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楠本が値千金の逆転打 関根は3日連続の3安打

04/04 阪神2-3横浜DeNA(京セラ)

プロ初先発の中川颯は、先頭の近本にヒットを打たれたが、中野を併殺に取り、3人で初回を投げ終えると3回まで1安打無失点の投球。4回1アウトから3連打を浴び、際どい判定も覆って2失点。5回途中で降板した。打線は西勇からチャンスを作るも一本が出ず、5回まで無得点。6回、関根が3日連続の3安打となるタイムリー二塁打で1点を返すと、代打の楠本が2点タイムリーを放って逆転。4人のリレーで逃げ切った。2番手の上茶谷が今季初勝利、山崎は2セーブ目。

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ポジ [Good]

2020年にドラフト4位で立教大からオリックスに入団した中川颯。ルーキーイヤーに開幕1軍に入ったが、登板機会がないまま登録抹消。7月に再び登録され、帯広での日本ハム戦に4番手として登板、1イニングを投げ、無失点に抑えた。その後、再び登録を外れ、ファームでは41試合で防御率1.13の好成績も1軍には呼ばれずにシーズンを終えた。

2年目は肩の故障で6月以降は実戦登板できず。オフに戦力外通告を受け、育成選手として契約した。そして昨年5月から実戦復帰し、ファームで結果も残していたが7月末までに支配下登録に至らなかった。ファームでの指標は良かったが、オフに2度目の戦力外通告を受けた。

その直後、ベイスターズから獲得の意向を示されて入団を決意。育成契約ではなく支配下というところに球団の評価、期待の大きさが表れている。1軍では帯広での1イニングしか投げていない中川颯が、オリックス時代に立つことを目指していた京セラドームのマウンドに、DeNAの選手として立つことになった。

プロ初先発で、いきなり近本にヒットを打たれた。慌ててしまいそうなところだったが、低めのストレートで中野を併殺打に取り、落ち着くことができた。初回は3人で片付け、2回は四死球でランナーを2人背負うも、梅野と木浪を内野ゴロで打ち取った。

4回、1アウトから前川に左中間を破られ、佐藤輝もヒットで続いて1アウト1、3塁。梅野を追い込みながら、アウトサイド低めのストレートに合わされ、センター前へタイムリーヒット。一塁ランナーの佐藤輝が三塁へ進み、一度アウトの判定だったがリプレー検証で覆った。

1アウト1、3塁が続き、木浪のファーストゴロで、オースティンが一塁を踏んでからホームへ送球。佐藤輝がタッチアウトとなったが、再びリクエストで覆った。防ぎたかった2点目を許したが、西勇を打ち取ってこの回を終えた。

5回裏、先頭の近本を歩かせてしまい、中野がバントで送ったところで三浦監督が出て交代となった。5回まで投げ切れなかったことは、先発の役割が果たせなかったので良いとは言えないが、プロ初先発で1軍での最長イニングを大きく伸ばし、4安打2失点という結果はまずまずのスタートだろう。

練習試合、オープン戦ではゾーンに投げ込み、少ない球数で四死球もほとんどなかった。この日は3四死球で、カウントを悪くする場面もあった。初先発の緊張感もあったとは思うが、カウントをどのように作って行くかを再確認し、次の登板に備えて欲しい。

その中川颯の負けを消したのが、関根と楠本。関根は2日のカード初戦で今季初スタメン。そこから2日連続の3安打と好調さを見せていた。前日に走塁ミスで流れを切ってしまったが、気持ちの切り替えはしっかりとできていた。西勇から2打席連続でセンター前ヒットを放って迎えた6回、ノーアウト1、3塁でライト線へのタイムリー二塁打。まず1点を返した。

関根は、同一カードで3日連続の3安打。なかなかないことだと思う。一時、打率は13打数10安打で打率.769に達した。開幕3連戦では2打席だけだったので、規定打席に到達していないが、10安打はセ・リーグでトップに立った。このペースで打ち続けることはないが、昨年に続いて4月にチームを導く活躍を見せている。

その後、松尾が死球でノーアウト満塁となり、石上への代打大和が浅いライトフライで1アウト。ここで楠本が代打に告げられると、阪神は西勇から桐敷に交代。2球で追い込まれてしまった楠本だったが、低めのフォークを巧みなバットコントロールで当て、打球は桐敷の足元を転がってセンター前へ。二塁から関根も還って逆転の2点タイムリーとなった。

ストレートが来ても当てられるタイミングで待ち、フォークが来るとどうしても泳がされてセカンドゴロやファーストゴロになりがちだが、体が止まって巧く捉えられたからこそ、投手の足元に転がせたと思う。バットに当てないと始まらないが、ただ当てたというだけではない技術の一打だった。

逆転した後は、4人のリリーフが無失点でリレーした。伊勢はストレートに力があり、三者凡退で抑えたが、ウェンデルケンはランナーを二人背負う苦しい投球。しかし、中野をこの日2つ目の併殺に取って切り抜けた。

森原も2アウトランナーなしからヒットと四球で同点のピンチを招いた。代打の糸原が二遊間へ強く弾き返した打球に、牧がダイビングして捕り、林にトス。抜けていれば同点は確実というところで、森原もチームも救うファインプレーだった。

