07/14 広島東洋3-4横浜DeNA(マツダ)
東がコロナの陽性判定を受け、石川が代役の先発となりプロ初登板。初回は菊池涼を歩かせたが無失点。2回までノーヒットに抑えた。3回に佐野、牧のタイムリーと相手エラーで3点を先制し、石川がどこまで投げられるかというところだったが、1アウトから3連打で1点を返されたところで降板。2番手の宮國が坂倉のタイムリーで1点差に迫られたが、ピンチを断った。4回からは京山が3イニングを1失点。6回に牧が6月11日以来の17号で勝ち越し、7回から勝ちパターンで逃げ切った。
ポジ
完全復調も間近、3割でオールスターへ
牧が、佐々木朗希からカーブをライトスタンドへ運んだ、6月11日以来の17号ソロ。ハイペースでホームランを積み上げていたが、1ヶ月ほど空いてしまった。先週あたりから徐々に状態は良くなって来ていて、火曜も3安打猛打賞と復調していた。
3回に佐野のタイムリーで1点を先制した後、牧の打席で捕手の磯村が三塁へピックオフ。しかし、桑原に当たってしまい、送球はファウルグラウンドを転がった。2点目が入って、佐野も二塁へ進んだ。ここで牧がアウトサイド低めのスライダーを右中間へ運んだ。押っ付けた打球が意外と伸びて行く、牧らしい打球が戻って来た。三塁まで走ったが、野間がファンブルしたため、記録は二塁打とエラーだった。
そして、6回。アンダーソンのインサイドのチェンジアップを、体の回転で運び、打った瞬間という打球。レフトもほぼ追わず、打球はレフトの上階にあるパルテラスへ飛び込んだ。なかなかレフトへ引っ張った強い打球がなかっただけに、2本の長打に牧の復調が見て取れる。オールスターまでに3割復帰の可能性も出てきたか。今後の爆発に期待したい。
佐野が先制タイムリーと2四球を選び、打率.321として4タコの宮崎を抜いた。まだまだタイトル争いには早いが、オールスターに選手間投票で選ばれた佐野としては、セ・リーグの首位打者として出場したいだろう。牧の復調と合わせ、安定感のある佐野がヒットを量産すれば、得点力も上がって来る。
蝦名がこの日も1番でマルチヒット。ランエンドヒットの形で盗塁も決めた。引き続き良い形で打席に入れているし、盗塁ができる走力というのは本当に魅力的。1番でかき回して行きたい。
代役として味方の先制に繋がる2イニング
6月の支配下登録から、クリスキーの離脱もあって1軍登録。その後はずっと接戦が続いたため、登板機会がなかった石川。前日に東が体調不良を訴えて14日の先発を回避。この日、コロナの陽性判定を受けたことが発表された。恐らく予告先発の締切間近だったため、他の投手の目途がつけられなかったこと、石川がなかなか登板機会がなかったこともあって、先発でのプロ初登板となった。
緊張したであろう初回は、野間を追い込んでからストレートでレフトフライ。菊池涼は警戒してしまったのか、ストレートの四球。しかし、ここで慌てることなく後続を断った。秋山をストレートで押し込んでセカンドフライ、マクブルームも初球のストレートに差し込まれてのセンターフライと上々の立ち上がりだった。
2回も先頭の坂倉にストライクを投げ込めず、歩かせた。しかし、長野と小園はストレートで押し込んで外野フライに打ち取り、、磯村は泳がせて浅いセンターフライ。2回までノーヒットに抑える好投だった。
ファームでは今年、50球程度しか投げていないということで、そのあたりをメドにしていたようだ。3回は、アンダーソンを三振に取った後、野間に初めてのヒットを許し、菊池涼には甘いストレートをきっちり捉えられてレフト線への二塁打。秋山にはストレートに合わされ、3連打で初失点となった。
45球での交代。3点をもらったので、もしかしたらプロ初勝利も、という期待も膨らんだが、そう甘くはない。ファームで素晴らしい投球をしていた5月あたりに比べると、全体的に調子は落ちているのかなという印象。また、先発ということでボールの出力も少し抑えているのかなという感じだった。
今後の起用は分からないが、ファームではリリーフとして調整して来たので、短いイニングで見てみたい。タイプ的には先発もできそうなので、来季も含めた将来に向けて、どのような投手になって行くか、コーチとも話しながら進んで欲しい。
3点を先行したということもあり、石川が2回1/3を投げて、ある程度ゲームを作れた。2番手の宮國も、坂倉の素晴らしいバッティングで2点目を奪われたが、リリーフの内容としては非常に良かったと思う。
リリーフでの今季初勝利はご褒美
先発が代役の石川となったことで、ファームで調整していた京山が、この日急遽、広島に呼ばれて、リリーフとしてベンチ入りし、4回から登板した。いきなり先頭の小園を歩かせたが、伊藤光が盗塁を刺し、磯村、アンダーソンを連続三振。
しかし、5回は1アウトから菊池涼を歩かせ、連続暴投で三塁に進めてしまった。マクブルームには2-1からのアウトサイドのスライダーを踏み込まれ、レフト線への同点タイムリー。もっと外側に投げたかったかも知れないが、ボールが先行しており、どうしてもゾーンに入れるしかなかった。インサイドを意識させておけば、ここまで捉えられることはなかったと思う。ノーヒットで三塁に進めてしまった点と合わせ、ここは反省すべき点。
