03/19 横浜DeNA3-0オリックス(ハマスタ)
先発の中川颯は、古巣相手の登板となったが、いつも通り低めに集める投球。2回、4回はゴロを打たせて併殺を取った。5回72球で無失点と好投した。スタメンマスクを被った松尾は、ラッキーな内野安打、レフト前ヒット、レフト線への二塁打で3安打。初の開幕1軍に大きくアピールした。牧が山下からバックスクリーンへ本塁打、7回はヒットの後に盗塁を決め、復調を感じさせた。
ポジ [Good]
中川颯が、戦力外となった古巣に対して5回無失点の投球を見せた。複雑な思いがあったことを明かしたが、古巣への気持ちというより、拾ってもらったベイスターズに恩返ししたいという気持ちが強かったようだ。
これまでは四球をほとんど出していなかったが、頓宮と西川を歩かせた。5イニングで4安打を許したが、2度併殺を取って切り抜けた。プロではほとんど長いイニングを投げていないが、72球で5回まで投げたことは一つの成長で、先発ローテーション入りに大きな前進となった。
オープン戦は、3試合の登板で13イニング無失点。ファームの教育リーグでの登板では失点を許してはいるが、キャンプ中の練習試合から十分な結果を残している。他の候補との兼ね合いではあるが、どのような決断が下されるか。オリックス時代には1軍で僅かに1試合1イニングの中川颯が、プロ初先発でベイスターズでのデビューを迎えるか。
その中川颯をリードした松尾が、バッティングでも結果を残した。この日、戸柱がファームへ合流することが発表された。これまでのように、ファームのゲーム参加ではなく、実質的に降格を意味する内容だった。
1軍の捕手枠は3人。昨年は山本、伊藤、戸柱の3人で回していたが、ここに松尾が割って入る。この時期に残ったということは、開幕1軍に近づいたということ。その中で、最初の試合で結果を出すあたり、さすがドラ1の高卒捕手といったところか。
捕手に限らず、近年の高卒打者としてもルーキーイヤーの成績、指標はトップクラス。個人的には、2025年には松尾がショートで出場しているのではないかと思っていた。それほどバッティングが魅力的だし、ショートが穴であるベイスターズにはフィットすると思ったからだ。
しかし、高校時代にショートからキャッチャーに転向した松尾は、守備でも成長を見せた。相川コーチも昨年の春の時点では厳しいと思っていたようだが、1年経過してその成長を認めていた。
バッティングは、1軍クラスと言ってもいい。この日の最初の打席は、送球が逸れてラッキーな内野安打だったが、2打席目は2球で追い込まれながらも、最後はカーブをレフト前に運んだ。そして、6回はストレートをレフト線へ打ち返し、積極的に二塁を陥れた。3安打で開幕1軍へ強烈なアピール。
2月24日のオープン戦初戦でも、6回から登板した中川颯をリードし、4イニングを無失点に抑えた。そして、自身はチームのオープン戦1号となるソロも放った。中川颯が先発ローテーション入りを掴めば、その試合は松尾がスタメン起用される可能性が高まった。山本が、東とのバッテリーでチャンスを掴んだように、松尾も中川颯とともに1軍の戦力に駆け上がってもらいたい。
牧が、山下の153キロのストレートを捉え、バックスクリーンへ打ち込んだ。体調不良で欠場が続き、17日からスタメン復帰。まだバッティングの状態は戻っていないような内容だったが、この日は本来の牧の姿が戻って来た。
7回にもライト前ヒットで出塁した後、相手の隙を突いて盗塁を成功させた。プロ3年で盗塁は7しかないが、足が速くなくても隙を突いた走塁はできる。チームが今年取り組んでいる走塁に対して、意識の高いところを見せた。守備でも難しい当たりをバックトスで併殺に取るなど、動きが良くなっている。開幕に向けて遅れていた調整が一気に進みそうだ。
度会は、最初の打席で山下のストレートに押され、最後はカーブに泳いでピッチャーゴロ。しかし、2打席目はそのストレートに合わせ、初球をライト前に打ち返した。ここまでストレートへの対応の良さを見せている度会が、山下の155キロにも対応して見せ、出場15試合連続ヒットに伸ばした。石上も最後の打席で、レフト線へ落ちる二塁打。開幕スタメンに名を連ねそうなルーキー二人が、この日も結果を残した。
松本凌以降のリリーフ4人も、ノーヒットに抑えて完封リレーを完成させた。松本凌は、最近は失点する試合も目立ったが、この日は四球を出したものの、後続を断った。徳山は、前回のように156キロとは行かなかったが、150キロ前後のストレートにフォーク、カーブを織り交ぜて三者凡退。
ウェンデルケンは、立ち上がりに3球ボールが続いたが、徐々にボールが良くなり、西川を押し込んでレフトフライに打ち取って三者凡退。山崎はストレートのキレ、コントロールが良く、スプリットとのコンビネーションで危なげなく抑えた。この日、9回を任されたということは、開幕のクローザーは山崎である可能性が高いか。残り試合での起用も注目したい。
