08/21 横浜DeNA3-0広島東洋(ハマスタ)
初回に楠本のソロで先制し、2回には投手の京山がプロ初ホームランを放ち、2点を先行。さらに3回には牧が3試合連続の20号ソロを放ち、3イニング連続のホームランでリードを3点に広げる。先発の京山は、150キロの球威あるストレートにスプリットを交え、広島打線を封じた。7回に1アウト1、2塁のピンチを招いたところで伊勢に交代。伊勢が2アウト満塁としながら長野を三振に取り、切り抜けた。エスコバー、山崎と繋いで逃げ切り、6連勝。ハマスタでの連勝も17に伸ばした。
ポジ
通算打率.016の京山がよもやの一発
ハマスタでの17連勝の中でも、ベスト3に入る嬉しい勝利になった。ここ数年、一番期待する投手として名前を挙げて来た京山が、やっと活躍してくれた。それも、全く想定していない投打の活躍だった。
初回、堂林に粘られたがスライダーで空振り三振。羽月にヒットを打たれたが、秋山とマクブルームを落ち着いて打ち取った。初回に1点をもらい、2回は左の西川、坂倉も打ち取って三者凡退。
2回裏、三振ゲッツーの後に打席に入り、2ボール1ストライクから大道の高めのストレートを振り抜いた。打球はレフトスタンドに飛び込む、プロ初ホームラン。京山は2018年に1軍登板を果たしたが、打席では全く打つことができず、2021年にやっとプロ初ヒットをマークしただけで、今年もここまでノーヒット。通算で64打数1安打の打率.016という投手でもあまり見ないほど打てていない。
京山がヒットを打つことすらほぼ期待できないのに、それがホームラン。三振ゲッツーで流れが悪くなりそうなところで、天文学的な確率のホームランが出てしまうことが、今のベイスターズを象徴しているが、それにしても怖いくらいの流れだった。
3回までに3点をもらった京山。ここまで6回先発していたが、なかなか打線とのかみ合わせが悪く、自身に勝利が付いていなかった。リードしていても踏ん張り切れないという部分もあった。しかし、この日は5回の2アウト2、3塁のピンチを乗り切り、6回もクリーンアップを三者凡退に抑えた。だからこそ、7回のマウンドも託された。投げ切れなかったことは悔しさもあるとは思うが、見事な投球だったと思う。
今季2勝目だが、ようやく先発として手にした勝利。ヒーローインタビューでは牧に言わされた感じで「OK!アイシテルヨ、ヨコハマ!」と声を張り上げた。ここからローテーション投手として定着してくれることを期待している。
ソロ3本も序盤に主導権を握る
初回、楠本が大道のストレートを捉え、ライトスタンドへのソロを放った。3-1からストレートに絞り、低めのボールだったが巧みなバットコントロールで捉え、スタンドまで運んだ。打率がなかなか上がって来ないが、バントも含めて2番の役割をこなしている。
そして、京山のホームランにベンチで頭を抱えていた牧が、3回にレフトスタンドへの20号。3試合連続ホームランで大台に到達した。新人から2年連続で20本塁打は、チーム初。村田修一氏も、初年度は25本だったが、2年目に15本と数字を落としていた。昨年、新人記録で名前が何度も上がった桑田武氏も、2年目は16本だった。
初回にもヒットを放っており、マルチ。ハマスタ、広島戦はともに.350を超えているので、その数字通りではあるが、今週は.348をマークし、3発。8月の打率も.308となり、復調が数字にも表れて来た。昨年は秋にかけて大きく数字を伸ばし、新人記録を更新した。その流れに入って来そうな気配。ハマスタでの試合もまだたくさん残っている。牧が引っ張り、優勝争いを熱くして欲しい。
ソロ3本の3点に終わってしまったが、序盤に取れたことで試合の主導権は握れた。こういう試合でも投手力で勝てるということが、今のベイスターズの強みでもある。投打の噛み合わせが非常に良い。この流れのうちに白星を積み重ねておきたい。
勝ちパターンが締めて完封リレーを完成
前日も、先発の石田が7回1アウトでランナーを2人出したところで降板していた。京山も同じシチュエーションで降りることになったが、この日は伊勢とエスコバーが戻っている。
代打は松山だったが、伊勢が登板。松山のサード後方へのファウルフライを、宮崎がエキサイティングシートのネットにぶつかりながら好捕。堂林は歩かせたが、代打の長野をストレートで空振り三振に取ってピンチを切り抜けた。やはりここは勝ちパターンに入っている伊勢が、さすがという投球だった。平田も貴重な存在でよくやってくれているが、現状は伊勢がいてくれるありがたみを感じる。
