ラミレス監督の開幕戦 2016~2020

これまでのラミレス監督就任後の開幕戦について、振り返ってみる。2016年の就任から2020年の予定も含めて、各年の結果やスタメンを比較した表と、各年の開幕戦のプレイバックをしてみる。かつて、開幕戦は負けるものと言われたくらい負け続けたが、近年はどうなのか。

年度別の開幕戦結果とスタメン

まずは、下記の表から。

年度20162017201820192020
相手広島ヤクルトヤクルト中日広島
球場マツダ神宮横浜横浜横浜
スコア○2-1●2-9●3-7○8-1
相手先発ジョンソン石川ブキャナン笠原大瀬良
15 白崎8 桑原8 桑原8 梶谷8 梶谷
28 荒波9 梶谷6 大和9 楠本9 乙坂
33 ロペス3 ロペス7 筒香4 ソト4 ソト
47 筒香7 筒香3 ロペス7 筒香7 佐野
59 ロマック5 シリアコ5 宮崎5 宮崎3 ロペス
66 倉本4 田中浩2 戸柱3 ロペス5 宮崎
74 柴田6 倉本9 神里2 伊藤光2 伊藤光
82 戸柱2 戸柱1 石田6 大和1 今永
91 井納1 石田4 倉本1 今永6 大和
[6/18更新:2020年のスタメン等を更新]

今年、5年目を迎えるラミレス監督だが、過去4年は2勝2敗。歴史的に見ると善戦しているだろう。その2敗の先発は石田。開幕の負けと言えば、三浦現二軍監督が有名だが、その系譜を継いでいるのだろうか。井納は普段はパッとしない投球が多いが、こういう舞台だと意外と好投したりする。昨年の今永は言うまでもないが、素晴らしい投球を見せてくれた。今年も2年連続の開幕投手が決まっていたが、どんな投球を見せてくれるか。

スタメンの方は、筒香がメジャー移籍をしたため、さすがに2016年と比べるとメンバーはだいぶ変わってきている。開幕に名を連ねたロマック、シリアコは早々に2軍へ降格。2018年に開幕戦のベンチ入りはしたが、直前のケガで離脱したソトが、シーズン途中から大活躍した。ロペスが2020年も開幕スタメンに名を連ね、唯一の5年連続スタメンとなった。

2016年

ここからは各年の開幕戦を簡単に振り返ってみる。まずは2016年。

前年の開幕投手である久保康友を抑えて井納が開幕投手を務めた。広島はジョンソン。オープン戦で.347の好成績を残した白崎がスタメン入り。ドラフト3位ルーキーの柴田もセカンドでのスタメンを勝ち取った。そして、ラミレス監督が「夢に出てきたから」という起用が、キャッチャーとしては異例の開幕スタメンとなった戸柱。このルーキーが活躍を見せる。

苦戦が予想されたジョンソンに対して、2回に筒香が歩き、ロマックが初打席でヒットをマーク。倉本が送った1アウト2、3塁から、柴田がセンター前へ2点タイムリー。193センチの長身であるジョンソンから167センチの小兵が痛快な一打を放った。

井納はルナに四球とヒットを許し、唯一投げづらそうにしたが、それ以外は素晴らしい投球を披露。立ち上がり2イニングで4つ三振を奪うと、6回までルナの2出塁の他はジョンソンの内野安打だけに封じた。7回は2アウトから新井にヒットを打たれたが、代打の松山を抑え、7回無失点という最高の内容で交代した。

2番手の三上が2四球から犠牲フライで失点したが、2年目の小さな大魔神、山崎が自身初の開幕戦セーブをマークして逃げ切った。バットでは3打数ノーヒットだった戸柱はフル出場し、3人の投手をリードして1失点。2回の2点を守り切る堂々のデビューだった。ルーキーの柴田、戸柱の活躍で、ラミレス監督は初采配で初戦勝利を飾り、チームは3年ぶりの開幕戦白星スタートとなった。

2017年

前年に球団初のCS進出を果たし、ファイナルステージまで駒を進めた。ラミレス監督の2年目は優勝を目指してスタートを切った。

開幕投手は石田。前年、チームの勝ち頭となった山口が読売へFA移籍。ルーキーで8勝を挙げた今永、前年開幕投手の井納と争いになったが、前年9勝を挙げた石田がラミレス監督に指名された。

オープン戦で首位打者を獲得したシリアコが5番でスタメン。さらに、この年から移籍した田中浩康が、古巣相手の開幕戦にスタメン出場となった。それ以外のメンバーは、前年にCSへ進出したレギュラーメンバーで固められており、チームとして力が付いてきたことを実感させた。

序盤の3回までは、開幕戦の緊張感の中、0-0と静かな滑り出し。3回までエラーと四球でランナーを出しながら無失点で来た石田だったが、4回先頭のバレンティンにヒットを許すと、連打を浴びて2失点。5回にもバレンティンのタイムリー二塁打で3点目を奪われた。

打線は6回にようやく石川からロペスが2ランを放ち、1点差に迫った。石田は6回2アウトから投手の石川にヒットを許し、大引のダブルでピンチを迎えるが、ここを何とか凌ぎ切って3失点でマウンドを降りた。

