03/02 福岡ソフトバンク5-3横浜DeNA(北九州)
先発の東は、2回に今宮の二塁打でピンチを招いたが、牧原をセカンドゴロに打ち取る。3回3安打無失点と開幕投手に向けて順調なスタート。2番手の森唯斗は球威、コントロールともに今一つで、甲斐に甘く入ったカーブで3ランを被弾するなど、3回9安打5失点と今後に課題を残した。打線は、石上が4安打の活躍。ラッキーな当たりもあったが、力強いスイングが光った。
ポジ [Good]
ルーキーの石上がまたも強烈なアピールを見せた。5番セカンドでスタメン出場し、4安打1打点の活躍。開幕のショートスタメンに一歩前進した。
最初の打席では、左腕の大関に対し、3球スライダーが続いた後、初めて来たストレートを弾き返し、センター前へのクリーンヒット。高めに入ったとは言え、最初のコンタクトでしっかりと合わせるあたり、左腕への対応もできている。
2打席目は、右腕の古川のストレートに差し込まれたが、振り切ることができたので、レフトの手前まで飛んで行った。148キロの高めで内野フライにならないあたり、ショートを争う他の選手たちよりも力強さを感じる。
そして3打席目は5回ノーアウト1、3塁のチャンス。初球、低めのチェンジアップに手を出し、当たり損ねのボテボテのゴロ。勝ち越し点が入るだけではなく、俊足が生きてこれが内野安打になる。結果的にはさらなる追加点には繋がらなかったが、こういった当たりもヒットにできる脚力は魅力的だ。
8回の4打席目では、松本晴のストレートを叩くと、打球は強い当たりで三遊間へ。サードの仲田を強襲し、打球はレフトへ抜けて行った。逆方向への当たりだが、打球速度が速い。当たりが弱いとサードゴロになってしまうが、抜けるというのは単なるラッキーではない。
セカンドの守備では、一二塁間の強い打球を止めるもボールが手に付かずに内野安打という場面があった。セカンドだと少し守備範囲が狭いかなと思うが、牧がいる限り出場機会はショートになってくると思うので、今後のオープン戦で結果を出して行けば、ショートを中心に起用されるようになるだろう。練習試合でも光っていた強肩もあるので、走攻守で見るのが楽しみな選手だ。今後の活躍も期待したい。
開幕投手の有力候補である東が、冷え込むコンディションの中で、きっちりと結果を残した。立ち上がり、周東を2球で追い込むとピッチャーゴロに打ち取る。柳田にもストライク先行で、最後はスライダーを空振り三振。選球眼の良い近藤にはボールが先行したが、セカンドライナーで三者凡退。
2回は2アウトから、今宮に高めに浮いたスライダーを打たれ、三塁線を破られた。しかし、牧原を2球で追い込むと、スライダーでセカンドゴロに打ち取り、切り抜けた。3回は柳田がセカンド内野安打で出塁し、代走の緒方が盗塁を試みるも、山本が刺した。
開幕投手に向けて、まずは順調なオープン戦の初戦となった。昨日も書いた通り、来週以降は3月29日の開幕戦に合わせて、金曜日に先発して調整すると思われる。残り3回の登板でイニングを伸ばして行けば、十分な調整ができるはず。
2022年に開幕投手を務めた際には、6回途中で4失点で敗れ、チームはホームでの開幕カードで3連敗。今年も同じ広島戦になるだけに、リベンジしたいだろう。昨年のCS 1stでも好投しながら勝つことが出来なかった相手。万全で迎え、チームに勢いをもたらして欲しい。
育成選手の森岡が8回に登板。先頭の仲田からキレのあるフォークで空振り三振を奪い、川瀬もフォークで追い込むと、最後もフォークでサードゴロ。海野は初球のストレートを打ち上げてキャッチャーフライ。僅か9球で三者凡退に抑えた。今回はファームからゲーム参加ということで帯同しているが、次も見たみたい内容だった。支配下登録に返り咲くためにも、続けてアピールして行きたい。
打者では、練習試合から結果を出している京田がタイムリーを放った。ノーアウト満塁から犠牲フライの1点で終わりそうな中、追加点が取れたのは大きかった。勝又も良い形で捉え、ライトの守備範囲にはなったが、先制の犠牲フライと最低限の結果を残した。
西浦は2打席目で浮いたチェンジアップを捉え、フェン直の二塁打。昨年はシーズン途中で移籍したが、あまり出番がなかった。パンチ力は健在なので、今年は生かして行きたい。オースティンは牧と交代しDHで2打席。最初の打席でセンター前へ強烈なヒットを放った。ケガに注意し、開幕オーダーに名を連ねて欲しい。
度会は、左腕の大関に対し、アウトサイドのスライダーをファウルで逃げて、フォークに泳ぎながらも、体がしっかりと残ってバットで拾うことができた。長打力も魅力だが、追い込まれるとバッティングを変え、きっちりミートすることができる。三振か本塁打かという打者ではないので、上位の打順でしっかり塁に出る役割も果たして欲しいと思う。
