝を挙げている高橋だが、阪神に4勝0敗の一方、DeNAと広島の下位2チームに白星がないという珍しい状況。今永との左腕対決となるが、どうなるか。左腕にまだヒットがない森が、スタメンになるのかも注目したい。
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