しかし、7回から登板した須田が乱調で1アウト満塁のピンチを招いて降板。ここでルーキーの進藤を投入するという思い切った策に出たが、中村の2点タイムリーダブル、西浦の犠牲フライで決定的な3点を失った。8回に登板した高崎も3失点し、終わってみれば9失点の大敗での開幕となった。

2018年

前年はついにCSを勝ち上がり、日本シリーズまで進出したベイスターズ。監督も、選手も、ファンもリーグ優勝しかないという雰囲気の中迎えた久しぶりのハマスタでの開幕戦。そのマウンドを託されたのは、2年連続開幕投手となる石田だった。

しかし、苦しい台所事情での開幕投手だった。前年2桁勝利を挙げ、エースとして活躍していた今永、ルーキーで2桁勝利を挙げた濵口、投打に活躍したウィーランドの3人が離脱。開幕ローテーションで石田に続くのは、BCリーグからNPBに復帰したバリオス、高卒2年目の京山、高卒4年目の飯塚、ルーキーの東という実績の乏しいメンバーだった。事実上、石田しかいない状況だった。

スタメンには阪神からFA移籍した大和が2番ショートで入り、ルーキーの神里が梶谷を差し置いて開幕スタメンを勝ち取った。この年はラミレス監督の構想で、筒香は3番に入り、ロペスが4番を務めた。

開幕最初のプレーはまさかの光景だった。先頭の山田哲が引っかけた打球は、ベイスターズのデビュー戦となるショート大和の前へ。しかし、この打球を弾き、エラーで出塁を許す。守備の人として獲得したFA選手のファーストプレーがまさかエラーとは。この後、石田は四死球でピンチを広げ、満塁から坂口に2点タイムリーを浴びた。

3回には、川端に打った瞬間という当たりの2ランを浴び、続いて廣岡のライト前にポトリと落ちるダブルと神里の悪送球が重なり、さらに1点を追加されて5失点。5回108球、自責点2で降板した。

打線は4回にロペスのソロ、8回に宮崎の2ランで追い上げるが、終盤に国吉、田中健のリリーフ陣も失点して追い付かず。久々の地元開幕は、気温以上に寒い試合となった。

2019年

3年ぶりにCSを逃し、Bクラスに沈んだ前年。ラミレス監督も自身の進退を懸け、雪辱のシーズンに臨んだ。

開幕投手は、新任の三浦コーチが今永を指名した。前年、4勝11敗とエースとしての期待を大きく裏切り、Bクラス転落の大きな原因となってしまった4年目の左腕。それでも、この年に懸ける強い意気込みと、本来のボールを取り戻したオープン戦での投球を見て、開幕投手に決めた。

手術明けでスローペースの調整となった梶谷は、ぶっつけ本番という形で1軍昇格。オープン戦で首位打者となった2年目の楠本が、開幕スタメンを勝ち取った。前年5月から打ちまくり、ホームラン王のタイトルを獲ったソトが3番、前年7月にトレード移籍した伊藤光がスタメンマスクと陣容も変化した。

試合は今永、笠原の投げ合いで0が並んでいく。今永は5回までに7三振を奪う投球を見せ、前年の不振を払拭する姿を見せた。ベイスターズはチャンスを作りながらも1本が出ず、0-0のまま7回に入った。

今永が7回、1アウトから高橋にダブルを打たれるも、連続三振でピンチを切り抜けると、その裏の打順で交代せずに打席へ。ヒットで出塁すると、1アウト満塁のチャンスに。ここでソトが三振に倒れ、4番筒香に全ての期待がかかる。低めの変化球を巧く拾った打球はセンター前へ抜け、2者が還って先制。

今永は8回のマウンドにも上がり、ヒット1本を許すが連続三振で投げ切った。8回11奪三振の無失点と素晴らしい好投を見せた。

打線は8回に田島から集中打。佐野の代打2点タイムリーと仕上げは筒香の3ランで試合を完全に決めた。最後は山崎が1失点したが、開幕戦にエースと4番が仕事をしての完勝。いまだかつて見たこともないような素晴らしい開幕戦となり、逆に意表を突かれたような気持ちになった。

2020年

3月20日、東京ドームで開幕戦を迎えるはずだったが、新型コロナウィルス感染拡大により、開幕が延期となった。

開幕投手は、菅野と今永で内定していた。ベイスターズではオースティン、ジャイアンツではパーラといった新外国人も開幕スタメンに名を連ねそうな状況で、注目されていた。

新型コロナウィルス感染は拡大し、4月には緊急事態宣言が出され、全体練習さえ行うことができない日々が続いた。5月半ばに入り、拡大が収まりつつある状況で、緊急事態宣言が解除された。プロ野球は6月19日に開幕することを決め、再び動き出した。

3ヶ月遅れの6月開幕というかつて経験したことのないシーズンが始まった。

さいごに

そのシーズンの最初の1試合に過ぎない開幕戦。しかし、そのマウンドに上がることの名誉、開幕スタメン、あるいはベンチ入りをするための競争と、単なる1試合ではない思いがある。

新しい選手のデビューなど、開幕戦では特別なドラマも起こる。いよいよシーズンが始まるという高揚感、今年はどんなシーズンになるんだろうという不安、いろいろなものが詰まった最初の試合。

2020年は特別な思いを持って開幕を迎える。誰もが経験したことのないその日を、いつに増して待ち焦がれた。スタンドからの声援はなくても、熱い思いがきっと届くだろう。

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