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フェニックスリーグ終了 若手先発の活躍光る

第20回みやざきフェニックス・リーグは、10月30日に閉幕。NPB12球団に加え、四国アイランドリーグplus(IL)選抜、日本独立リーグ野球機構(IP)選抜、KBO選抜が2チームの16チームが参加。横浜DeNAベイスターズは、2試合の雨天中止があり、16試合で9勝6敗1分の6位だった。

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ベイスターズの試合結果

日付相手得点球場先発
10/09IL選抜中止ひむか
10/10広島6-1天福濵口知野
10/11オリックス2-1生目第二石田
10/12中日5-2SOKKEN小園
10/14IL選抜9-3生目第二森下
10/15ヤクルト0-8ひむか松本
10/16IP選抜1-9サンマリン今野
10/17オリックス1-2xSOKKEN深沢
10/19広島5-5天福小園東妻
10/20KBO2中止都城
10/21ソフトバンク3-0ひむか森下
10/22阪神0-2サンマリン櫻井
10/24中日4-5SOKKEN深沢
10/25日本ハム3-0サンマリン今野
10/26KBO16-1サンマリン小園
10/28阪神6-4ひむか森下蝦名2
10/29広島5-6天福松本
10/30ソフトバンク7-2アイビー深沢

開幕日の9日は、悪天候のため全試合が中止となった。第1節は、クライマックスシリーズに向けて濵口、石田、平良、戸柱、楠本、知野といった選手が調整した。10日は知野にホームランが出て快勝。11日は石田と平良で7イニングを1失点に抑えて連勝。14日まで4連勝のスタート。

その後は育成の投手たちが打ち込まれる試合や、打線が沈黙する試合もあり、一進一退の勝敗となった。森下、深沢、小園といった高卒1、2年目の先発投手の好投が目を引き、リリーフでも徳山、渡辺、そして育成の外国人投手であるディアス、マルセリーノの力強い投球を見せた。

育成の投手は、まだまだボールの精度や力強さが必要な部分はあるが、この時期に登板を重ねることができていれば順調。横浜高時代の同級生である度会がドラフト1位で指名された松本は、まだ3イニング程度ではあるが、少しずつ結果を残している。

一方、打線はヒットで繋ぐ部分は一定の結果を残したが、ホームランは1軍で出場した知野と蝦名の2本を除くと東妻だけ。松尾にはホームランはなかった。先日のドラフトで度会を始め、パワーヒッターを数名指名したように、打線の迫力不足が浮き彫りになった。

この16試合で試すこともできただろうし、実戦で経験したものをオフのトレーニングなどで補い、来春のキャンプにはさらに成長した姿で合流できるようにして欲しい。

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注目した選手

森下瑠大

高卒ルーキーながらシーズン後半、イースタンで9試合に登板し28回1/3、防御率2.22をマークした森下。フェニックスリーグでも注目していた。

10/14 IL選抜 6回1失点
10/21 ソフトバンク 6回無失点
10/28 阪神 6回1/3 3失点

3試合とも試合をきっちり作って6回以上投げたことは評価できる。ストレートが速いとか、魔球と呼ばれる変化球があるわけではないが、コントロールがまとまっており、各球種を高いレベルで操ることができる。

身長も同じである石田と重なる部分が大きい。今年はシーズン終盤に消化試合がなかったし、近年は高卒ルーキーを1軍で登板させることはほぼないが、一昔前なら三浦監督の現役時代のように登板していたかも知れない。

ルーキーイヤーは順調に来たと思うので、この後の秋季トレーニングやオフの期間でプロの体を作り、来年さらに飛躍して欲しい。プランに沿って育成していると思うが、来季は先発投手で苦しむことが予想されるので、状況によっては1軍デビューもありうる。

深沢鳳介

高卒2年目にして、イースタンで18試合に登板し、6勝。チームトップの93回1/3を投げ、ファームのローテーションの中心を担った。小園にライバル心を燃やす深沢だが、一歩リードした形。

10/12 中日 2回無失点
10/17 オリックス 6回1失点
10/24 中日 6回2失点
10/30 ソフトバンク 3回無失点

第1節は、1軍の投手が調整登板したため、小園が先発で3イニングを投げた後、2番手で登板した。その後、先発で2試合投げ、森下と同様に6回を投げて試合を作った。最終戦は他の投手が登板する都合で3イニングだったが、ヒットを打たれながらも得点は許さなかった。

三浦監督が、状況によってはシーズン終盤に1軍での登板を計画していたという深沢。高卒2年目でこの段階まで来ていることは非常に順調。平良という良いお手本がいるが、持ち味を発揮し、ゲームを作る先発投手として1軍の戦力になって欲しい。

小園健太

ドラフトで競合して引き当て、背番号18を付けた。完成度が高く高卒ながら早期に活躍するのではと言われていただけに、2年目でも1軍の登板はなく、少し物足りないと言われる小園。入団後に筋力が想定よりもなく、体作りに明け暮れたルーキーイヤー。2年目は17試合に登板したものの、防御率4.21と期待ほどではない。

