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宮本が代走で3度出場 阪口、京山はローテ争いへ前進

02/17 東京ヤクルト-横浜DeNA@ANA BALL PARK浦添

14日の練習試合が中止となり、阪口、京山がスライドで3イニングずつを投げた。阪口は紅白戦の反省を生かし、力みが取れたキレのあるボールで2安打無失点。京山は自らのエラーがきっかけで2失点したが、最速149キロの威力あるボールを低めに投げ込んだ。練習試合ならではの起用で、宮本が3度も代走だけの出場。代走のスペシャリストへ経験を積んだ。

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スコア

デ 000 010 000 | 1
ヤ 000 200 000 | 2
特別ルールにより9回裏まで実施
盗塁:並木(4回)
盗塁死:中井(2回)、知野(3回)、中村(3回)、宮本(9回)
失策:京山(4回)、宮本(5回)
暴投:京山(5回)
※宮本は代走だけで3度出場
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個人成績

横浜DeNA123456789
[8]桑原310左2三邪飛右飛
8関根000四球
[7]神里200投犠見三振二ゴロ
7乙坂100二ゴロ
[9]細川400中飛右飛三ゴロ投ゴロ
[D]佐野200二ゴロ遊ゴロ
HD戸柱200投ゴロ中飛
[3]中井110右安四球
R宮本000
6柴田200右飛遊飛
[4]3伊藤裕310空三振遊ゴ失中安
R宮本000
H5倉本100遊ゴロ
[5]3200中飛四球二ゴロ四球
R宮本000
[2]伊藤光101空三振左犠(1)
H2嶺井000四球
[6]知野100四球投ゴロ
4田中俊100左飛
2631
東京ヤクルト123456789
[8]並木410三安投失右飛遊飛
[6]元山411二ゴロ中2(1)二ゴロ一ゴロ
[D]西浦310遊ゴ併左安遊ゴロ
3荒木000死球
[5]村上201投ゴロ二ゴ(1)
59廣岡200左飛遊飛
[3]西田200捕飛投ゴ併
45宮本200空三振二ゴロ
[4]34太田200左飛投ゴロ四球
[7]松本友300左飛遊ゴロ左飛
[2]中村110左安四球
2松本直100二ゴロ
[9]山崎200見三振空三振
H塩見100空三振
1000
2942
横浜DeNA
阪口392100
京山3122112
国吉140110
笠井130100
平田140010
東京ヤクルト
高橋272100
歳内260210
吉田大喜290021
原樹理151010
長谷川140010
S130010
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所感

テーマは「粘り」

打席で追い込まれたら粘るというのはもちろん、粘っこい攻撃であるとか、投手がピンチで粘るとか、「粘り」というのは野球の試合で重要なこと。練習メニューには、この試合からテーマが記載されるようになった。漠然と試合をするのではなく、テーマを持って試す、意識するというのは良い取り組みだろう。

ヤクルト投手陣がコントロールを乱したこともあるが、僅か3安打ながら6四死球を選び、犠牲フライで得点したことは、ある程度粘ることができていたのではないか。ヒットという結果は出なかったが、打ちたいところでしっかりと見極め、2四球を選んだ牧も評価できるし、途中出場で限られた打席でアピールしたい関根、嶺井もきっちりと見極めて歩いた。

そういう意味で厳しいことを言えば、細川はボール球に手を出し、当たり損ねの打球で凡退するなど、内容も良くなかった。初回、ラミレス監督時代にはあまりなかった、ノーアウト2塁での送りバントでお膳立てしたが、細川は詰まったセンターへの浅いフライ。しっかりと打てるボールを待って、深い犠牲フライを打つくらいになって欲しい。

宮本は代走の切り札になれるか

昨年以前にも、なぜラミレス監督は代走の切り札を用意しないのかと書いたことがある。かつては読売の鈴木尚、最近でも重信、増田大、阪神では植田海など終盤のここぞの場面で足によるプレッシャーをかけるための切り札を用意しているケースが増えてきた。実際に盗塁できればベストだが、代走として起用されただけで、相手チームはいろいろなことを想定しなければならないため、守りも難しくなる。

これまでチームの編成上も、育成上も代走のスペシャリストのような選手の獲得、育成をする意志は感じられなかった。神里はレギュラーで出ることを期待するレベルの選手だし、桑原や楠本はそこまでの足があるとは言い難い。宮本はもともとファームでの盗塁数が多かったし、そういう期待をしても良いのではないかと思っていた。