ヤジ [Bad]
この試合は何も言うことはない。オープン戦最終週で、開幕モードに入って行く中、3連覇中のオリックス戦でしかも先発が山下というところで、内容のある試合ができたことはチームにとっても大きいと思う。残り4試合も内容のある試合をして開幕を迎えたい。
キジ [Other]
この日のオーダーが開幕スタメンか
オープン戦も最終週に入り、残り6試合。ここからは来週金曜の開幕に向けて、レギュラークラスを中心に、より公式戦に近い起用になって行く。その中で、初戦に組まれたオーダーが、現状で開幕スタメンを想定したものになっていると思う。
9 度会 3 オースティン 7 佐野 4 牧 5 宮﨑 8 梶原 6 石上 2 山本 1 東
開幕投手は東と発表されているので、さすがにキャッチャーは山本になるだろう。ただ、現状でオープン戦では.077と全く結果が出ておらず、今年も打てるとは限らない。そういう意味で、この日猛打賞の活躍だった松尾が一気に台頭する可能性も残されている。伊藤もバッティングの状態は良いと思うので、本人も分かっていると思うが、うかうかしていると東が先発する試合しかスタメンの出番がなくなる。
2番オースティンは、管理人も最適と思っていた。どうしても日本人には2番はバント、進塁打のイメージが付き過ぎていて、誰がやっても変な意識をしてしまう。その中で、オースティンは全くそれがなく、2番に入ってもいつも通りのバッティングができる。後ろが強力なので勝負せざるを得ないし、しっかり見ることもできるので出塁も期待できる。そして、盗塁は難しくてもけっこう足が速いので、そこも生かせそう。ただ、やっぱり怖いのケガで、離脱されると大きくオーダーを変えなければならないのが難点。
4番牧は、三浦監督の拘りだから、これはもういいでしょう。本当は3番に置いた方が良いと思っているが、後ろに最強打者の宮崎がいれば、牧が打つ機会も増える。こちらもオースティンと同じで、全試合スタメンというわけにはいかないので、宮崎がいない時に5番をどうするかが鍵。上位の並びを変えずに5番に入れられる選手が現れたら強いと思う。
ルーキーが二人入るが、かつてのように他の選手との消去法で入れざるを得ないのではなく、かなりハイレベルな結果を残して勝ち取った結果だと思う。過去の誰かと比べる意味もない。
このオーダーが強いところは、昨年までと違って足が使えるところだと思う。度会は過度な期待はできないが、梶原と石上はかなり行けると思う。そして、強力な中軸の前だと失敗したら勿体ないという気持ちになるが、下位打線ならそれもなく行けると思う。キャッチャーのバッティングが良ければ、梶原か石上を8番に置いても良い。
ルーキーやレギュラーとして出場していない梶原は、1年間計算することはできない。ケガのリスクが高いオースティン、宮崎も同様。なので、桑原や関根、林、大和らのバックアップも不可欠。彼らがベンチスタートであったり、いつでも出られる状況を作っていてくれれば、これほど心強いことはない。
残り4試合、このオーダーを中心として、最終的な陣容を固め、良い形で開幕を迎えたい。
深沢鳳介がトミージョン手術
残念なニュースが入って来た。2月25日のユニオンですから宜野湾でのオープン戦で登板し、右肘の張りで予定の3イニングよりも早く降板した深沢が、トミージョン手術を受けたことが発表された。
張りが続くと、そういう決断も必要になるのだが、今回一度の離脱で、既にもう手術を終えたという早さは驚いた。もしかしたら、前から張りが出やすく、肘の靭帯の状態が良くないことは分かっていたのかも知れない。それでも、メスを入れて1年半ほど投げられなくなるわけだから、決断は簡単ではなかったはず。
タナケンに始まり、東、平良とトミージョン手術を受けて、復活する先輩を見ていたことも、決断に踏み切れた大きな要因かも知れない。1年半ほどなので、2025年の秋には実戦復帰できる見通しで、2026年には完全復活が期待される。高卒3年目の深沢は、2025年のドラフトで指名される大卒選手と同じ世代ということになるから、2026年に復活できれば、大卒ルーキーよりも戦力になれる期待がある。
今年は春季キャンプから素晴らしい投球を見せていて、開幕ローテーションにも入れるのではないかという状況だったので、残念で仕方がない。投球フォームが近い先輩である平良のように、肘の不安なく投げられるようになり、リハビリ期間のトレーニングによってさらなる進化を遂げて欲しいと思う。
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