03/12 東北楽天5-3横浜DeNA(静岡草薙)
楽天が全員左打者、DeNAが全員右打者という珍しいスタメンで始まった試合。先発の大貫は、5回までに3失点を喫したものの5三振を奪い、まずまずの内容だった。エスコバーが8回に登板したが、球威がなく山崎の三塁打などで2失点。6回にオースティンが今季最初のホームランを放った。
ポジ
大貫はロジンの指摘もあり5回3失点
昨年も沖縄の練習試合で楽天と対戦した際、左打者がズラリと並び、大貫と平良が苦労していた記憶がある。この日の楽天のスタメンは、スイッチヒッターを含めて9人全員が左打者となった。左打者を苦手としている大貫にとっては、対策の効果を測るには格好の機会となった。
初回を三者凡退で片付け、2回先頭の島内をスプリットで三振に取り、小郷への初球のカーブが高めに抜けたところで、石山球審がマウンドへ向かい、斎藤コーチを呼んだ。二人に向けてロジンが舞って手元が見えづらいので、一度拭くか量を減らすように注意があった。
確かに、大貫はロジンを付ける量が多い投手で、これまでも投げる際にロジンの粉が舞うようなことは多かった。昨年のオリンピックでの伊藤の件に倣ったわけではないだろうが、石山球審も気になったのだろう。
数分インターバルを置いて小郷への2球目を投げたが、ストレートが真ん中に入り、ライトスタンドへのホームランとなった。投球への集中力が少し削がれる状況での不用意な1球になってしまった。逆に言えば、ロジンを気にし過ぎると打たれるということなので、切り替えにはなったかも知れない。
これには大貫も、日本ハムの伊藤の「追いロジン」を引き合いに、精神力が必要と語っていた。コントロールが生命線の大貫にとって、思いのままにボールを操るために必要な部分は譲る必要がない。明確な量に規定があるわけでもなく、審判の感覚によるところも多いので、配慮はしても遠慮する必要はない。
その後、3回と5回にノーアウトから連打を浴び、それぞれ1点ずつ失ったが、最少失点で切り抜けている。5回81球で、本番であれば6回か7回まで投げられたと思うので、QSの範囲内。内容としてもそれほど悪くなかった。昨年も打たれた小郷、黒川、田中和にまたもやられてしまった部分は、しっかりと対策を練って、広島の左打者との対戦へ生かして欲しい。
2週間を切りオースティンも仕上げへ
ラミレス前監督が、外国人打者は40~50打席で仕上がるという理論を唱えているが、オースティンがオープン戦19打席目で、今季初ホームラン。岸のストレートを完璧に捉え、確信歩きのアーチだった。その前も少し早く打ってしまい、ポール際の大ファウルを打っていたがストレートにしっかりアジャストできた。
13日にも3打席立ち、来週は後半に4打席くらいをこなせば40打席に近づく。遅れて来日し、ぶっつけ本番で公式戦に出た昨年を思えば、順調に調整できている。ソトはオープン戦初戦でいきなり右方向への2発を放ったが、彼も同じような調整だろう。この日は、2アウト3塁からきっちりとタイムリー。こうした打点が稼げれば、掃除屋の7番として重要な役割になって来るだろう。
知野がマルチヒットと四球で3出塁。前の試合から4打席連続ヒットもマーク。オープン戦に入ったところで少しヒットが出なくなっていたが、右方向への巧いバッティングなど成長を感じさせる。この日はDHに入った牧の代わりにセカンドを守った。三浦監督も開幕1軍を掴み取るという強い思いを感じていた。最後まで食らい付いて欲しい。
ヤジ
先週土曜のハマスタで6失点だったエスコバー。9日の西武戦では1イニングを三者凡退に抑え、問題ないかと思ったが、この日は同点の8回に登板して2失点。結果よりもボールが本来のものでないように見えることが気になる。
まだ2週間近くあるとは言え、過去のこの時期でもエスコバーは出来上がっていたので、何らかの問題が発生しているのか。マウンドが合わなかったとか要因はあるかも知れないが、ストレートの球威が感じられないというのは、コンディションに不安を残す登板になった。来週の投球で状態を上げて来てくれれば良いが、この日のようなボールであれば、昨年までと同じような形での起用は危険かも知れない。
桑原に関しては、結果が出ていないが進塁打も打てているし、ボールが見えていない感じでもないので特に心配していない。結果を出さなければいけない立場でもないので、開幕してから打てるかどうか、その為の調整をすれば良いと思う。
大田は昨年のことがあるから少し結果が欲しい。この日も良い当たりはしていたが、まだ少しタイミングが取り切れていないように見える。他の外野手が結果を出しているだけに、追随したいところだ。
キジ
控え組の出番は徐々に少なくなっていく
前日は強い風の中、少し寒さを感じるような気候だったが、この日は気温も上がって風も穏やか。開幕まで2週間を切り、レギュラークラスの選手も3打席目まで出場した。それだけ控えや1軍ボーダーラインの選手にとっては出番が減って来る。
激戦のショートは、この日は大和がフル出場した。調整の中で1試合フル出場した場合の負荷などを確認しているのだと思う。そうした少ないチャンスの中で、途中出場してタイムリー三塁打を放った梶原、代打でセンター前に弾き返した細川は、良いアピールができている。
蝦名もライトフライだったが当たりは悪くなかった。田中俊は3-1と有利なカウントになったが、ストレート押されてセカンドゴロ。ファーストで良い守備があったが、前日に続いてバッティングではアピールできなかった。
静岡遠征もあと1試合。本当に限られた機会でアピールする必要があり、集中力や勝負強さに加えて、対戦相手や風など運の要素もあると思う。来週からは、どうやらキャプテンが戻って来そうで、外野はより厳しい争いになりそうだ。
投手では、三浦がこの日リリーフで投げたので、上茶谷が13日の先発となる。濵口とのローテーション争いになるので、結果を出したいマウンドになる。まだ投げていない砂田、入江、山崎のリリーフ登板も見込まれる。
佐野がファームで実戦復帰
この日、横須賀スタジアムで行われたファームの教育リーグで、佐野が3番レフトでスタメン出場。2打席ゴロに倒れた後、3打席目に一塁寄りにシフトしていたセカンドの左を抜く、センター前ヒット。ここで代走の勝又が送られて交代となったが、打席ではフルスイングも見せていたし、順調に回復して来たようだ。
13日もスカスタで楽天戦があるので、こちらも出場して問題なければ、週明けの神宮でのオープン戦から1軍復帰となりそう。無理しないで欲しいという「心配」はファンとして同じ思いだが、早過ぎるという「批判」は根拠もない。監督も戻って来た時はシーズン最後まで出られるようにと言っていたし、本人の感覚、S&CもGOサインを出しているのだろうから、万全で戻って来ると信じるしかない。
ファームでは阪口がまずまずの投球を見せ、伊藤裕の2点打、関根のソロ、村川の三塁打などで7点を奪ったが、平田と浅田が打ち込まれて逆転された。守備では送球の乱れが多かったので、今後の練習で意識して取り組んでもらいたいと思う。
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