この試合では、練習試合ならではの代走として3度出場するという珍しい起用となった。先週13日の練習試合で、中日の高松が郡司の代走に起用されたものの、郡司は交代せずそのままマスクを被り、その後再び加藤の代走として高松が起用されていた。それをパクったのかどうかは分からないが、そういう起用もアリだなと思った。

5回に最初の代走で出場したケースでは、伊藤裕の打席でエンドランをかけた。伊藤裕がショートゴロで、あわや併殺打という当たりだったが、宮本の足がショートの元山とセカンドの宮本の連携に焦りを生み、エラーを誘った。この場面、公式記録が見られなかったので、個人的には宮本の落球とした。元山のトスは近距離で少し速めになってしまい、宮本が捕り切れなかったのだが、少し高いくらいで捕れる範囲だったと思う。ただ、走者の宮本がスタートを切っていたため、元山が焦って通常よりも速いトスになった。

記録だけ見ると単にヤクルトのミスに乗じて1点を返したように見えるが、そこに今年のベイスターズが取り組んでいる走塁が生きていたと思う。足の速さは、相手の内野手の心のゆとりを奪う。盗塁をするだけが走塁ではない。

7回に伊藤裕の代走として2度目の出場。ここでは牧のセカンドゴロで封殺。足を生かし切ることはできなかった。9回は2アウトの場面でスタートを切ったが、松本直に刺されて試合終了。

キャンプの実戦では、積極的にスタートを切っているが、盗塁成功率は芳しくない。それでも三浦監督は積極性を評価している。失敗できる今のうちに失敗し、そこから何を学ぶかを重視している。練習試合、オープン戦で数多くトライし、公式戦で足のスペシャリストとして厳しい場面で決められるか。宮本の生きる道としても重要な役割。何とか掴み取ってもらいたい。

若き高卒右腕がローテ争いへ

紅白戦では力が入り過ぎて、思うような投球ができなかった阪口だが、この試合では力み過ぎることもなく、それでいてストレートは140キロ台後半をマークし、それ以上に伸びがあって、この時期の打者が合わせるのに苦労していた。コントロールもまとまっていて、低めに良いボールが来ていたと思う。

同学年の村上にライバル心を持ち、ここだけは力が入ったのか3ボールとカウントを悪くしたが、ストレートでピッチャーゴロに打ち取った。開幕ローテーション争いに前進する結果を残したと思う。今後はオープン戦でローテ候補として長いイニングを投げる登板機会を得られるかどうか。そのために結果を出し続けるしかない。

2番手の京山も2失点したが、ボール自体は良かったと思う。代わり端、自らのエラーからピンチを迎え、ルーキーの元山にセンターオーバーの二塁打を浴びたが、そこから修正できたことは評価できる。ストレートもこの時期で149キロを計時し、打者が詰まっていた。指にかかって低めに来ていたし、そう簡単に打てるボールではなかった。本人が言うように追い込んでからの決め球の精度を上げて行ければ、ローテ争いに食い込むことができる。

個人的に期待したい2人の投手が対外試合で好スタートを切った。

18日は追加の練習試合

18日は、アトムホームスタジアム宜野湾で阪神との練習試合を行う。14日の中止を受けて急遽追加した試合になる。投手陣の登板機会を考慮してのものだと思う。この試合では大貫、平良の開幕投手候補が相次いで登板する。

9関根
4柴田
8乙坂
D佐野
5倉本
3田中俊
6森
2戸柱
7宮本
P大貫
大貫 3イニング
平良 3イニング
下記5名で残り3イニング
伊勢
平田
砂田
武藤
国吉

内野はファースト田中俊、セカンド柴田、サード倉本と、複数ポジションを意識したローテーションをしている。試合中にも各選手の守備位置を変えていて、さまざまなオプションが取れるようになっている。

ファームから森が参加し、スタメン出場する。三浦監督は森について、まだファームでやることがあるとコメントしているが、将来のチームの柱として期待しているのは言うまでもない。こういった機会でどんな輝きを見せるのか楽しみだ。

引き続き桑原、乙坂も合流し、外野手争いが激化する。結果が出ずスタメンを外れた細川も危機感があるだろう。ファームにいる蝦名、楠本もチャンスを得るために必死になるだろう。19日のファーム練習試合にぶつけて欲しい。

大貫、平良はいよいよ初実戦というところで、現時点でどんな出来なのか探る登板になるだろう。天敵の阪神相手なので、練習試合とは言え組み易しの印象は与えたくない。スタメンが全員左打者なのは偶然なのか、苦手解消に向けた秘策なのか。阪神のルーキー佐藤輝は止めておきたいところだ。

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