10/12 中日 3回無失点
10/19 広島 5回1/3 3失点
10/26 KBO1 9回1失点
10/30 ソフトバンク 1回無失点

何と言っても26日の1失点完投勝利。106球で7安打も7三振、そして無四球だったことが大きい。コントロールで苦戦することが多かったので、KBO相手とは言えゾーンで勝負して行けたことは本人としても手応えがあるだろう。

ストレートは、スピードガンではそれほど出ていないが、打者を押し込むことができていたので、回転も良いのだろう。まだ全体的にレベルアップが必要ではあるが、しっかりとステップアップはしている。松尾との高卒ドラ1バッテリーが来季、どこまで飛躍し、そして1軍でのデビューがあるか、注目したい。

ディアス

トミージョン手術からの復帰となったシーズン。イースタンでは終盤に5試合の登板、防御率6.23と結果が出ていなかった。フェニックスリーグではリリーフとして登板。何度か映像で見たが、力強いストレートが戻って来ている。ここ数年在籍している育成の外国人投手の中ではもともと、球威もありながらコントロールが適度にまとまっている投手だったので、肘が治って本来の投球ができれば面白い。

来季は5年目になるので、一旦自由契約となるが、5年目のシーズンとして残留することになりそう。まだ24歳でもあり、支配下登録を目指してさらに成長して欲しい。

蝦名達夫

今年は1軍ではチャンスが少なく、出場しても守備でのミスが目立つなど、打率.140と結果を残せなかった。しかし、ファームでは打率.322をマークしており、フェニックスリーグでもそのバッティングは、他の選手と格が違っていた。

追い込まれてからは右打ちでヒットを放ち、甘く入ったボールは強く振り抜き、レフト後方のネットに当たる特大弾。28日には、門別から2打席連続となるグランドスラム。

以前にも書いたが、もう1軍で結果を残して定着するしかない選手。典型的な1.5軍の成績になってしまっているが、2022年は交流戦の前後でレギュラーとしてスタメン出場を続けた。そこでレギュラーを掴み切れなかったが、走攻守に能力はある選手なので、来季はチャンスをものにして、定着して欲しい。

松尾汐恩

上甲が参加しておらず、東妻は外野での出場が多くなった。そのため、かなり多くのイニングでマスクを被った。今年はイースタンで104試合出場と、高卒ルーキーでしかもキャッチャーということを考えれば順調なスタートだった。この期間にキャッチャーとして多くのことを経験できたのではないか。

特に26日は、ドラフト会議の日に小園との高卒ドラ1バッテリーで完投勝利を挙げた。キャッチャーとしてピッチャーをリードする感覚が掴めたのではないかと思う。フレーミング、スローイングなど他にも身に付けることは多いが、守備面でも大きく成長していると思う。

バッティングでは、ホームランこそ出なかったが、コンスタントにヒットが出ているし、タイムリーも打てている。1軍のキャッチャーも山本が成長を見せ、ベテランの伊藤、戸柱が控えるが、松尾もバッティングを強みに1軍デビューを窺いたい。しっかりと高卒1年目を完走し、来年どんな成長を見せるか楽しみだ。

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入来祐作氏がファームのチーフ投手コーチに

2023年はオリックスで投手コーチを務めている入来コーチと、2024年シーズンのコーチ契約を結ぶことが発表された。ベイスターズでの担当は、ファームのチーフ投手コーチとなる。

入来コーチは読売で活躍し、MLBへの挑戦を経て、2008年にベイスターズへ入団。その年限りで現役引退し、用具係など裏方を務めた。2013、2014年は秋季キャンプが奄美大島で行われ、グラウンド近くの川で鰻を釣ったことが報道され、話題となった。

2015年にソフトバンクから3軍投手コーチのオファーを受けて就任すると、2019年まで2軍、3軍の投手コーチを務めた。2020年はホークスジュニアのコーチを務めた。2021年にオリックスの投手コーチに就任し、ファームを担当した。

ベイスターズは、ファームながらチーフ投手コーチとして昇格する形で引き抜いた。2024年もファームは奄美大島で春季キャンプを行う。2025年からはリニューアルされた嘉手納に戻る予定なので、奄美大島でのキャンプはラストチャンス。

球団「奄美大島で鰻釣るのラストチャンスだけど来る?」入来「行きます」という話があったかどうかは分からないが、まずは釣り要員として楽しみだ。

そして、ソフトバンク、オリックスのファームでどのように投手を育成しているのかを経験しており、それをベイスターズに持ち込んでくれるのは非常に大きい。特に近年は投手王国を築き、ファームから実力のある投手を次々と送り込んで来るオリックスが、どのように投手を育成しているのかは興味深い。

ベイスターズが目指し、取り組んでいることに、プラスしてうまく生かすことができればと思う。今年はドラフトで投手は少なめになった分、現有戦力に伸びしろのある投手が多数いるということなので、入来コーチには兄貴分としての存在とともに、彼らを成長させ、オリックスのように投手を供給するファームにして欲しいと思う。

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