FA宣言していた石田健大が、残留を決断したと各媒体が報じた。ヤクルトと交渉を行った後、しばらく動きが見られなかったが、横浜に残って優勝したいという結論に達した。また、ベイスターズは、新外国人選手のローワン・ウィックの獲得を発表した。
ヤクルトから高い評価も残留を決断
FA宣言後、11月29日にヤクルトと交渉し、その後は表立った動きがなく、ファンをヤキモキさせていた石田健大だが、ここに来て残留を決断した。ヤクルトから4年4億円規模の好条件を提示されていたようだが、DeNAからも同等程度の条件で宣言残留を容認されていた。
最終的に横浜に残り、このチームで優勝したいという思いに至ったようだ。残留を決めてくれた以上、ともに優勝を目指して戦うというだけなのだが、実際のところ石田健大が考えていたほどのオファーはなかったといったところか。
転職もそうだが、よそから好条件でオファーされるとそちらに気持ちが傾きがち。長い時間熟慮した結果、愛着もあるチームで優勝に貢献したいという部分を選んだ。FA宣言する前に複数年契約をするのとは異なり、既にFA権は行使してしまっているので、より慎重になるのは理解できる。
決断を待ってくれたDeNA、オファーを出してくれたヤクルトに失礼の内容に、しっかりと返答できたなら良いのだが。
今永がMLBに移籍する分、先発投手は苦しくなる。2023年は開幕投手を務め、4勝9敗ながら118イニングを投げた先発投手の存在は小さくない。2022年にコロナの影響で2ヶ月ほど離脱しながら7勝を挙げ、期待された今季は結果としては裏切る形にはなった。本人もFA前の複数年契約を固辞し、成績を残して好待遇を掴みたかっただろう。まさに山崎福のように。
だが、開幕投手を任されながらも、チームを引っ張り切れなかった。それでも4番手以降の先発投手が確立できないチームに合って、23試合の先発を任された。防御率3.97、QS率26.1%では、打線の援護がなく9敗を喫したとは言い難い。
FA前に少し力が入り過ぎてしまった部分もあるだろうし、今年の失敗は本人の中でも反省すべき点はあるだろう。4年契約で腰を据えてプレーできるようになったので、良い意味で落ち着いて投げて欲しいと思う。
山崎福がかなりの人気を集める中、同じCランクの左腕にも関わらず、それほど注目を集めることもなかった。ヤクルトにはある程度のオファーをもらえたが、本人としても悔しい部分はあるだろう。現実を捉え、2024年は山崎福を上回るような成績を出してもらいたい。2年目も9勝が最高なので、自身初の2桁勝利を狙って欲しい。
だが、先発としても5回がやっとの状態で、信頼が低いのでQSをマークできない。現状、先発投手の駒不足が想定されるので、石田健大には先発を期待されると思うが、仮に先発でチームに貢献できないならばリリーフでもやるくらいの気持ちで2024年シーズンに臨んで欲しい。
これで宮崎、山崎の6年契約に続き、戸柱、石田も4年契約。2027年までは彼ら主力がベテランの域に入るまで、安定的にチームを支えてもらうことが計算できる。その間に後進の若手を育成し、彼らベテランを抜いてレギュラーを獲ることを期待する構図にできる。
これまではベテランが移籍したり戦力外となり、若い選手だけで戦っていることが多かったが、それだけではチーム力は向上しない。ベテランと若手がうまくマッチしてチーム力を成す。チームの土台がしっかりしてきて、あとは若手が伸びて来ればという形になってきた。
捕手→外野手→投手の異色
ブルージェイズ傘下のマイナーに所属するローワン・ウィックを獲得した。プロ入り時は捕手だったが、外野手に転向した後、投手に再転向するという異色の経歴を持っている。国籍はカナダで、2017年のWBCでカナダ代表として出場しているようだ。
MLBではカブスでの出場が多く、2022年は64試合に登板している。96マイル(154キロ)のファストボールに、カーブ、スライダーなどの変化球を持っている。2022年のカブス時代の映像を見ると、フォームは少しバウアーに似た感じで、カーブが非常に良く見えた。アンバギーが退団してしまったが、負けず劣らずのイケメンか?
80万ドル(1億1370万円)ということで、昨年のウェンデルケンに近い条件での入団。同じような活躍が期待される。MLBでもイニングを上回る三振を取っているし、ずっとリリーバーをやって来ているので、ここで急に先発ということはないのではないか。
まず1人目の新外国人選手が発表になったところなので、全て出揃うまで待ちたいが、最初に合意に達して発表されたのがリリーフ右腕なので、そこはウェンデルケンがいるし、違うだろうという声もある。田中健を戦力外とし、エスコバーも移籍してしまった今、リリーフ左腕が待たれるところ。ジェフリー・ヤンはちょっと羨ましいと思った。
ソトの移籍も決まったので、外国人野手でスタメンを期待するレベルの選手も必要になって来る。オースティンが外野は厳しいのであれば、やはり外野手がベストだろう。助っ人というくらいなので、チームに足りない部分を補うという意味では、強打の選手ではなく、30盗塁が狙えるような俊足の選手を狙っても良いのではないか。日本ハムが獲得したスティーブンソンのように。
なかなか日本に来てくれる選手を探すのは難しいと思うが、現状ベイスターズのウィークポイントでもあるショートを守る選手でも良いと思う。どういった選手を獲得して来るか、今後も注目したい。
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