ヤジ [Bad]
森唯斗は、古巣のソフトバンクを相手に、3回5失点と厳しい結果になった。この日は、ボールの強さ、コントロールともに物足りなかった。
4回先頭の近藤には2球目のカットが真ん中に入り、レフト前ヒット。山川にも真ん中付近のカットを捉えられ、左中間フェンスの最上部に当たる二塁打で1点を返された。森唯斗も投げた瞬間にしまったという雰囲気だった。
中村晃はファーストゴロで進塁打。1アウト3塁から井上は低めのチェンジアップで空振り三振。今宮もアウトサイドのカットで、バットの先に当たったフライに打ち取ったが、関根が目測を誤ってタイムリーヒットになってしまった。牧原はチェンジアップで空振り三振に打ち取り、最初のイニングを終えた。
5回は、2アウトを取ってから緒方にインサイドのカットをライト前ヒットとされると、柳町に3ボール1ストライクとなり、5球目のフォークが浮いてレフト前に運ばれた。2アウト1、3塁で甲斐を迎え、カットボール2球で2ストライク。しかし、3球目のカーブがど真ん中に入り、北九州で相性の良い甲斐がこれを完璧に捉えた。レフトスタンド上段への3ランとなり、5失点。
三森はバットを折りながらショートへの内野安打で出塁し、井上は初球を捉えてライトへの二塁打。さらにピンチが続いたが、仲田をチェンジアップで空振り三振に仕留め、切り抜けた。
6回は川瀬からチェンジアップで空振り三振を取り、またも2アウトから周東のヒットなどでピンチを招いたが、柳町を打ち取って無失点で切り抜けた。
3回69球、9安打5失点という内容。1球速報ではほとんどがカットボールと表記されているが、本当にカットボールを多用したのだろうか。ストレートの球速が出ておらず、引っかけ気味でリリースしていることでこうなったのか。配球的に試す部分があったのなら、それはそれで良いとは思う。
4三振を奪ったように、チェンジアップはかなり良かったと思う。カーブも甲斐には甘く行ってしまったが、低めへブレーキが利いて決まるボールもあった。ほとんど投げていないことになっているストレートの球威と、勝負所での細かいコントロールは今後の課題になる。
本人は実力不足と、言い訳はしなかったが、気温が低いコンディションも影響したとは思う。東や他の投手はそれでもきっちりと結果を出しているので、仕方ないとはならないが、この登板1回で何かが決まることはないと思う。次回はどんな投球を見せるのか。次はある程度結果が求められることにはなるだろう。
林の打席の内容があまり良くないのが気になる。今年はウェイトを増やし、少しパワーを付けたようだが、それが打球にあまり表れていない。1、2番を打つために出塁率を意識し、ポイントを近くして四球も取れるようにしているのかも知れないが、振り遅れてバットに当たらない場面もある。試行錯誤の日々で、石上が結果を出しているので焦る部分もあるだろうが、昨年のCSのようなバッティングを見せて欲しい。
キジ [Other]
三浦監督にとっては、1993年9月4日に、プロ初勝利を挙げたのが北九州市民球場ということで、思い出の地へ久しぶりに来た形になった。かつては、球団発祥の地でもある下関、北九州でのホームゲームも行っていたが、DeNAに変わってからはホームゲームは新潟でしか行わなくなった。
晴れ間は覗いていたが気温が低く、選手にとっては難しいコンディションの中での試合になったが、打線は石上の4安打を中心に2桁安打をマーク。森唯斗が5失点してしまったが、他の投手はきっちりと投げることができていた。
ファームは、横須賀スタジアムで東洋大と練習試合を行ったが、ほとんど情報がない。
東洋大野球部のXでは試合終了後のスコアボードの写真とともに結果がポストされている。どうやら9回2アウトから何とか同点として引き分けたようだ。先発はジャクソンと事前の報道があったが、4回まで投げているとしたら1失点か。スコアボードを見ると、最後はウェンデルケンも投げたようで、今季は実戦初登板となる。横須賀での試合に回った松尾は、代打で登場したようだ。
ファームは3日もセガサミーとの練習試合になる。こちらは平良が先発する予定。一方、1軍のオープン戦は京セラドームでオリックス戦となり、石田と濵口の登板が予定されているようだ。先発ローテーション争いでは森唯斗が一歩後退した形なので、他の投手は結果を残して進んで行きたいところ。B班で調整していた左腕二人がどんな仕上がり状況なのか、注目したい。
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