エスコバーもマクブルームを歩かせたが、西川を併殺に取って3人で片付けた。伊勢もそうだが、チーム状態が良いので、1日ベンチを外れただけで出番がすぐにやって来る。二人とも54試合目の登板で、3位タイの湯浅は46試合。だが、阪神はDeNAよりも10試合多く消化している。それを考えれば異次元の数字だ。ここまで中止やベンチを外したりと連投はなるべく避けて来たが、9月は連戦が続くため、容易ではない。平田と入江以外にも、僅差の勝ちゲームを投げ抜く投手が必要になる。
山崎は3点差ということもあり、磯村、矢野の初球にカーブを投げていた。TBSラジオの「石橋貴明のGATE7」にゲスト出演した際、谷繁氏にカーブを投げることをアドバイスされ、GATE7カーブを投げますと言っていたが、本当に投げていた。
確かに、ストレートとスプリット(本人が言うツーシーム)だけだと苦しい場面もある。精度があまりにも低いなら使えないが、目先を変える為にもカーブは必要かも知れない。1点差で使う勇気があるかどうかだが。この日は、それが効いたのか分からないが、連続三振で締めた。今後のカーブにも注目したい。
ヤジ
4回以降は四死球が2つだけで、ノーヒット。だが、この日は投手陣が頑張って、ソロ3本だけで逃げ切った。MLBのエンゼルスがソロ7本で負けた試合があったが、投打の噛み合わせが重要。連戦を考えれば、相手に流れが行ってしまうところだが、3戦目でもあり、勝てたことが重要。週明けは相手も球場も変わる。また新たな気持ちで臨んで欲しい。
キジ
5連勝の壁を前日に破り、魔の日曜日も物ともしなかった。ハマスタ17連勝。8月は2週とも4勝1敗1中止で来ていたが、まさかここで6連勝とは。先週の今頃、新記録の12連勝は達成したいと思っていたが、この状況はさすがに想像できなかった。
今季2度、ハマスタでスイープされた広島戦で、見事に反撃した。コロナの影響でベストメンバーではなかったし、大瀬良、森下、床田、九里の先発4本柱が誰も登板しないカードになった影響はあっただろう。だが、これで対戦成績も8勝12敗まで戻して来た。この部分も、相手は阪神ではあったが1997年と似ているところがある。
そんな1997年の懐かしい話を昼間、ツイートしていた。
25年前の8月21日に、神宮で首位攻防戦の3戦目が行われ、3連勝で3.5ゲーム差に迫っていた。2022年も、いよいよヤクルトと4ゲーム差となり、優勝争いも盛り上がって来そうな気配。
しかし、この日の観衆は19,514人。天気があまり良くないし、日曜日のナイターはそもそもあまり入らない。行っていない管理人が言うのもどうかと思うが、それにしてもハマスタ16連勝中だったとは思えない人数。やはりまだまだコロナの第7波が収まっていないということも影響しているだろう。これだけハマスタで勝っている状況。本当ならもっとたくさんのファンで、声援の圧を送りたいところだが、日本においてはまだ我慢が続くのだろうか。
ハマスタから熱気は感じられないが、横浜、神奈川だけに限らず全国から熱い気持ちが送られていると思う。来週は前半、阪神と京セラドームで対戦。多くのベイスターズファンは、京セラドームと聞いただけで頭痛がするのではないか。それだけ過去、この球場では負けて来た。阪神は先週とは全く違うチーム状態。前回は勝ったとは言え、青柳、伊藤将も再び対戦する。弱気な発言になるが、一つ勝ってくれればというカードだと思っている。
金曜には、ハマスタ18連勝を懸けた試合が、ヤクルトとの首位攻防戦になる。5ゲーム差以内で迎えたいところではあるが、まだ先の試合も数多く残っている。ここまで詰めることができたが、不調の波は必ずやってくるので、そこを耐え忍んで9月11日からのハマスタでの2連戦までに、3~4ゲーム差の位置にいたい。
この日、東が2イニングで降板した。映像で見る限りキレのあるストレートを投げていたし、表情も良かった。あと1回、100球を投げるのだと思っていたが、もしかするとロメロを外した木曜の先発もあるのかも知れない。9月の連戦に向けて東の復帰、そしてローテーションの柱になることは不可欠。森原がコロナ陽性で離脱、ガゼルマンが2つのエラーなど不運はあったが6失点と不安もあるが、ここから先まだ戦力の増分も期待できるだけに、9月に向けての準備が重要になって来る。
1997年は9月最初の試合でノーノーを食らったし、2019年は8月上旬に0.5ゲーム差まで迫ったが、9月に息切れをしてしまった。借金10前後から追いかけて、勝ち続けることは簡単ではない。三浦監督始めチームも理解していると思う。その為の準備が随所で感じられる。今の勝つ喜びを感じながらも、9月の戦いに目を向け、期待したい。
コメント