最後は、2日の初戦に続き、山崎がクローザーとして登板。変化球が多く、115キロ前後のチェンジアップも織り交ぜた投球。フワッとした軌道なので、オールスターで投げていたナックルを解禁したのかと思った。三者凡退で抑え、2セーブ目を挙げた。

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ヤジ [Bad]

度会が2試合連続ノーヒット。そういうこともあるとは思うが、5打席で出塁ができなかったのは厳しい。ローボールヒッターだと思うので、若いカウントから打ちに行くのは構わないが、打つボールはもう少し厳選したいところ。

オープン戦では素晴らしいバットコントロールで逆方向にも打てていたが、本番になると相手も研究して来るし、打ちたいという気持ちが出過ぎるのかも知れない。引っ張りのバッティングが目立つので、ボールに逆らわずに打ち分けたい。

最後の打席でセカンドゴロとなり、一塁へヘッドスライディングをした。悔しい気持ちは分かるが、それほど際どいタイミングでもないし、ケガのリスクが高まる行為。その気持ちはヘッスラで見せるのではなく、明日以降の練習、打席で見せて欲しい。

変化球、左腕と苦手な部分が見えて来たところで、今度は度会がそれを乗り越えて行く番だろう。誰しもが通る道で、打てる時もあれば打てない時もある。しっかりと向き合って欲しいと思う。

佐野も低調が続いている。オープン戦は良かったが、公式戦に入って彼らしいバッティングがなかなか見られない。全員が好調ということもないし、他の選手が落ちて来た時に打って、カバーしてくれれば良いのだが、牧がマルチヒットで復調気配、宮崎と関根が好調なので、オースティンの出塁から佐野が繋ぎ、チャンスを作って還すパターンにしたいところだ。

4回裏に阪神が2点目を取ったシーン、1アウト1、3塁で8番の木浪という状況でどのような守備の指示を出していたのか。ファーストゴロでオースティンは一塁を踏んでからホームに送球した。ファースト、サードはバックホーム、セカンド、ショートは併殺狙いのシフトではなかったのか。

オースティンの独断でベースを踏んでから投げたのなら、もう一度確認しておくべきだろう。次が投手の打順なので、ホームをアウトにすることを最優先すべきだった。そういう指示をしていたのかどうかだが、ベンチの意図とプレーが合っていないのなら、反省点として取り組んで欲しい。

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キジ [Other]

開幕から2カード連続の勝ち越しが24年ぶりだという。開幕6連勝なら分かるが、勝ち越しですら24年もできないチームであることを改めて実感する。その24年前は、先日ハマスタでの開幕3連勝がかかった時にも登場した2000年。

今年とは逆で、開幕がハマスタで阪神3連戦、2カード目が広島市民球場での広島戦だった。開幕カードを3連勝し、広島との初戦にも勝って4連勝でスタート。5試合目で敗れたが、広島との3つ目も勝利して連続カード勝ち越し、5勝1敗のスタートだった。しかし、4月後半に負けが込み、4月末時点で11勝11敗1分の5割に戻ってしまっている。

昨年は4月だけで貯金を2桁作り、6月下旬で12まで到達しながら3位に終わった。どういうスタートだとしても、9月に勝負できる位置にいなければ意味がない。だからこそ、松尾をスタメンで使ったり、中川颯、ケイを先発で登板させたりすることは、先を考えれば意味のあることだと思う。

チームを戦いながら成長させ、選手層に厚みを作り、夏場以降に勝負できる戦力を作る。宮崎やオースティンも適度に休ませながら、うまく勝ちを拾って行きたい。そういう意味で、この日のようなゲームを取れたことは価値があると思う。

この日、前日に先発した濵口が登録抹消となった。3月31日に抹消された平良は、10日から登録可能となる。中川颯が中5日で投げるとも思えないし、おそらく投げ抹消になるのではないかと思う。そのため、10日は平良が先発する可能性が高い。6人の開幕ローテーションで一番良かった投手を10日間空けるのだから、贅沢な話だ。

来週からは週5試合が3度続くので、そもそも先発は5人いれば足りるのだが、ケイも含めて7人の体制。前述の通り、長いシーズンを見越せば、森唯や小園もどこかで試してくると思う。小園はこの日ファームで登板し、良い内容を見せていた。

6日の東京ドームはケイが先発すると見られるが、内容によっては翌週の土曜は森唯や小園にチャンスがあるかも知れない。濵口も負けはしたが、そこまで悪かったわけではないので、14日以降に再び登録されて先発することになるだろう。東、大貫、ジャクソンあたりをコアとして、それ以外の3人は入れ替えながら使って行く考えなのかも知れない。

広島、阪神と昨年上位だった2チームとの6試合を4勝2敗と上々の成績で終えた。ここから先も油断することなく戦って行きたい。まずは東と戸郷のエース対決。開幕戦では良くなかった東は、昨年の3敗全てを喫した読売戦でどのような投球を見せるか。戸郷から得点するのは容易ではないので、最少失点で投げてもらいたい。

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