それでも6回は1点をリードした場面で、磯村のヒット1本に抑え、勝ちパターンに繋いだ。ここまで6試合の先発で一つも勝てなかったが、思わぬリリーフでの登板で今季初勝利となった。佐々木朗希と投げ合った日も、6回2失点だった前回の広島戦も勝てなかったので、ご褒美としての勝利だろう。
ボールがかなり荒れていたが、腕の振りは良かったし、力で押すこともできた。先発としてではないが、一つ勝って気持ちも変わってくれれば。この後はロングリリーフとして待機になるだろうか。オールスター明けの先発を目指して、結果を出して行きたい。
勝ちパターンの3人は、この日も素晴らしい投球。エスコバーは先頭の菊池涼を歩かせてしまったが、秋山を併殺に取った。牧の送球がベースの近くでショートバウンドになったが、ソトが非常に上手く捕った。この日はノーヒットだったが、三塁への激走もあったし、走と守で魅せた。
山崎は、低めへのストレートが素晴らしかった。このストレートがあってこそ、ツーシームが生きる。クローザーは抑えて当たり前と言われてしまうが、本当に頼もしい存在に戻って来ている。
ヤジ
4番の一発で勝ち越した後、ビハインドで出て来る広島のリリーフを打ち崩せなかった。もう1点でも追加があれば理想的だったが、1点差をしっかりと逃げ切るゲームができたことは非常に良かった。
体調不良でこの日の先発を回避した東は、新型コロナの陽性判定を受けた。これは仕方ないことだが、復帰までは1ヶ月以上かかる可能性もある。まずは療養に専念してもらって、早い回復を祈りたい。第7波に入り、今後も感染の広がりは避けられない。大きく広がらないことを願う。
キジ
先日も書いた通り、この時期の順位は一喜一憂しても仕方ない。Aクラスに復帰できたという喜びはあったが、今ある借金3を返済できるかどうかが重要。
こちらもまだまだオールスター前なので、重要なことではないが、一応解説しておく。独走状態のヤクルトのマジックが消えた。コロナで大量にメンバーが外れていることは無関係とは言えないだろう。開幕直後以来の3連敗。負け数が一番少ないDeNAがマジック対象チームとなっていたが、自力優勝が復活した。
順 | 球団 | 試 | 勝 | 敗 | 分 | 残 | 直 | 全勝 | ヤ残 | V勝率 |
1 | ヤクルト | 83 | 53 | 29 | 1 | 60 | – | – | – | – |
2 | 読売 | 90 | 44 | 45 | 1 | 53 | 10 | .683 | 45-15 | .690 |
3 | DeNA | 81 | 38 | 41 | 2 | 62 | 13 | .709 | 47-13 | .704 |
4 | 広島 | 87 | 40 | 44 | 3 | 56 | 13 | .686 | 45-15 | .690 |
5 | 阪神 | 86 | 40 | 44 | 2 | 57 | 12 | .688 | 45-15 | .690 |
6 | 中日 | 83 | 36 | 46 | 1 | 60 | 12 | .676 | 44-16 | .683 |
DeNAは残りの62試合で全勝すると、勝率が.709となる。DeNAとヤクルトの直接対決は13試合あり、DeNAが全勝という前提だと、ヤクルトが残り60試合で13敗をすることになる。その場合、残りの47試合を全勝だとしても、勝率が.704までしか行かない。従って、DeNAはとにかく全勝すれば必ず優勝できるので、「自力優勝」が復活した。
それにより、ヤクルトにとっては、あと○勝したら(どのチームが残り全勝したとしても)絶対に優勝というマジックが成立しなくなり、消滅となる。ただ、金曜日からは、ヤクルトとの直接対決となる。ここで1つでも負ければ再びマジックが点灯する。
ベイスターズにとっては、東がコロナの陽性判定を受けて離脱した中、代役に石川を立て、京山をこの日、広島まで呼んで登録した状況で、チーム一丸となって勝てたのは非常に大きい。ここまで1勝11敗だった広島に、初めてカード勝ち越しできたことも、今後に繋がって行く。次の対戦は、スターナイトの3連戦。そこに向けて良い感触を掴めたか。
15日の先発は、坂本と発表された。前日に続き、今永の順番で別の投手となっていたので、これは今永も離脱かと心配したが、坂本の先発は当初の予定通りだと三浦監督が明かした。これにより、今永以降の先発投手は先週から1つずつズレて、日曜に先発したロメロが、18日(月)に得意のバンテリンドームで先発となるようだ。石田、大貫まで投げて、最後の3連戦は今週と同じメンバーというのが構想だろう。
ヤクルトも、コロナの陽性判定を受けた選手が離脱しているが、火曜が雨天中止になったことでサイスニードが回って来た。ベイスターズには非常に相性が良いので、まずここをどのように攻略するか。そして、5月5日以来の登板となる坂本が、どこまでヤクルト打線を抑えられるか。左腕3人で挑む首位との3連戦。オールスターまでの5割を達成するためにも、勝ち越したい。
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